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23帰れなくなりました
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……どうしてこうなった。
「シルビア……出てるよ?」
エルドラント国、王城の大ホール。
豪奢で煌びやかなシャンデリア、華やかな天井画、キラキラと輝くステンドグラス。
「………ダリス様、今日ばかりはご容赦ください」
優雅に流れる音楽は、今の私には雑音にしか聞こえない。
さっきから、ドス黒いオーラを引っ込めるのに苦労している。
「まぁ、仕方ないよ。ミランダ様の正式な正妃の承認式と、エマリア様の次期王位継承式が急遽行われる事になったんだから」
「だからって、私達まで出席するなんて」
そう。
あの騒動の後、急遽、エルドラント国では、ミランダ妃の正妃了承式と、エマリア姫の次期王位継承式が執り行なわれる事となった。
そして、国王からの願いにより、トーラス国の代表として、王弟ダリス様と、私達姉弟が出席するはめになったのだ。
因みに、現在式典が全て終わり、ホールにてパーティーが開かれている。
「大丈夫だよ、この件は陛下にも連絡済みだから」
「………いや、そうではなくて」
その時、エルドラント国王とのダンスを終えた姉が、溜息混じりで近付いて来た。
「ダリス様、そのバカは放置で結構ですわ。エリオット様に会えなくて拗ねてるだけですから」
だって仕方ないじゃないか!
この国に来るのが急遽決まり、エリオット様に一言も言えないまま出国したんだから。
でも……拗ねてる理由はまだアル!
「此れが自分にとって「利益」になる事は分かってます!……ただ、姉上!私が言いたいのは!」
その時。
「これはこれは……なんと美しい。あの、良ければ私とダンスを如何ですか?」
そう、原因はコレ。
パーティーが始まるやいなや、男性貴族にやたらと声を掛けられている。
姉はダリス様とベッタリだったため、周囲は察した様で、余り声を掛ける者はいない。
だが、ボッチな私は、未婚の男性貴族からロックオンされた様で、ダンスの誘いが後をたたないのだ。
一応、こうなる事を恐れていた私は、今日はドレスをやめて、ユニセックスな礼服を用意してもらっていた。
袖口が広いレースシャツにジャケットを合わせ、下はフレア調のワイドパンツ。
姉曰く、男装の麗人にしか見えないとは言われたが、それは仕方ない。
だって………まだ成人してないし。
我が家の男子は、成人までは女性の姿で過ごすと言うしきたりを違える訳にはいかないのだから。
「ありがたいのですが、男性とのダンスはちょっと…」
「………そうですか?それは残念だ」
先程から、このやり取りの繰り返し。
察してほしい。
マジウザいから!
そんな中、人混みを掻き分け、一人の女性が此方にやって来た。
「シルビア殿、大丈夫でございますか?……その、先程から拝見していたのですが、何やら大変そうで」
あーうん。
視線には気付いてたよ?
「お気遣いいたみ入ります、姫」
そう、その女性は、今日正式にこの国の次期国王と決まったエマリア様だった。
「あの……女性の私からと言うのは、はしたないかもしれませんが…」
ん?
何やらモジモジし始めたエマリア様。
「その…やはり、ダンスはエリオット様以外とはお嫌でしょうか?」
あぁ、なるほど。
確かに、女性から誘うのは珍しいか…。
「いえ…大丈夫ですよ?姫」
隣国の次期国王の婚約者である私とは、確かに繋がりがあった方が将来「利益」になる。
おまけに、私は次期サフィール家の当主。
国は違えど、味方に引き込んでおいた方が得策だ。
と、まぁ、彼女がそこまで頭が回っていればの話だが。
「ですが、エスコートは「男性」の役目です。姫?私から貴女様にダンスを申し込んでもよろしゅうごさいますか?」
本当は、エリオット様以外の女性など「ジャガイモ」か「カボチャ」だが、私自身の「利益」にもなる…。
彼女と自分のためなら、喜んでネコを被るさ。
私は腰を折ると、右手を差し出し、エマリア様を誘った。
しかも、自分が大嫌いな「超美少女顔」で、最強の笑顔を作ってやる。
「あ、有り難うございます!では、お願いできますでしょうか」
上擦りながら、顔を赤めるエマリア様。
まぁ、チョロいな。
「では参りましょうか?」
私とエマリア様は、雑音と言う名の優雅な音楽の中、皆が踊るホールの中央へと向かった。
「うわぁ………怖いねあれ」
「ダリス様、楽しそうに言われましても、説得力がありませんわよ?」
「バイオレット、それは言わない約束だよ?」
「まぁ、仕方ありませんわ。ウチの弟ですから」
「そうだね、シルビアだから仕方ないね」
「シルビア……出てるよ?」
エルドラント国、王城の大ホール。
豪奢で煌びやかなシャンデリア、華やかな天井画、キラキラと輝くステンドグラス。
「………ダリス様、今日ばかりはご容赦ください」
優雅に流れる音楽は、今の私には雑音にしか聞こえない。
さっきから、ドス黒いオーラを引っ込めるのに苦労している。
「まぁ、仕方ないよ。ミランダ様の正式な正妃の承認式と、エマリア様の次期王位継承式が急遽行われる事になったんだから」
「だからって、私達まで出席するなんて」
そう。
あの騒動の後、急遽、エルドラント国では、ミランダ妃の正妃了承式と、エマリア姫の次期王位継承式が執り行なわれる事となった。
そして、国王からの願いにより、トーラス国の代表として、王弟ダリス様と、私達姉弟が出席するはめになったのだ。
因みに、現在式典が全て終わり、ホールにてパーティーが開かれている。
「大丈夫だよ、この件は陛下にも連絡済みだから」
「………いや、そうではなくて」
その時、エルドラント国王とのダンスを終えた姉が、溜息混じりで近付いて来た。
「ダリス様、そのバカは放置で結構ですわ。エリオット様に会えなくて拗ねてるだけですから」
だって仕方ないじゃないか!
