17 / 20
一章
〜 誘惑 〜
しおりを挟む「・・・え・・・あ・・・でも・・衰弱死って・・・」
「優理ちゃん、僕は淫魔なんだ」
「・・・・・え・・・?」
い、いんまって・・あの淫魔・・・?
突然の現実離れした瑠花の言葉に、優理は言葉に詰まってただ見つめることしかできなかった。
「信じれないかもしれないけど、本当なんだ・・・カフェがいつも違う場所にあるのも、キスした時に優理ちゃんが気を失っちゃった事、あれは無意識に生気を奪っちゃってて・・ごめんね・・・」
「えっ・・は、はぁ・・・」
聞けば聞くほど話が・・・
「・・・やっぱり、信じられないよね?」
なんとも言えない苦笑いを浮かべる瑠花に、優理は真剣な眼差しで見つめながら口を開いた。
「信じます・・・」
「・・・え・・・」
「瑠花さんだから、信じます」
「優理ちゃん・・・」
そのまま覆い被さるように抱き締められ、優理の頭の中は一瞬で真っ白になってしまった。
「・・・信じてくれてありがとう・・僕の事、怖くない?」
「え、あの・・・」
えっえっ、今すごい状態で抱き締められてるっ!?
「自分の思った事、はっきり言って大丈夫だから・・・
もし、もう会いたくなくなったら優理ちゃんの前から消えるから」
えっ・・・
「・・・嫌・・・」
優理は無意識に、瑠花の背中に手を回して強く抱き締めた。
「っ・・・優理ちゃん・・・」
「・・・瑠花さんと・・また逢いたい・・・」
「優理ちゃん、それは反則すぎる」
「え・・・?」
不意に瑠花の整った顔が近づき、気がついた時には唇を塞がれていた。
優しいがいつもより激しいキス。
えっえっ、すごいキスされてるっ!!
・・どうしよう・・どこで息していいか・・・・
「んっ・・瑠花・・さんっ・・・」
ちょっと苦しそうに唇を離そうとしたが、顎を掴まれ阻止されてしまった。
まるで何かを求めているかのように・・・・
「・・楽しそうだな、俺も混ぜてくれよ」
っっ!?
2人だけの空間に聞き慣れない男の声が突然乱入してきて、2人は窓の方へ視線を走らせるとーーー、20代前半くらいの長身ハーフ美形が、開いていた窓の縁に腰掛けている姿があった。
焦げ茶に金が混じった様な長髪を後ろで縛っていて、西洋と日本のハーフの様な美しい容姿と、スラッとしたモデルみたいなスタイルをしている。
息を呑むほど完璧で、性別・年齢を問わず目にした人全てを魅了してしまいそうだ。
えっ・・・綺麗な人・・・じゃなくて、誰っ!?そもそも、ここ2階だけど!!
「・・・レイ・・・」
その美しい男を見た途端、瑠花は嫌そうに顔をしかめながらベッドから降りた。
えっ、瑠花さんの知り合い・・・?
「久しぶりだな!
最後に会ったのは100年以上前か?」
「何しに来たの?」
「別に理由なんてねぇよ。
ただ、お前が面白い事してるから混ぜてもらおうと思って!
また、昔みたいに」
「断るっ!
早く僕の前から消えてくれ!」
険悪なムードの中、鋭い目つきで睨みつける瑠花にレイという美形は面白くなさそうに舌打ちをした。
「つまんねぇーの・・・
はいはい、今日は大人しく消えてやるよ。じゃあな」
ふてくされた様にそう言うと、レイは窓から飛び降りる様に出て行った。
「へっ!?」
と、飛び降りたっ!!
えっ、どうなってるのっ!?
「はぁ・・・
・・・優理ちゃん、驚かせちゃってごめんね」
「えっ、まぁ・・あの・・さっきの人、飛び降りたけど大丈夫ですか・・・?」
「気にしなくても大丈夫だよ。
あいつも、僕と同じ淫魔だから人間より運動神経いいんだ」
「え・・・」
まあ・・確かに、あの美しさは人間離れしてる・・・瑠花さんもだけど・・・
「あいつの事、気になるの?」
「えっ?いや・・そういうんじゃ・・・」
瑠花はベッドに腰掛け、キスできそうな距離までゆっくりと顔を近づけた。
「・・・優理ちゃん・・さっきの続きしよう?」
「え・・・」
あ・・瑠花さんの顔がこんな近くにっ!!
って、さっきの続きってっ・・・
顔を真っ赤にさせて視線を逸らそうとする優理に、瑠花は少し強引にベッドに押し倒した。
「あっ・・瑠花さん・・・?」
「瑠花って呼んで・・優理・・・」
優しい声で囁かれ、優理はその瞳から目が離せなくなり一瞬で心奪われてしまった。
どうしようっ・・すごいドキドキして胸が苦しいっ・・・
「あ・・あの・・・」
必死に何か喋ろうとする優理に、瑠花は待ちきれないとばかりに唇を塞いだ。
0
あなたにおすすめの小説
疑惑のタッセル
翠月 瑠々奈
恋愛
今、未婚の貴族の令嬢・令息の中で、王国の騎士たちにタッセルを渡すことが流行っていた。
目当ての相手に渡すタッセル。「房飾り」とも呼ばれ、糸や紐を束ねて作られた装飾品。様々な色やデザインで形作られている。
それは、騎士団炎の隊の隊長であるフリージアの剣にもついていた。
でもそれは──?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
安らかにお眠りください
くびのほきょう
恋愛
父母兄を馬車の事故で亡くし6歳で天涯孤独になった侯爵令嬢と、その婚約者で、母を愛しているために側室を娶らない自分の父に憧れて自分も父王のように誠実に生きたいと思っていた王子の話。
※突然残酷な描写が入ります。
※視点がコロコロ変わり分かりづらい構成です。
※小説家になろう様へも投稿しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる