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愛美、拗ねる ②
しおりを挟むさて、ファミレスを出た三波は困っていた。愛美に美智子との関係を追及されて白状したところ、思いっきり拗ねられたのだ。
怒りを向けるんなら真紀子にしてくれ。あいつが話を持って来たんだからな。まぁ、それに乗って美智子とヤッちゃったのは自分だが。
もやもや、鬱々、ぐるぐるしながらそっと愛美の顔色を伺う三波。何か話しかけたいけれど、何を言ったらいいのかわからない。相談しようにも、様子がおかしいコナミは全く使い物にならなかった。
「なぁ、怒ってる?」
「…………………」
「なあってば。返事してくれよ」
「…………………」
「香川ってばよぉ。香川?ま…愛美ちゃん?」
恐る恐る名前で呼んでみた。なんとか機嫌を取らばければ。機嫌を取って、にこやかになった愛美にエッチしたいとお願いするのだ!
……ふふふっ。所詮俺は本能に生きる男なのだ。特に今は久しぶりに愛美とエッチが出来るかどうか、怪しい場面なのである。ここで何とか上手く立ち回って、愛美の体を自由にしたい。でかいおっぱいに顔を埋めてふがふがしたい。愛美の口で息子を舐めて、吸って欲しい。窮屈なマンコにでかくなった息子を挿れてズコズコしたい!!!多少落ち着いたとはいえ、まだ半勃ち状態の息子をどうにかしたいのだ。
まぁ、こんなさもしい本音を愛美に告げれるはずもないのだが。
「なぁ、悪かったって。何怒ってるのかしんないけど、いい加減機嫌なおしてくれよ」
「・・・・・・・・・」
「なぁ~~~~ってば。香川。何か言えよ」
「・・・・・・・・・」
「何怒ってるんだってば。センターの出来、良かったんだろ?香川、頑張って勉強してたもんな。元々頭いいし……さ」
「なぁ、駅前でも行く?それか……どっか行きたい所があったら、さ」
駅ビルにでも行って何箇所か覗いたら、裏通りのラブホに誘えるかもしれない。映画とか言われたら……2時間我慢はきついなぁ。あ、でも映画館なら暗いから人の少ない後ろの席に座ったらあれこれやっても大丈夫かも……。それか……後思いつくのは、公園とか川原とか?いや。さすがにそれは無いだろう。
あれこれ考えながら愛美の返事を待っていた三波は、一向に返事が返ってこない事に気付かなかった。と、言うか愛美が三波を放って、先にスタスタ歩いていってしまっていた事に気付かなかったのだ。
「うわっ。待ってってば~~~~~」
追いついて肩を掴んだら、愛美は酷く怒っていた。さっきは拗ねていただけだけど、今はすっかりしっかり怒っている。
もちろん三波は慌ててしまった。自覚はないけれど、多分愛美が怒っているのは自分が原因だろうから。
「なぁ、怒ってないで口きけよ。何か言えったら」
返ってこない返事に少々疲れながら、それでも必死で話しかけた。その甲斐あってか、ようやく愛美が返事をくれた。
「……また、香川になっちゃった」
「へ?」
何ですか?
意味が解らず三波が首を傾げていると、今度こそ愛美の怒りが爆発した(らしい)。
「もういいっ!一緒に来て」
わけがわからず三波が立ちすくんでいると、怒りも露な愛美が腕をぐいぐい掴んで歩き出す。
慌てて、どこへ向かっているのか問いかけても説明はない。いいから黙ってついて来て、と返された。
仕方がないから無言で歩く。とは言うもののなれた町の見慣れた景色。どこへ連れて行かれようが心配する必要はない。
必要はなかった。―――――――――が、びっくりした。愛美が三波を連行したのは、いつものホテルの前だったから。
「え…ええっ?って、そのっ……えええ~~~っ???」
三波から誘うなら解るけど、何で、どうして愛美からホテルに来たのだろう?
え?え?えええ?これってやっぱ……エッチの誘い?
目を白黒させながら愛美を見ても眉間に皺を寄せるだけで答えは無い。
「……あの子と、どの部屋、入ったの?」
「……え、っと……ここ」
記憶を頼りにそろりと指差せば、生憎そこは使用中らしくタッチパネルのライトが消えていた。
「ざ、残念だねえ。使用中みたいだぞ」
ほっとしたような本当に残念だったような中途半端な気持ちで告げると、再度愛美に睨まれた。
……………すいません。
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