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第一章 平凡な世界の中で
第一話 出会いと質問
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「おはよー。鳥橋」
その座っていた生徒が言った。
鳥橋成斗それがこの俺の名前だ。
「おぉ、おはよう。」
普通にかえしたつもりだった。
その生徒は少し笑いながら
「意外そうな顔してるね。そんなに俺が早く来てるのが変だった?」
「あぁ、まぁ、まさか岡崎がこんな早く来てるとは思わんかった。」
来てるとすれば、真面目な委員長か今日の日直だと思っていた。
しかし、そこにいたのは岡崎悠治だった。
岡崎は俺と同じ陸上部で長距離をしている。ちなみに、俺が陸上部に入ったのは中学時代に陸上部に入っていたことを聞きつけた岡崎が誘ってきたのがきっかけだった。そんなことは今はどうでもいいのだ。
岡崎はクラスでも部活でも少し抜けたところがある明るいムードメーカー的存在である。いつも早く教室に来ているのは分かっていたが、まさか一番に来ているとは思わなかった。
そもそも、岡崎が早く来てる理由が分からなかった。もしかしたら自分と同じようにたまたま早く来ただけだと思いながら自分の席に鞄を置き、俺は訪ねてみた。
「毎日、こんな早く来てるん?」
「うん。」
岡崎は頷きながら答えた。
「来てるの、委員長か日直やと思ってただろ。まぁ、確かに委員長も来るの早いけどね~」
いつものように少しふざけた言い方で言われた。
図星をつかれた。少し顔が赤くなった。それがわかったのか岡崎は嬉しそうにしていた。
そして逃げるように理由を訪ねた。
「なんで、こんな早く来てんの?」
すると、岡崎はいつもとは違う雰囲気で少し寂しそうに言った。
「俺、朝のこの風景を見るのが好きなんだ。この平和な風景を見るのが。」
この答えに違和感を感じたが、よく分からなかったので特にそれ以上は聞かなかった。
まさか、そんな理由で早く来てるとは思わず、驚いていたら今度は向こうから聞いて来た。
「そういえば、なんで鳥橋は早く学校に来てるん?いっつも、もっと遅いよな~」
先程とは違い、いつもの調子に戻っていた。
「え、あ、あぁ俺はたまたまいつもより早く起き家出たんや。それで早く着いただけやけど。」
特に、隠すことでもなかったので俺は正直に答えた。
その答えに岡崎は「ふーん」と言うだけだった。
その後、少しの間沈黙が続いた。
そもそも、岡崎とそれほど仲がいい訳ではなかった。教室でも部活でも必要最低限にしか関わらないようにしていた。というのも、他の人が気付いているのかは知らないがさっきのようにたまに性格が変わったような雰囲気を出すことがある。何か、隠しているように見えてあまり信用できないからだ。嫌いというわけではないのだが好きにもなれない。
特に話すこともなくなったので自分の席に着きスマホを触ろうとしたときだった。
急に岡崎が質問してきた。
「なぁ、鳥橋は平和ってどういうことだと思う?」
また暗い雰囲気が感じられた。
こいつは何を言っているのだろうか?
そんなこと考えている内にガラガラとドアの開いた音がして振り向くと、そこには学級委員長の垣根美里がいた。
「おはよー。今日は珍しく鳥橋君も早いんだね」
と、明るく挨拶してきた。その言葉から、本当に岡崎が毎日一番に来ていることが分かった。
「おはよう。今日はたまたま早く来れてん。」
明るく返すと、垣根さんは「へ~」と言いながら席に着いた。
すると岡崎が、
「さっきのこと、考えといて~」と言って鳥橋がちょっと待ってと言う前に教室を出ていってしまった。
その後、垣根さんに岡崎のことを尋ねてみた。
いつもこんなに早く来てるのかや、さっきの質問のこと、それに性格のことも。
すると、やはり一番に来てるらしい。
質問はどうやらクラスみんなにもしているようだった。しかし、性格についてはみんな気付いていなかった。
そんな話しをしている内に他のみんなも登校して来た。
結局、岡崎が教室に戻って来たのはHRが始まる少し前だったのでさっきの質問については聞けなかった。
その座っていた生徒が言った。
鳥橋成斗それがこの俺の名前だ。
「おぉ、おはよう。」
普通にかえしたつもりだった。
その生徒は少し笑いながら
「意外そうな顔してるね。そんなに俺が早く来てるのが変だった?」
「あぁ、まぁ、まさか岡崎がこんな早く来てるとは思わんかった。」
来てるとすれば、真面目な委員長か今日の日直だと思っていた。
しかし、そこにいたのは岡崎悠治だった。
岡崎は俺と同じ陸上部で長距離をしている。ちなみに、俺が陸上部に入ったのは中学時代に陸上部に入っていたことを聞きつけた岡崎が誘ってきたのがきっかけだった。そんなことは今はどうでもいいのだ。
岡崎はクラスでも部活でも少し抜けたところがある明るいムードメーカー的存在である。いつも早く教室に来ているのは分かっていたが、まさか一番に来ているとは思わなかった。
そもそも、岡崎が早く来てる理由が分からなかった。もしかしたら自分と同じようにたまたま早く来ただけだと思いながら自分の席に鞄を置き、俺は訪ねてみた。
「毎日、こんな早く来てるん?」
「うん。」
岡崎は頷きながら答えた。
「来てるの、委員長か日直やと思ってただろ。まぁ、確かに委員長も来るの早いけどね~」
いつものように少しふざけた言い方で言われた。
図星をつかれた。少し顔が赤くなった。それがわかったのか岡崎は嬉しそうにしていた。
そして逃げるように理由を訪ねた。
「なんで、こんな早く来てんの?」
すると、岡崎はいつもとは違う雰囲気で少し寂しそうに言った。
「俺、朝のこの風景を見るのが好きなんだ。この平和な風景を見るのが。」
この答えに違和感を感じたが、よく分からなかったので特にそれ以上は聞かなかった。
まさか、そんな理由で早く来てるとは思わず、驚いていたら今度は向こうから聞いて来た。
「そういえば、なんで鳥橋は早く学校に来てるん?いっつも、もっと遅いよな~」
先程とは違い、いつもの調子に戻っていた。
「え、あ、あぁ俺はたまたまいつもより早く起き家出たんや。それで早く着いただけやけど。」
特に、隠すことでもなかったので俺は正直に答えた。
その答えに岡崎は「ふーん」と言うだけだった。
その後、少しの間沈黙が続いた。
そもそも、岡崎とそれほど仲がいい訳ではなかった。教室でも部活でも必要最低限にしか関わらないようにしていた。というのも、他の人が気付いているのかは知らないがさっきのようにたまに性格が変わったような雰囲気を出すことがある。何か、隠しているように見えてあまり信用できないからだ。嫌いというわけではないのだが好きにもなれない。
特に話すこともなくなったので自分の席に着きスマホを触ろうとしたときだった。
急に岡崎が質問してきた。
「なぁ、鳥橋は平和ってどういうことだと思う?」
また暗い雰囲気が感じられた。
こいつは何を言っているのだろうか?
そんなこと考えている内にガラガラとドアの開いた音がして振り向くと、そこには学級委員長の垣根美里がいた。
「おはよー。今日は珍しく鳥橋君も早いんだね」
と、明るく挨拶してきた。その言葉から、本当に岡崎が毎日一番に来ていることが分かった。
「おはよう。今日はたまたま早く来れてん。」
明るく返すと、垣根さんは「へ~」と言いながら席に着いた。
すると岡崎が、
「さっきのこと、考えといて~」と言って鳥橋がちょっと待ってと言う前に教室を出ていってしまった。
その後、垣根さんに岡崎のことを尋ねてみた。
いつもこんなに早く来てるのかや、さっきの質問のこと、それに性格のことも。
すると、やはり一番に来てるらしい。
質問はどうやらクラスみんなにもしているようだった。しかし、性格についてはみんな気付いていなかった。
そんな話しをしている内に他のみんなも登校して来た。
結局、岡崎が教室に戻って来たのはHRが始まる少し前だったのでさっきの質問については聞けなかった。
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