102 / 107
101. 戴冠の夜②
しおりを挟む
「ん、んっ…」
浴室で互いの体を洗い合った二人は、口づけを交わしながら寝室へと足を踏み入れた。彼らの体は何も纏っておらず、拭き洩らした水滴が肌を滴り落ちていく。
キスに夢中なローディルに応えながら、オルヴァルは彼の腰を抱いてベッドへとさりげなく誘導した。優しく押し倒し、その上に覆いかぶさる。
「ンぁ……」
唇を離すと、青年が甘い官能の息を吐いた。舌を絡ませる濃厚な口づけのせいで、ローディルの呼吸は乱れている。
「ローディル、俺に任せてくれるか。初めてでどうしていいか分からないだろう?」
額にはりつく髪を指でよけ、頬を撫でる。閉じていた目蓋が開き、既に熱に浮かされた瞳が覗く。青年の頭が縦に振れる。
「嫌なことがあったら、すぐに教えてくれ」
「うん…」
ローディルが頷くのを確認して、オルヴァルは彼の首に顔を埋めた。肌に口づけながら、瑞々しい体に手を這わせる。湯で温まった白い肌はほんのりと赤みを帯びていて色っぽい。
息がかかるのがくすぐったいのか、小さく笑い声が聞こえ、組み敷いた体が身じろぎする。オルヴァルは鼻を押しつけて匂いを嗅いだり唇で食んだりして、ローディルの体を慈しんだ。少し強く吸った際は、肢体が跳ね短く声が上がるも嫌がる素振りは見られず、王は嬉々としながら至るところに所有の痕を残した。
感度の良いローディルは、軽い前戯だけでも快感を得ているようだった。艶のある吐息を断続的に吐き、潤んだ瞳はとろりとして、所在なさげな手は己の唇をいじっている。何より、薄紅色の陰茎が腹部にくっつく程に勃起していた。
オルヴァルは既に存在を主張している乳首に触れた。ツンと硬くなったソレは美味しそうとしか思えず、衝動に任せて食いつく。
「ぅあ、ん、ンぅ…っ」
唾液をたっぷりとまぶして舌で転がせば、ローディルの声が更に甘くなる。初めはくすぐったいだけだと言っていたが、何度も可愛がって快感を与えてきた甲斐もあり、すっかり性感帯と化していた。
弾力のある乳首を口の中で緩急をつけて刺激する。もう片方の乳首は指で弄るのも、勿論忘れない。
「…うぅ、オル…オルヴァル~…ち、くび、…やだぁ…っ」
喘ぎ声の合間に挟まれた拒否の言葉に、オルヴァルは体を起こした。発言の意図が分かりかねて眉間にシワが寄る。
「嫌?胸を口でするの、頭がふわふわになって気持ちいいと教えてくれただろう?好きになったはずだ」
「そ、だけど…っ。こっち、苦しいから、こっちしてほし、ぃ…!」
ローディルが話している間も、オルヴァルの手は彼の乳首を弄っていた。絶妙な手つきでもたらされる快感に身を震わせながら、青年は健気に答える。彼の手は下腹部に伸びていた。その先を視線で追えば、先走りを蜜のように垂らす屹立が。
「俺はもう少し胸を可愛がりたい。ローディル、自分で扱いても構わない。できるだろう?」
突き放すつもりはないのだが、初夜ともなる今回は丹念にしたいというのがオルヴァルの希望だった。丁寧にじっくりとローディルの官能を引き出して、気持ち良くなってほしいのだ。
「やだ…オル、任せてほしい、ってさっき自分で言った…!」
オルヴァルの返答に、途端にローディルは泣きそうに顔を歪めた。乳首を摘まむ手を掴んで、引き剥がそうとしている。
先程の自身の発言を引き合いに出されて目を丸くするも、確かにそうだなと納得してしまう。
ローディルは堪え性がない。性的なことに関しては特に、自分の欲望に真っ直ぐだ。胸の愛撫を嫌がるのは、性器への刺激から得られる快感の方が強いから。自分で触るよりもオルヴァルにされるのを好むのは、その方が格段に気持ちいいと身をもって知っているから。
本能に真っ直ぐなのは、ローディルが持ち合わせている二つの性質の内、獣の性質のせいだろうと思う。加えて、甘えたな青年のおねだりが愛おしくて拒めずに即座に聞き入れていたことも、助長させる要因となってしまった。
もう少し焦らしたかったのだがすぐには無理か、とオルヴァルは思い至る。今後は我慢をすることも少しずつ覚えさせなければ。
「わかった」
そう言って頭をなでてやると、ローディルは安堵したようだった。だが主人がベッド脇の戸棚から手にしたものを見て、好奇心を覗かせる。上半身を起こす彼に、オルヴァルは液体の入った硝子瓶を見せてやった。
「それなに?」
「潤滑剤だ。これを使ってローディルのお尻が俺の男根を受け入れられるようにする」
「…俺、チンコ触って欲しいって言ったのに…」
自分の希望とは違うことが行われると知った青年は、不満だと言わんばかりに唇を尖らせた。へそを曲げる恋人が可愛くて、オルヴァルは突き出された唇を音を立てて啄んだ。
「拗ねないでくれ。ローディルの可愛いこれを無視するわけじゃない」
「ゔ~…」
オルヴァルはくつくつと喉を鳴らして笑いながら、ローディルの膨らんだ頬を指でつまんだ。瓶を開けて中の液体を手のひらに垂らすのを、随獣はじっと見つめた。男は恨みがましい視線を浴びながら、青年の性器をぱくりと口に含んだ。
「あゔ…っ!?」
突然の強い刺激に、ローディルは目を見開いた。起こした上半身を支える腕に力が入らなくなり、再びベッドに沈む。
男の象徴を温かい粘膜に包みこまれ、少し刺激を与えられるだけでもローディルの体はびくびくと大きく跳ねた。強烈な快感にびっくりしたのか、青年の太ももが王の顔を挟む。弾力のある腿に挟まれて、嫌ではないが動きづらく、オルヴァルはゆっくりと足を抑えつけた。
「うぁ、あ、んンっ、く、うぅ…~…!」
口の中の熱に舌を絡ませる度に、嬌声が頭上に降り注ぐ。ローディルの陰茎は持ち主の性格と同じく真っ直ぐで、オルヴァルが与える快楽に先走りを溢れさせた。素直な反応が返って来るのが嬉しくて、オルヴァルは己のテクニックを存分に駆使した。
「あっ、ぅン、…はぁ、あうぅ…ッ」
頬をすぼめて唇で扱けば、ローディルの体が弓なりにのけ反る。唾液をまぶして音を立ててしゃぶりながら、オルヴァルは潤滑剤を纏わせた指できゅっとした窄みに触れた。
潤滑剤を塗りこめるようにシワをなぞり、押し解していく。丁寧に時間をかけ、緩んできたところにすかさず指を挿入する。
そこでオルヴァルは青年の様子を密かに見た。目をぎゅっとつぶって快楽に身を捩らせる姿からは、尻穴に挿入されたことに不快感を抱いているようには見えなかった。口淫でうまく気を逸らせることができているようだ。
中を馴らしながら、少しずつ口での刺激を弱めて様子を窺う。と同時にローディルの弱い部分を探した。熱くきつい中に、オルヴァルは己の下腹がカッと熱くなるのを感じていた。
「…あっ、ぁ…!?も、もう、でちゃ、ぁ…~…っ!」
ある一点を刺激した瞬間、ひと際大きな嬌声が上がった。咥えた屹立がびくりと震え、粘度のある体液が口内に放たれる。オルヴァルはそれを躊躇うことなく嚥下した。
「ローディル、大丈夫か?」
王は体を起こし、大きく肩を上下させて呼吸するローディルに声をかけた。快感が強烈過ぎたのか、頬が涙で濡れている。親指でそっと拭うと、青年は頷いて返事をした。
「…オルヴァル…今の、なに…?オル、の口の中、熱くて、すごく気持ち、かった……」
「今のはフェラチオと言う。満足してもらえたなら良かった」
「ふぇらちお…。次は俺もオルヴァルにする……」
ローディルの言葉に、オルヴァルは笑みを浮かべた。何の抵抗もなく、自分もしてあげたいという彼の健気さがたまらなく愛おしい。
「今、中に指を入れているが気持ち悪くないか?」
「うん…変な感じ、するけど、…気持ち悪くはな…ンあ…っ!」
