彼を取り戻すためにすべてを捧げ…なくても別に良い気がしてきた闇落ち令嬢は、美食家の悪魔と契約をする

hosiiimo

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レイン、悪魔と契約をする。

レインは、悪魔と怪しい契約をする④

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「本当に素晴らしい品々だったよ。存分に堪能できた。是非、この新たな珍味を、僕のコラムを掲載している媒体で紹介させてくれないか!それから特許や販売許可をこちらとあちらで取得しようよ。これは間違いなく、大ヒットだ、空前の人気商品になる!!」

「えぇ、本当ですかっ⁈」

現金なレインは金の匂いに飛びついた。思っていたのとは違う評価であろうと、なんだろうと、とにかく儲かりそうなのだ。

「まぁ諸々調整もいるし…、すぐにとはいかないさ。焦ってトラブルを招くのは君への負担となる。制作環境の向上のためにも、正式な契約をしないか?もちろん権利絡みの契約は改めて適切に行いたいけど、サポート体制だけでも、まずはしっかりと整えさせてほしい!!」

「喜んで、ありがとうございます!!あれ…、でも悪魔との契約って大変なんですよね?それにすごくお高いんですよね。喚び出しと作業代の贄?他にもいろいろ…。……総額でおいくらぐらいするんですか?」

金の匂いに釣られたものの、レインは至って、冷静だ。

(危なかった…。有能な職人や歌手は契約料が高いと聞いたこともある……。彼のような立派な紳士に仕事を頼むのなら、きっと高額な代価が必要なのだ。)

親切な人だけど、その分びっくりするような請求をされるに決まっている。騙してはいなくとも、そういうものなのだ。世の中、そうそううまい話があるわけない。

「そうだね。僕は美食家だ。だから、まずは先ほどのもてなしに正当に評価させてほしい。まずパンケーキが喚び出し代、素晴らしいアラカルトの品々は、契約金だね。そして今後はここに君の『お世話係』としてさせて貰いつつ、その日に君が食べるのと同じ量の食事とゲルの提供を希望しよう。言っておくが僕は自分の職業倫理にかけてこれが適切な代価だと思うよ!!!他に君からの支払いは不要さ!!もちろん、このゲルという珍味は最高だから、いつでも口にしていたいぐらいだけれども、あくまで君の経済的負担にならない範囲でお願いしたいかな。」

彼が甘く微笑む、釣られてレインもぎこちなく笑みを浮かべた。

まさか、そんなうまい話が…夢じゃありませんように、夢じゃありませんように、と心で何度も唱えながら、体中のあちこちを抓くり回す。

食事付の住み込みだけ?こんなに、いい話。こんなにもお安いなんて!!

「ゲル、そんなに気に入ってくれたんですか。なら、たっくさん作りますね。こう見えてわたし、ゲルは得意なんで。任せてください。けどごはんの量、本当にそれだけで足りますか?さっきもけっこう食べてましたよね」

「あぁ、この『界』で君たちが摂取している食べ物は、僕にはとっていわばなんだよ。だから、別に生命活動の維持には必要がないんだ。そちらの方は調するし、特に気にしないでいいよ」

「嗜好品ですか?」

「そう、コーヒーや酒や煙草、チョコレイトのように摂取しようと思えばいくらでも入るけど、取らなくても平気なもの、だよ。わかるかな?だから、食べる量は、まったく気にしないで。あくまでも交流の手段として、君と一緒に取ることこそが、目的だから。もちろん美食家として、たくさん名前は知っているし、を試してみたいものだけれど、そういうのは仕事も含めて、自分でするからさ。それよりも友達として、君の『お世話』をさせて貰えることこそが、僕にとっては何よりのだよ」

なるほど。触れちゃダメな薬品が平気なぐらい、体の仕組みが違うから、食べる仕組みも違うのか。

嗜好品か。お酒にはすごく高いものがあると聞きたことがある。産地とか年代だとかで。それにお酒の評論家とかもいるもの。彼の言う『美食家』というのもそういう感じかな。

そんな人に、ゲルが評価されたのだから、レインはやはり自分はすごいのだと納得した。

プロの『美食家』の人が適切な代価というのだ。きっと正しい。何だかよく分からないが、そういう趣味の世界では、そういうものなのだ。

お掃除用みたいのを飲むのは遠慮したいが、普通のごはんならば、レインも誰かと一緒に食べるのは、大歓迎だ。

食事じゃなくて嗜好品を取る交流というのは、酒場やシガ―ルームのようなものだろうか。大人の社交場だ。行ったことはないが、1人でも飲めるのに、わざわざそこに行くのが良い、らしい。

夏祭で双子と一緒に食べた串焼きの肉やパンケーキは、家で食べるのとはまた違っていておいしかった。きっとそういう感じだろう。
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