平凡な世界にさよならを

プロローグ

　ある朝起きたとき世界が変わっていた。
ファンタジーの世界ではよくある話し。普通の世界では起こることではない。それでも、そんなことが起こればいいなと、思っている人も多いはず。
 この俺もその中の一人だった。

『高校に入ればなにかが変わる』

そう思っていた中学時代。

　しかし、何も変わらなかった。入学して２ヶ月、変わったことと言えば、友達や先生の顔、勉強が難しくなったことや登下校の風景くらいだ。まあ、中学時代部活で遊び半分でやっていた陸上(長距離)を真面目に練習するようにはなっていた。

　そんな中の6月初め
 ｢あ～あ、なんかおもしろいことでも起きひんかな～｣
   と、いつものように少年は登校時にふとそうつぶやきながら歩いていた。
    起きる時間を間違えて、いつもより30分以上も早い電車に乗れたので早く学校に着いた。
   学校に来ている生徒は朝練している生徒以外いなかった。当然、自分が一番に教室を開けると思っていて鍵がある職員室に向かった。しかし、鍵置き場には自分の教室1年3組の鍵だけがなかった。
 自分より先に来ている生徒がいたのだろう。無駄足だったと思いながら教室のある４階へ向かった。

　教室の前に着きドアをさわるとやはり開いていた。こんな時間から誰が来ているのだろうか、そんなことを考えながらドアを開けて教室に入るとそこには窓の外の風景を見ながら座っている生徒がいた。


　まさか、この出来事が今後の自分の人生を変えていくとは夢にも思っていなかった。