体に突然走った快感によって、青年は最後まで言葉を紡ぐことが出来なかった。先程強い反応を示した場所をまた触られたからだ。
「そこ…びりびりする…っ」
「気持ち良くて?」
胸元で拳を握り、目を閉じて何度も頷くローディルのいじらしさに、やに下がる。きゅっと引き結ばれた唇に口づけながら、オルヴァルは指を増やした。
「はふ、ン、ふっ…」
唇の合わせを舌先でつつけば、意図を察したのかぱかりと開く。やはり圧迫感を覚えるのか、体は緊張でこわばっていた。だが大好きなキスに安心したのか、すぐに全身から力が抜けた。首に両腕が巻き付いて、もっともっととせがまれる。
恋人の可愛い反応に口角は吊り上がる一方だ。彼の要求に全力で応えつつ、指を動かす。
「…ん、うぅ…オル…な、か…変…」
「変?」
どれ程の時が経ったのか、ローディルの尻穴はオルヴァルの指を三本まで飲みこめるようになっていた。飽きることなく互いの口内を貪ったからか、唇がふやけそうになる。
「おなか…ジンジンして、熱い…。まだ、オルのチンコ、入らない…?」
オルヴァルを見上げる潤んだ瞳は、限界だと語りかけてくる。念には念を入れてもう少し、と思っていたが、確かにだいぶ柔らかくなっていることだし、いけるかもしれないとオルヴァルも同意する。
長時間キスと尻穴への刺激しか行っていなかったが、ローディルのソレは全く萎えていなかった。それを嬉しく思いながら、オルヴァルは張り詰めた己のイチモツをぬかるんだところへゆっくりと挿入した。
「あゔ、う…っ!」
太く長い異物を入れられ、ローディルの顔が苦しそうに歪む。きつく閉じられた目蓋の隙間からも涙が流れていた。
その様子を無視することもできず、王は中止を提案したが、それを止めたのはローディルだった。
「やだ…俺、オルと、コービする…っ!いっしょ、気持ちく、なりたぃ…!」
息も絶え絶えにそう言ってぐずぐず泣き出す恋人に、オルヴァルのハートはすっかり撃ち抜かれてしまう。愛情と興奮で脳が煮えそうになりながら、時間をかけてイチモツを肉壺の中へと納める頃には、二人の額には玉のような汗が滲んでいた。
「ローディル、よく頑張ったな。おかげで全部入ったぞ」
「あぇ……わ、ほんとだ…。オル、の…熱くて、どくどく言ってる…」
頭を撫でられたローディルは手を結合部に伸ばして確かめた。熱っぽい息を吐くさまは、普段の元気な姿から想像もできないほどに妖艶だった。発言自体は無邪気なものだが、彼の醸し出す雰囲気も相まってとても淫らに聞こえる。くらくらと眩暈まで感じるくらいに。
下腹に力を入れなければ、簡単に果ててしまいそうだった。心頭滅却、とひたすら心の中で念じ、平静を保つためにゆっくり息を吐く。
「これでコービ、できた…?」
曇りのない目で見上げられる。達成感に満ち溢れた表情に、少しだけ罪悪感が芽生える。
「いや…まだだ。入れただけでも気持ちいいんだが、俺の陰茎をローディルの尻の中で扱いてもらわないとイけない」
「そっかあ……俺、どうしたら、いい…?」
「ローディルは力を抜いて、俺に身を任せて気持ち良くなってくれればいい」
オルヴァルは微笑み、唇を重ねるだけの口づけを贈った。体を起こして青年の腰を両手で掴み、ゆっくりと揺さぶる。
「んあァ…っ!」
熱の塊が胎内を行き来する感覚に、ローディルはたまらず声を上げた。嵩の張った怒張が、狭い肉壁を擦り上げる。
屹立が出て行くときも、押し込まれるときも、指で触られて教えられた前立腺を弄られて、否応なしに声が出てしまう。
「ぁっ、ア、…ひ、んっ、ぅ…っ!」
ローディルの中は熱く狭く、得も言われぬ快感だった。ゆっくり優しく、と頭では分かっているのに、強すぎる快楽にオルヴァルの頭も茹だって、思考が鈍っていく。
