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一章
〜 誘惑 〜
しおりを挟む「・・・え・・・あ・・・でも・・衰弱死って・・・」
「優理ちゃん、僕は淫魔なんだ」
「・・・・・え・・・?」
い、いんまって・・あの淫魔・・・?
突然の現実離れした瑠花の言葉に、優理は言葉に詰まってただ見つめることしかできなかった。
「信じれないかもしれないけど、本当なんだ・・・カフェがいつも違う場所にあるのも、キスした時に優理ちゃんが気を失っちゃった事、あれは無意識に生気を奪っちゃってて・・ごめんね・・・」
「えっ・・は、はぁ・・・」
聞けば聞くほど話が・・・
「・・・やっぱり、信じられないよね?」
なんとも言えない苦笑いを浮かべる瑠花に、優理は真剣な眼差しで見つめながら口を開いた。
「信じます・・・」
「・・・え・・・」
「瑠花さんだから、信じます」
「優理ちゃん・・・」
そのまま覆い被さるように抱き締められ、優理の頭の中は一瞬で真っ白になってしまった。
「・・・信じてくれてありがとう・・僕の事、怖くない?」
「え、あの・・・」
えっえっ、今すごい状態で抱き締められてるっ!?
「自分の思った事、はっきり言って大丈夫だから・・・
もし、もう会いたくなくなったら優理ちゃんの前から消えるから」
えっ・・・
「・・・嫌・・・」
優理は無意識に、瑠花の背中に手を回して強く抱き締めた。
「っ・・・優理ちゃん・・・」
「・・・瑠花さんと・・また逢いたい・・・」
「優理ちゃん、それは反則すぎる」
「え・・・?」
不意に瑠花の整った顔が近づき、気がついた時には唇を塞がれていた。
優しいがいつもより激しいキス。
えっえっ、すごいキスされてるっ!!
・・どうしよう・・どこで息していいか・・・・
「んっ・・瑠花・・さんっ・・・」
ちょっと苦しそうに唇を離そうとしたが、顎を掴まれ阻止されてしまった。
まるで何かを求めているかのように・・・・
「・・楽しそうだな、俺も混ぜてくれよ」
っっ!?
2人だけの空間に聞き慣れない男の声が突然乱入してきて、2人は窓の方へ視線を走らせるとーーー、20代前半くらいの長身ハーフ美形が、開いていた窓の縁に腰掛けている姿があった。
焦げ茶に金が混じった様な長髪を後ろで縛っていて、西洋と日本のハーフの様な美しい容姿と、スラッとしたモデルみたいなスタイルをしている。
息を呑むほど完璧で、性別・年齢を問わず目にした人全てを魅了してしまいそうだ。
えっ・・・綺麗な人・・・じゃなくて、誰っ!?そもそも、ここ2階だけど!!
「・・・レイ・・・」
その美しい男を見た途端、瑠花は嫌そうに顔をしかめながらベッドから降りた。
えっ、瑠花さんの知り合い・・・?
「久しぶりだな!
最後に会ったのは100年以上前か?」
「何しに来たの?」
「別に理由なんてねぇよ。
ただ、お前が面白い事してるから混ぜてもらおうと思って!
また、昔みたいに」
「断るっ!
早く僕の前から消えてくれ!」
険悪なムードの中、鋭い目つきで睨みつける瑠花にレイという美形は面白くなさそうに舌打ちをした。
「つまんねぇーの・・・
はいはい、今日は大人しく消えてやるよ。じゃあな」
ふてくされた様にそう言うと、レイは窓から飛び降りる様に出て行った。
「へっ!?」
と、飛び降りたっ!!
えっ、どうなってるのっ!?
「はぁ・・・
・・・優理ちゃん、驚かせちゃってごめんね」
「えっ、まぁ・・あの・・さっきの人、飛び降りたけど大丈夫ですか・・・?」
「気にしなくても大丈夫だよ。
あいつも、僕と同じ淫魔だから人間より運動神経いいんだ」
「え・・・」
まあ・・確かに、あの美しさは人間離れしてる・・・瑠花さんもだけど・・・
「あいつの事、気になるの?」
「えっ?いや・・そういうんじゃ・・・」
瑠花はベッドに腰掛け、キスできそうな距離までゆっくりと顔を近づけた。
「・・・優理ちゃん・・さっきの続きしよう?」
「え・・・」
あ・・瑠花さんの顔がこんな近くにっ!!
って、さっきの続きってっ・・・
顔を真っ赤にさせて視線を逸らそうとする優理に、瑠花は少し強引にベッドに押し倒した。
「あっ・・瑠花さん・・・?」
「瑠花って呼んで・・優理・・・」
優しい声で囁かれ、優理はその瞳から目が離せなくなり一瞬で心奪われてしまった。
どうしようっ・・すごいドキドキして胸が苦しいっ・・・
「あ・・あの・・・」
必死に何か喋ろうとする優理に、瑠花は待ちきれないとばかりに唇を塞いだ。
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