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対決! 怪異・白いワニ!
その3
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「バカ正直に、真正面から斬ろうとするからよ。ワニに、行動を読まれているじゃない」
わたしは、木の陰から姿をみせた。
大丈夫。
上からドローンが、距離を計算しているもの。
あと何センチ、何センチって、イヤフォンを通してカウントをとってくれている。
わたしは、ワニが跳びかかれないギリギリのところまで歩いていって、立ちどまった。
九字の呪文の効果は、まだ続いている。
巨大なワニを目の前にしても、わたしはギリギリ平常心だ。
腰に両手を当てて、わたしはため息をついた。
「翔くん。もっと作戦をたてなきゃダメよ」
「あぶないから、関係のないやつは、さがっていろ」
ワニから視線をはずさずに、翔くんはささやくように言う。
「それに、なんで、おまえがここにいるんだ? ぼくんちの情報は、だだ漏れか?」
「ふふっ。それは企業秘密なのです」
わたしはワニを見つめながら、唇の前に人差し指を立てて、笑う余裕があった。
そんなわたしと翔くんを、ワニは、様子をうかがうように動きをとめる。
わたしは、口を開いた。
「翔くん。お手伝いいたします。わたしがワニの動きをとめるから、あとはよろしくね」
「よけいな手出しはするな。危ないから、さっさと離れろ!」
「わかったわ。ここは、わたしが翔くんに、恩を売っておくところよね」
「バカだろ? おまえ!」
「ふふっ」
わたしは、両手をパッと開くと、目の高さでワニに向ける。
「翔くん、知ってる? ワニって、噛む力はすごいけれど、口を開く力はたいしたこと、ないんだって」
そう言いながら、わたしは、開いた両手の人差し指と人差し指、親指と親指をくっつけて、九字の呪文の「在」の形をつくる。
そして、人差し指と親指でできた三角形から、ワニの姿をのぞいた。
同時に、AIの合成音が、わたしの耳に届く。
『ターゲット・白いワニ、ロックオン』
九字の呪文の効果を乗せて、指で作った穴に、わたしは言霊を吹きこんだ。
「捕縛!」
たちまち、わたしの言葉が具現化した。
指で作った穴から、複数の半透明のチェーンに変わって飛びだす。
その鎖は、一直線にワニに向かって、襲いかかった。
マズいと察したワニが、池の中へ飛びこもうと身をひるがえした。
その逃げる時間を与えず、大きな口に絡みつくように、チェーンはぐるぐるとワニの周りを跳ねる。
そのまま、くもの巣にかかった獲物のように、ワニを固定した。
三メートルのワニが、全力で暴れまわっても切れない、強靭なチェーンだ。
やったぁ。
成功!
これが、玖珂家に代々伝わる言霊の術。
わたしの切り札だ。
たまに失敗もするから、じつはけっこうドキドキしていたんだけれど。
見事に成功だ!
わたしは、片手のひらを上に向け、余裕ある笑みを浮かべて、翔くんを見る。
「さあ、翔くん。いまのうちに、どうぞ」
「あーもう! わかったよ!」
翔くんは、刀を乱暴につかむ。
そして、構えなおして、白いワニを一刀両断!
公園の空気の中にとけるように、キラキラと白いワニは姿を消した。
わたしは、木の陰から姿をみせた。
大丈夫。
上からドローンが、距離を計算しているもの。
あと何センチ、何センチって、イヤフォンを通してカウントをとってくれている。
わたしは、ワニが跳びかかれないギリギリのところまで歩いていって、立ちどまった。
九字の呪文の効果は、まだ続いている。
巨大なワニを目の前にしても、わたしはギリギリ平常心だ。
腰に両手を当てて、わたしはため息をついた。
「翔くん。もっと作戦をたてなきゃダメよ」
「あぶないから、関係のないやつは、さがっていろ」
ワニから視線をはずさずに、翔くんはささやくように言う。
「それに、なんで、おまえがここにいるんだ? ぼくんちの情報は、だだ漏れか?」
「ふふっ。それは企業秘密なのです」
わたしはワニを見つめながら、唇の前に人差し指を立てて、笑う余裕があった。
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わたしは、口を開いた。
「翔くん。お手伝いいたします。わたしがワニの動きをとめるから、あとはよろしくね」
「よけいな手出しはするな。危ないから、さっさと離れろ!」
「わかったわ。ここは、わたしが翔くんに、恩を売っておくところよね」
「バカだろ? おまえ!」
「ふふっ」
わたしは、両手をパッと開くと、目の高さでワニに向ける。
「翔くん、知ってる? ワニって、噛む力はすごいけれど、口を開く力はたいしたこと、ないんだって」
そう言いながら、わたしは、開いた両手の人差し指と人差し指、親指と親指をくっつけて、九字の呪文の「在」の形をつくる。
そして、人差し指と親指でできた三角形から、ワニの姿をのぞいた。
同時に、AIの合成音が、わたしの耳に届く。
『ターゲット・白いワニ、ロックオン』
九字の呪文の効果を乗せて、指で作った穴に、わたしは言霊を吹きこんだ。
「捕縛!」
たちまち、わたしの言葉が具現化した。
指で作った穴から、複数の半透明のチェーンに変わって飛びだす。
その鎖は、一直線にワニに向かって、襲いかかった。
マズいと察したワニが、池の中へ飛びこもうと身をひるがえした。
その逃げる時間を与えず、大きな口に絡みつくように、チェーンはぐるぐるとワニの周りを跳ねる。
そのまま、くもの巣にかかった獲物のように、ワニを固定した。
三メートルのワニが、全力で暴れまわっても切れない、強靭なチェーンだ。
やったぁ。
成功!
これが、玖珂家に代々伝わる言霊の術。
わたしの切り札だ。
たまに失敗もするから、じつはけっこうドキドキしていたんだけれど。
見事に成功だ!
わたしは、片手のひらを上に向け、余裕ある笑みを浮かべて、翔くんを見る。
「さあ、翔くん。いまのうちに、どうぞ」
「あーもう! わかったよ!」
翔くんは、刀を乱暴につかむ。
そして、構えなおして、白いワニを一刀両断!
公園の空気の中にとけるように、キラキラと白いワニは姿を消した。
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