更なる肉体の悦楽を求める本能が理性を勝り、腰使いが乱暴になってしまう。
「…ぁ、はッ…あう、ゔ…!」
叩きつけるようなピストンになっても、ローディルの陰茎は硬度を保ったままだった。オルヴァルが腰を押しこめる度にぷるりと揺れ、あちこちにカウパーを撒き散らす。
もっと気持ち良くなってほしくて、肉襞の中を味わいながら、ソレに指を巻きつけて上下に扱いた。ローディルのどこが弱いかなど、十分に知り尽くしている。
「…ぃ、あッ!…ぁ゛、ぅああ…~~ …ッ!」
前と後ろ、同時にもたらされる快楽に嬌声が一際大きくなり、ローディルはあっという間に達した。痙攣する性器から迸る白濁した体液を手で受け止める。
体を縮こまらせるように絶頂を迎える青年の全身に力が入る。それは尻の中も同じで、王のイチモツをあらん限りの力で締めつけた。
「…ッく、ぅ…」
オルヴァルは歯を食いしばってやり過ごそうと試みたが、あっけなく敗北した。青年の胎内に射精する。
ベッドに両手を突き、項垂れながら呼吸を整える。怒張は尚もローディルの奥深くに突き刺したままだ。腰を軽く揺すって、一滴残らず中に注ぐ。
たまらない気持ち良さだった。まるで初めてかのように歯止めが効かずに暴発してしまった。
性交渉なら何度も経験がある。だがローディルとする行為はこれまでの比ではないくらいの快楽だった。
「ローディル…大丈夫か?」
精液で汚れていない方の手で優しく頭を撫でると、随獣の目がゆっくりと開いた。睫毛に涙の粒がいくつもついている。
彼は甘く艶のある息を吐きながら、頭を撫でられるのが気持ちいいとばかりにうっとりと目を細めた。
「すまない、優しくするつもりだったのに乱暴になってしまった。どこか痛いところは──…」
「オルヴァル……」
発言の途中で名前を呼ばれる。オルヴァルは返事をしながら、青年の言葉の続きを待った。
「コービ、って…すごい。頭の中…バチバチってなって、目の前、チカチカした…」
「それは嫌な感覚ではなかったか?」
「全然…。オルと一つになって、こことここがいっぱいになって、すごく幸せな気持ち……」
ローディルは緩慢な動きで下腹と心臓の辺りを手で触れた。発言に嘘偽りはないようで、顔には満ち足りた表情が浮かんでいる。
彼を満足させることができたと分かり、オルヴァルの頬も緩んだ。とろとろに惚けている恋人のなんと可愛いことか。
ローディルにとっては初めての行為。彼に負担を強いたくなくて一回のみで終わらせようとしていたオルヴァルだったが、無残にも己の肉体に裏切られてしまう。挿入したままの屹立は精を放ったばかりであると言うのに、全く萎えることを知らなかったからだ。脈動が感じられるほどに膨張して痛みさえ感じる。
「ローディル…その、情けない話だが、ローディルに受け入れてもらえたのが嬉しくて、まだ治まりそうにないんだ…。もう一度付き合ってもらえないか…?」
首を傾げる恋人に、腰を緩く動かして熱塊の存在を知らしめる。
「ん……する。もっとする…」
ローディルはびっくりした様子だったが、すぐに承諾した。しかも嬉しい言葉つきで。
オルヴァルは感謝の言葉を返しながら、最大の敵である己の理性に負けるまいと喝を入れながら、律動を再開させたのだった。
浴室で互いの体を洗い合った二人は、口づけを交わしながら寝室へと足を踏み入れた。彼らの体は何も纏っておらず、拭き洩らした水滴が肌を滴り落ちていく。
キスに夢中なローディルに応えながら、オルヴァルは彼の腰を抱いてベッドへとさりげなく誘導した。優しく押し倒し、その上に覆いかぶさる。
「ンぁ……」
唇を離すと、青年が甘い官能の息を吐いた。舌を絡ませる濃厚な口づけのせいで、ローディルの呼吸は乱れている。
「ローディル、俺に任せてくれるか。初めてでどうしていいか分からないだろう?」
額にはりつく髪を指でよけ、頬を撫でる。閉じていた目蓋が開き、既に熱に浮かされた瞳が覗く。青年の頭が縦に振れる。
「嫌なことがあったら、すぐに教えてくれ」
「うん…」
ローディルが頷くのを確認して、オルヴァルは彼の首に顔を埋めた。肌に口づけながら、瑞々しい体に手を這わせる。湯で温まった白い肌はほんのりと赤みを帯びていて色っぽい。
息がかかるのがくすぐったいのか、小さく笑い声が聞こえ、組み敷いた体が身じろぎする。オルヴァルは鼻を押しつけて匂いを嗅いだり唇で食んだりして、ローディルの体を慈しんだ。少し強く吸った際は、肢体が跳ね短く声が上がるも嫌がる素振りは見られず、王は嬉々としながら至るところに所有の痕を残した。
感度の良いローディルは、軽い前戯だけでも快感を得ているようだった。艶のある吐息を断続的に吐き、潤んだ瞳はとろりとして、所在なさげな手は己の唇をいじっている。何より、薄紅色の陰茎が腹部にくっつく程に勃起していた。
オルヴァルは既に存在を主張している乳首に触れた。ツンと硬くなったソレは美味しそうとしか思えず、衝動に任せて食いつく。
「ぅあ、ん、ンぅ…っ」
唾液をたっぷりとまぶして舌で転がせば、ローディルの声が更に甘くなる。初めはくすぐったいだけだと言っていたが、何度も可愛がって快感を与えてきた甲斐もあり、すっかり性感帯と化していた。
弾力のある乳首を口の中で緩急をつけて刺激する。もう片方の乳首は指で弄るのも、勿論忘れない。
「…うぅ、オル…オルヴァル~…ち、くび、…やだぁ…っ」
喘ぎ声の合間に挟まれた拒否の言葉に、オルヴァルは体を起こした。発言の意図が分かりかねて眉間にシワが寄る。
「嫌?胸を口でするの、頭がふわふわになって気持ちいいと教えてくれただろう?好きになったはずだ」
「そ、だけど…っ。こっち、苦しいから、こっちしてほし、ぃ…!」
ローディルが話している間も、オルヴァルの手は彼の乳首を弄っていた。絶妙な手つきでもたらされる快感に身を震わせながら、青年は健気に答える。彼の手は下腹部に伸びていた。その先を視線で追えば、先走りを蜜のように垂らす屹立が。
「俺はもう少し胸を可愛がりたい。ローディル、自分で扱いても構わない。できるだろう?」
突き放すつもりはないのだが、初夜ともなる今回は丹念にしたいというのがオルヴァルの希望だった。丁寧にじっくりとローディルの官能を引き出して、気持ち良くなってほしいのだ。
「やだ…オル、任せてほしい、ってさっき自分で言った…!」
オルヴァルの返答に、途端にローディルは泣きそうに顔を歪めた。乳首を摘まむ手を掴んで、引き剥がそうとしている。
先程の自身の発言を引き合いに出されて目を丸くするも、確かにそうだなと納得してしまう。
ローディルは堪え性がない。性的なことに関しては特に、自分の欲望に真っ直ぐだ。胸の愛撫を嫌がるのは、性器への刺激から得られる快感の方が強いから。自分で触るよりもオルヴァルにされるのを好むのは、その方が格段に気持ちいいと身をもって知っているから。
本能に真っ直ぐなのは、ローディルが持ち合わせている二つの性質の内、獣の性質のせいだろうと思う。加えて、甘えたな青年のおねだりが愛おしくて拒めずに即座に聞き入れていたことも、助長させる要因となってしまった。
もう少し焦らしたかったのだがすぐには無理か、とオルヴァルは思い至る。今後は我慢をすることも少しずつ覚えさせなければ。
「わかった」
そう言って頭をなでてやると、ローディルは安堵したようだった。だが主人がベッド脇の戸棚から手にしたものを見て、好奇心を覗かせる。上半身を起こす彼に、オルヴァルは液体の入った硝子瓶を見せてやった。
「それなに?」
「潤滑剤だ。これを使ってローディルのお尻が俺の男根を受け入れられるようにする」