この国に来るのが急遽決まり、エリオット様に一言も言えないまま出国したんだから。
でも……拗ねてる理由はまだアル!
「此れが自分にとって「利益」になる事は分かってます!……ただ、姉上!私が言いたいのは!」
その時。
「これはこれは……なんと美しい。あの、良ければ私とダンスを如何ですか?」
そう、原因はコレ。
パーティーが始まるやいなや、男性貴族にやたらと声を掛けられている。
姉はダリス様とベッタリだったため、周囲は察した様で、余り声を掛ける者はいない。
だが、ボッチな私は、未婚の男性貴族からロックオンされた様で、ダンスの誘いが後をたたないのだ。
一応、こうなる事を恐れていた私は、今日はドレスをやめて、ユニセックスな礼服を用意してもらっていた。
袖口が広いレースシャツにジャケットを合わせ、下はフレア調のワイドパンツ。
姉曰く、男装の麗人にしか見えないとは言われたが、それは仕方ない。
だって………まだ成人してないし。
我が家の男子は、成人までは女性の姿で過ごすと言うしきたりを違える訳にはいかないのだから。
「ありがたいのですが、男性とのダンスはちょっと…」
「………そうですか?それは残念だ」
先程から、このやり取りの繰り返し。
察してほしい。
マジウザいから!
そんな中、人混みを掻き分け、一人の女性が此方にやって来た。
「シルビア殿、大丈夫でございますか?……その、先程から拝見していたのですが、何やら大変そうで」
あーうん。
視線には気付いてたよ?
「お気遣いいたみ入ります、姫」
そう、その女性は、今日正式にこの国の次期国王と決まったエマリア様だった。
「あの……女性の私からと言うのは、はしたないかもしれませんが…」
ん?
何やらモジモジし始めたエマリア様。
「その…やはり、ダンスはエリオット様以外とはお嫌でしょうか?」
あぁ、なるほど。
確かに、女性から誘うのは珍しいか…。
「いえ…大丈夫ですよ?姫」
隣国の次期国王の婚約者である私とは、確かに繋がりがあった方が将来「利益」になる。
おまけに、私は次期サフィール家の当主。
国は違えど、味方に引き込んでおいた方が得策だ。
と、まぁ、彼女がそこまで頭が回っていればの話だが。
「ですが、エスコートは「男性」の役目です。姫?私から貴女様にダンスを申し込んでもよろしゅうごさいますか?」
本当は、エリオット様以外の女性など「ジャガイモ」か「カボチャ」だが、私自身の「利益」にもなる…。
彼女と自分のためなら、喜んでネコを被るさ。
私は腰を折ると、右手を差し出し、エマリア様を誘った。
しかも、自分が大嫌いな「超美少女顔」で、最強の笑顔を作ってやる。
「あ、有り難うございます!では、お願いできますでしょうか」
上擦りながら、顔を赤めるエマリア様。
まぁ、チョロいな。
「では参りましょうか?」
私とエマリア様は、雑音と言う名の優雅な音楽の中、皆が踊るホールの中央へと向かった。
「うわぁ………怖いねあれ」
「ダリス様、楽しそうに言われましても、説得力がありませんわよ?」
「バイオレット、それは言わない約束だよ?」
「まぁ、仕方ありませんわ。ウチの弟ですから」
「そうだね、シルビアだから仕方ないね」
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