彼を取り戻すためにすべてを捧げ…なくても別に良い気がしてきた闇落ち令嬢は、美食家の悪魔と契約をする

hosiiimo

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レイン、悪魔と契約をする。

レインは、悪魔と怪しい契約をする⑤

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「…うーん、じゃあ後は……、契約期間どうしますか?せめてあなたに無理がない期間に、してください」

「雇用期間は、そうだな。とりあえず1年にしようか。そこでまた今後のことを考えたらいいよね。もちろんサービスで、さっき話していた不吉な運命の回避補助もつけちゃうよ」

レインはサービスという言葉にも弱かった。

「本当にいいんですか…、わたしに都合が良すぎませんか。どこかで無理とか、してないですか?」

「君こそ、無理しないで。嫌なことは嫌って言っていいんだよ。君の『お世話』させてもらうことは、僕にとっては幸いなことだから。いい友達になっていこうね。君やサンダース辺境伯一家や、その領民たちもまとめて不吉な予言から守るから。安心して。恩返しというか、親孝行ができるように一緒に頑張ろうね」


レインは感激した。

己の才能の真の理解者が、自分を支えるためにわざわざ『お世話係』になってくれるというのだ。

それに苦手な法律や契約にも何やら詳そうだ。広報もしてくれるらしい。異界のだが。

これで金策も安心、領地が助かりそうだ。おまけに、サンダースさんちや領民のみんなのことまで考えてくれる。

お荷物じゃなくて、レインに優しくしたいと言ってくれる、誠実な紳士。

彼が、彼こそが、伝え聞くところの『親友』という奴なのではないか?なんという奇跡的な出会いだろうか!!こんなふうに言ってくれる彼と友達になろう!!!価値観が違おうが、そこは調整すればいい。お互いフォローし合って、わたしも彼を支えられる人になればいいのだ。

「分かりました。わたしたち良いお友達になりましょう。そして、わたしの『お世話係』になってください。契約お願いします」

「ありがとう。よろしくね、レインちゃん。僕のことはベルって呼んで」

先ほど渡された名刺に、名前が浮かび上がる。

蕩けるような笑顔を浮かべたベルが、差し出してくれた手を、レインも笑顔を浮かべて、握り返した。

こうしてレインは、怪しい悪魔との契約を結んでしまった。契約書も交わしていない、口約束で。
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