「…俺、チンコ触って欲しいって言ったのに…」
自分の希望とは違うことが行われると知った青年は、不満だと言わんばかりに唇を尖らせた。へそを曲げる恋人が可愛くて、オルヴァルは突き出された唇を音を立てて啄んだ。
「拗ねないでくれ。ローディルの可愛いこれを無視するわけじゃない」
「ゔ~…」
オルヴァルはくつくつと喉を鳴らして笑いながら、ローディルの膨らんだ頬を指でつまんだ。瓶を開けて中の液体を手のひらに垂らすのを、随獣はじっと見つめた。男は恨みがましい視線を浴びながら、青年の性器をぱくりと口に含んだ。
「あゔ…っ!?」
突然の強い刺激に、ローディルは目を見開いた。起こした上半身を支える腕に力が入らなくなり、再びベッドに沈む。
男の象徴を温かい粘膜に包みこまれ、少し刺激を与えられるだけでもローディルの体はびくびくと大きく跳ねた。強烈な快感にびっくりしたのか、青年の太ももが王の顔を挟む。弾力のある腿に挟まれて、嫌ではないが動きづらく、オルヴァルはゆっくりと足を抑えつけた。
「うぁ、あ、んンっ、く、うぅ…~…!」
口の中の熱に舌を絡ませる度に、嬌声が頭上に降り注ぐ。ローディルの陰茎は持ち主の性格と同じく真っ直ぐで、オルヴァルが与える快楽に先走りを溢れさせた。素直な反応が返って来るのが嬉しくて、オルヴァルは己のテクニックを存分に駆使した。
「あっ、ぅン、…はぁ、あうぅ…ッ」
頬をすぼめて唇で扱けば、ローディルの体が弓なりにのけ反る。唾液をまぶして音を立ててしゃぶりながら、オルヴァルは潤滑剤を纏わせた指できゅっとした窄みに触れた。
潤滑剤を塗りこめるようにシワをなぞり、押し解していく。丁寧に時間をかけ、緩んできたところにすかさず指を挿入する。
そこでオルヴァルは青年の様子を密かに見た。目をぎゅっとつぶって快楽に身を捩らせる姿からは、尻穴に挿入されたことに不快感を抱いているようには見えなかった。口淫でうまく気を逸らせることができているようだ。
中を馴らしながら、少しずつ口での刺激を弱めて様子を窺う。と同時にローディルの弱い部分を探した。熱くきつい中に、オルヴァルは己の下腹がカッと熱くなるのを感じていた。
「…あっ、ぁ…!?も、もう、でちゃ、ぁ…~…っ!」
ある一点を刺激した瞬間、ひと際大きな嬌声が上がった。咥えた屹立がびくりと震え、粘度のある体液が口内に放たれる。オルヴァルはそれを躊躇うことなく嚥下した。
「ローディル、大丈夫か?」
王は体を起こし、大きく肩を上下させて呼吸するローディルに声をかけた。快感が強烈過ぎたのか、頬が涙で濡れている。親指でそっと拭うと、青年は頷いて返事をした。
「…オルヴァル…今の、なに…?オル、の口の中、熱くて、すごく気持ち、かった……」
「今のはフェラチオと言う。満足してもらえたなら良かった」
「ふぇらちお…。次は俺もオルヴァルにする……」
ローディルの言葉に、オルヴァルは笑みを浮かべた。何の抵抗もなく、自分もしてあげたいという彼の健気さがたまらなく愛おしい。
「今、中に指を入れているが気持ち悪くないか?」
「うん…変な感じ、するけど、…気持ち悪くはな…ンあ…っ!」
体に突然走った快感によって、青年は最後まで言葉を紡ぐことが出来なかった。先程強い反応を示した場所をまた触られたからだ。
「そこ…びりびりする…っ」
「気持ち良くて?」
胸元で拳を握り、目を閉じて何度も頷くローディルのいじらしさに、やに下がる。きゅっと引き結ばれた唇に口づけながら、オルヴァルは指を増やした。
「はふ、ン、ふっ…」
唇の合わせを舌先でつつけば、意図を察したのかぱかりと開く。やはり圧迫感を覚えるのか、体は緊張でこわばっていた。だが大好きなキスに安心したのか、すぐに全身から力が抜けた。首に両腕が巻き付いて、もっともっととせがまれる。
恋人の可愛い反応に口角は吊り上がる一方だ。彼の要求に全力で応えつつ、指を動かす。
「…ん、うぅ…オル…な、か…変…」
「変?」
どれ程の時が経ったのか、ローディルの尻穴はオルヴァルの指を三本まで飲みこめるようになっていた。飽きることなく互いの口内を貪ったからか、唇がふやけそうになる。
「おなか…ジンジンして、熱い…。まだ、オルのチンコ、入らない…?」
オルヴァルを見上げる潤んだ瞳は、限界だと語りかけてくる。念には念を入れてもう少し、と思っていたが、確かにだいぶ柔らかくなっていることだし、いけるかもしれないとオルヴァルも同意する。
長時間キスと尻穴への刺激しか行っていなかったが、ローディルのソレは全く萎えていなかった。それを嬉しく思いながら、オルヴァルは張り詰めた己のイチモツをぬかるんだところへゆっくりと挿入した。
「あゔ、う…っ!」
太く長い異物を入れられ、ローディルの顔が苦しそうに歪む。きつく閉じられた目蓋の隙間からも涙が流れていた。
その様子を無視することもできず、王は中止を提案したが、それを止めたのはローディルだった。
「やだ…俺、オルと、コービする…っ!いっしょ、気持ちく、なりたぃ…!」
息も絶え絶えにそう言ってぐずぐず泣き出す恋人に、オルヴァルのハートはすっかり撃ち抜かれてしまう。愛情と興奮で脳が煮えそうになりながら、時間をかけてイチモツを肉壺の中へと納める頃には、二人の額には玉のような汗が滲んでいた。
「ローディル、よく頑張ったな。おかげで全部入ったぞ」
「あぇ……わ、ほんとだ…。オル、の…熱くて、どくどく言ってる…」
頭を撫でられたローディルは手を結合部に伸ばして確かめた。熱っぽい息を吐くさまは、普段の元気な姿から想像もできないほどに妖艶だった。発言自体は無邪気なものだが、彼の醸し出す雰囲気も相まってとても淫らに聞こえる。くらくらと眩暈まで感じるくらいに。
下腹に力を入れなければ、簡単に果ててしまいそうだった。心頭滅却、とひたすら心の中で念じ、平静を保つためにゆっくり息を吐く。
「これでコービ、できた…?」
曇りのない目で見上げられる。達成感に満ち溢れた表情に、少しだけ罪悪感が芽生える。
「いや…まだだ。入れただけでも気持ちいいんだが、俺の陰茎をローディルの尻の中で扱いてもらわないとイけない」
「そっかあ……俺、どうしたら、いい…?」
「ローディルは力を抜いて、俺に身を任せて気持ち良くなってくれればいい」
オルヴァルは微笑み、唇を重ねるだけの口づけを贈った。体を起こして青年の腰を両手で掴み、ゆっくりと揺さぶる。
「んあァ…っ!」
熱の塊が胎内を行き来する感覚に、ローディルはたまらず声を上げた。嵩の張った怒張が、狭い肉壁を擦り上げる。
屹立が出て行くときも、押し込まれるときも、指で触られて教えられた前立腺を弄られて、否応なしに声が出てしまう。
「ぁっ、ア、…ひ、んっ、ぅ…っ!」
ローディルの中は熱く狭く、得も言われぬ快感だった。ゆっくり優しく、と頭では分かっているのに、強すぎる快楽にオルヴァルの頭も茹だって、思考が鈍っていく。
更なる肉体の悦楽を求める本能が理性を勝り、腰使いが乱暴になってしまう。
「…ぁ、はッ…あう、ゔ…!」
叩きつけるようなピストンになっても、ローディルの陰茎は硬度を保ったままだった。オルヴァルが腰を押しこめる度にぷるりと揺れ、あちこちにカウパーを撒き散らす。
もっと気持ち良くなってほしくて、肉襞の中を味わいながら、ソレに指を巻きつけて上下に扱いた。ローディルのどこが弱いかなど、十分に知り尽くしている。
「…ぃ、あッ!…ぁ゛、ぅああ…~~ …ッ!」
前と後ろ、同時にもたらされる快楽に嬌声が一際大きくなり、ローディルはあっという間に達した。痙攣する性器から迸る白濁した体液を手で受け止める。
体を縮こまらせるように絶頂を迎える青年の全身に力が入る。それは尻の中も同じで、王のイチモツをあらん限りの力で締めつけた。
「…ッく、ぅ…」
オルヴァルは歯を食いしばってやり過ごそうと試みたが、あっけなく敗北した。青年の胎内に射精する。
ベッドに両手を突き、項垂れながら呼吸を整える。怒張は尚もローディルの奥深くに突き刺したままだ。腰を軽く揺すって、一滴残らず中に注ぐ。
たまらない気持ち良さだった。まるで初めてかのように歯止めが効かずに暴発してしまった。
性交渉なら何度も経験がある。だがローディルとする行為はこれまでの比ではないくらいの快楽だった。
「ローディル…大丈夫か?」
精液で汚れていない方の手で優しく頭を撫でると、随獣の目がゆっくりと開いた。睫毛に涙の粒がいくつもついている。
彼は甘く艶のある息を吐きながら、頭を撫でられるのが気持ちいいとばかりにうっとりと目を細めた。
「すまない、優しくするつもりだったのに乱暴になってしまった。どこか痛いところは──…」
「オルヴァル……」
発言の途中で名前を呼ばれる。オルヴァルは返事をしながら、青年の言葉の続きを待った。
「コービ、って…すごい。頭の中…バチバチってなって、目の前、チカチカした…」
「それは嫌な感覚ではなかったか?」
「全然…。オルと一つになって、こことここがいっぱいになって、すごく幸せな気持ち……」
ローディルは緩慢な動きで下腹と心臓の辺りを手で触れた。発言に嘘偽りはないようで、顔には満ち足りた表情が浮かんでいる。
彼を満足させることができたと分かり、オルヴァルの頬も緩んだ。とろとろに惚けている恋人のなんと可愛いことか。
ローディルにとっては初めての行為。彼に負担を強いたくなくて一回のみで終わらせようとしていたオルヴァルだったが、無残にも己の肉体に裏切られてしまう。挿入したままの屹立は精を放ったばかりであると言うのに、全く萎えることを知らなかったからだ。脈動が感じられるほどに膨張して痛みさえ感じる。
「ローディル…その、情けない話だが、ローディルに受け入れてもらえたのが嬉しくて、まだ治まりそうにないんだ…。もう一度付き合ってもらえないか…?」
首を傾げる恋人に、腰を緩く動かして熱塊の存在を知らしめる。
「ん……する。もっとする…」
ローディルはびっくりした様子だったが、すぐに承諾した。しかも嬉しい言葉つきで。
オルヴァルは感謝の言葉を返しながら、最大の敵である己の理性に負けるまいと喝を入れながら、律動を再開させたのだった。
11
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
【完結】火を吐く土の国の王子は、塔から来た調査官に灼熱の愛をそそぐ
月田朋
BL
「トウヤ様、長旅お疲れのことでしょう。首尾よくなによりでございます。――とはいえ油断なされるな。決してお声を発してはなりませんぞ!」」
塔からはるばる火吐国(ひはきこく)にやってきた銀髪の美貌の調査官トウヤは、副官のザミドからの小言を背に王宮をさまよう。
塔の加護のせいで無言を貫くトウヤが王宮の浴場に案内され出会ったのは、美しくも対照的な二人の王子だった。
太陽に称される金の髪をもつニト、月に称される漆黒の髪をもつヨミであった。
トウヤは、やがて王家の秘密へと足を踏み入れる。
灼熱の王子に愛され焦がされるのは、理性か欲か。
【ぶっきらぼう王子×銀髪美人調査官】
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞に応募しましたので、見て頂けると嬉しいです!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる