3 / 19
αからΩになった日
しおりを挟む
あれは俺が中学3年生になって進路を悩んでるときだった。義兄貴が行った高校をお父さんには薦められたけど俺は義兄貴より出来が悪かった。アルファなのになんでできないんだろう?クラスのみんなからも本当はベータじゃないか?って言われたこともある。それでも義兄貴にも言われて勉強を教えてもらって頑張ったおかげで無事に高校に進学できた。それでもそこはほぼアルファが行く学校でレベルが高かった。毎日必死に勉強をするが義兄貴に比べるとまだまだ劣っている。毎日の勉強の疲れからか大事な試験の1週間前に俺は熱を出してしまった。
その日はお義父さんと母さんは取引先に行って夕方には戻る予定だったけど航空会社のシステムトラブルで飛行機が飛ばなくなってしまって帰れなくなったと連絡があった。義兄貴はお手伝いさんを帰らせて俺につきっきりで看病をしてくれていた。
「なんだか海里から甘くていい匂いがするね。なんだか食べてしまいそうだ」
「義兄貴、なんだか体が熱くて……なんか……変」
「そうか……汗もかいてるから着替えようか」
義兄貴と違ってどれだけ腕立てや腹筋をしても筋肉がつかない華奢な自分の裸を見られるのは恥ずかしかったけど、義兄貴に服を脱がされ熱いタオルで拭いてもらっているのに俺はなんだが欲を発散したいような体の疼きを感じていた。俺はアルファで義兄弟だ。いくら義兄貴がカッコ良くてもそんな邪な気持ちじゃだめだと思えば思うほど身体の火照りはどんどん増す一方だった。
「海里、なんか感じてる?ここ大きくなってきてるよ」
パンツ越しに触られてゾクゾクした。もっと触ってほしい。気がついたら俺は義兄貴の首に手を回して自分の唇を重ねていた。それが引き金だったのか気がついたら義兄貴が俺に覆いかぶさってきた。ただ合わせただけの俺のキスとは違って義兄貴は舌を絡ませてきた。飲み込めなかった唾液が頬を伝うとそれまでも舌で舐め取ってくれ「海里は唾液までも甘いな」と言いながら俺の身体を愛撫してきた。義兄弟でなんておかしいと思いながらも義兄貴からただ与えられる快楽を受け止めていた。
義兄貴の息も上がりお互いの息遣いが部屋中に聞こえている中、いつしか義兄貴も脱いでいてお互い全裸で抱き合っていた。俺の太ももに俺のもとは比にならないくらいの義兄貴の性器が当たっていた。これを入れられたらどんなに気持ちがいいんだろうか。ついそんなことを考えていたらお尻から何か伝うものがあるのに気がついた。俺、オメガじゃないのになんで?泣きそうになって義兄貴を見ると義兄貴はまるで獣なんじゃないかと思うくらい俺の身体を噛んだり、時たまチクっと痛みが走ったりしていた。アナルの周りを義兄貴の指がくるくると撫で回してると思ったら少しずつ入ってきた。圧迫感はあったけどだんだん気持ちが良くなってきた。もっと欲しい義兄貴のを入れて欲しい。目で訴えれば義兄貴は俺の中に入ってきてくれた。何も考えられずに俺はただ義兄貴とのセックスに溺れていった。どのくらい時間が経ったのか目が覚めたら昨日感じてた身体の熱は冷めていたのに気がついた。それと同時に義兄貴との行為を思い出してこれから先どうしたらいいかわからなくなってしまった。隣でぐっすりと寝ている義兄貴を起こさないようにそっとベットから降りた。そういえば……学校から入学したとき受けたバース検査の結果をもらっていたことを思い出した。きっとアルファだと思っていた俺はその手紙を見て血の気が引いて手紙を落としてしまった。
結果は……オメガだった。昨日のあの熱と身体の疼きはもしかしたらヒートだったのかもしれない。でもなんで?中学ののときに受けた検査ではアルファだったのに……そういえば稀にバース性が変化する人がいると学校で聞いたことがあった。その時の俺は自分には関係ないと思ってスルーしていた。まさか自分がその特殊な人間になるなんて……それなのに、義兄貴とセックスしてしまった。俺は引き出しにしまっていたお金と少しの服を持って家を飛び出した。あれから5年……俺は一度もあの家には帰っていない。お義父さんにも母さんにもそして……義兄貴にも会わせる顔がない。だからこの土地でオメガとして生きている。
家を飛び出して電車を乗り継ぎ聞いたことがあった繁華街にやってなってきた。俺にはもうどこにも行く場所もない。ましてや俺はアルファからオメガになってしまった人間だ。高校に入ったばかりだけど、こんなところでうろうろしてたら補導されてあの家に連れ戻されるだろう。俺さえいなければ義兄貴は俺とのことなんか忘れる。俺の……オメガのヒートに当てられてしてしまっただけだと……義兄貴はきっと優秀で綺麗なアルファの女性と結婚することができるだろう。あんなにもカッコよくて、頭もいいんだから……そんなことを考えながら歩いているときだった
その日はお義父さんと母さんは取引先に行って夕方には戻る予定だったけど航空会社のシステムトラブルで飛行機が飛ばなくなってしまって帰れなくなったと連絡があった。義兄貴はお手伝いさんを帰らせて俺につきっきりで看病をしてくれていた。
「なんだか海里から甘くていい匂いがするね。なんだか食べてしまいそうだ」
「義兄貴、なんだか体が熱くて……なんか……変」
「そうか……汗もかいてるから着替えようか」
義兄貴と違ってどれだけ腕立てや腹筋をしても筋肉がつかない華奢な自分の裸を見られるのは恥ずかしかったけど、義兄貴に服を脱がされ熱いタオルで拭いてもらっているのに俺はなんだが欲を発散したいような体の疼きを感じていた。俺はアルファで義兄弟だ。いくら義兄貴がカッコ良くてもそんな邪な気持ちじゃだめだと思えば思うほど身体の火照りはどんどん増す一方だった。
「海里、なんか感じてる?ここ大きくなってきてるよ」
パンツ越しに触られてゾクゾクした。もっと触ってほしい。気がついたら俺は義兄貴の首に手を回して自分の唇を重ねていた。それが引き金だったのか気がついたら義兄貴が俺に覆いかぶさってきた。ただ合わせただけの俺のキスとは違って義兄貴は舌を絡ませてきた。飲み込めなかった唾液が頬を伝うとそれまでも舌で舐め取ってくれ「海里は唾液までも甘いな」と言いながら俺の身体を愛撫してきた。義兄弟でなんておかしいと思いながらも義兄貴からただ与えられる快楽を受け止めていた。
義兄貴の息も上がりお互いの息遣いが部屋中に聞こえている中、いつしか義兄貴も脱いでいてお互い全裸で抱き合っていた。俺の太ももに俺のもとは比にならないくらいの義兄貴の性器が当たっていた。これを入れられたらどんなに気持ちがいいんだろうか。ついそんなことを考えていたらお尻から何か伝うものがあるのに気がついた。俺、オメガじゃないのになんで?泣きそうになって義兄貴を見ると義兄貴はまるで獣なんじゃないかと思うくらい俺の身体を噛んだり、時たまチクっと痛みが走ったりしていた。アナルの周りを義兄貴の指がくるくると撫で回してると思ったら少しずつ入ってきた。圧迫感はあったけどだんだん気持ちが良くなってきた。もっと欲しい義兄貴のを入れて欲しい。目で訴えれば義兄貴は俺の中に入ってきてくれた。何も考えられずに俺はただ義兄貴とのセックスに溺れていった。どのくらい時間が経ったのか目が覚めたら昨日感じてた身体の熱は冷めていたのに気がついた。それと同時に義兄貴との行為を思い出してこれから先どうしたらいいかわからなくなってしまった。隣でぐっすりと寝ている義兄貴を起こさないようにそっとベットから降りた。そういえば……学校から入学したとき受けたバース検査の結果をもらっていたことを思い出した。きっとアルファだと思っていた俺はその手紙を見て血の気が引いて手紙を落としてしまった。
結果は……オメガだった。昨日のあの熱と身体の疼きはもしかしたらヒートだったのかもしれない。でもなんで?中学ののときに受けた検査ではアルファだったのに……そういえば稀にバース性が変化する人がいると学校で聞いたことがあった。その時の俺は自分には関係ないと思ってスルーしていた。まさか自分がその特殊な人間になるなんて……それなのに、義兄貴とセックスしてしまった。俺は引き出しにしまっていたお金と少しの服を持って家を飛び出した。あれから5年……俺は一度もあの家には帰っていない。お義父さんにも母さんにもそして……義兄貴にも会わせる顔がない。だからこの土地でオメガとして生きている。
家を飛び出して電車を乗り継ぎ聞いたことがあった繁華街にやってなってきた。俺にはもうどこにも行く場所もない。ましてや俺はアルファからオメガになってしまった人間だ。高校に入ったばかりだけど、こんなところでうろうろしてたら補導されてあの家に連れ戻されるだろう。俺さえいなければ義兄貴は俺とのことなんか忘れる。俺の……オメガのヒートに当てられてしてしまっただけだと……義兄貴はきっと優秀で綺麗なアルファの女性と結婚することができるだろう。あんなにもカッコよくて、頭もいいんだから……そんなことを考えながら歩いているときだった
311
あなたにおすすめの小説
その言葉を聞かせて
ユーリ
BL
「好きだよ、都。たとえお前がどんな姿になっても愛してる」
夢の中へ入り化け物退治をする双子の長谷部兄弟は、あるものを探していた。それは弟の都が奪われたものでーー
「どんな状況でもどんな状態でも都だけを愛してる」奪われた弟のとあるものを探す兄×壊れ続ける中で微笑む弟「僕は体の機能を失うことが兄さんへの愛情表現だよ」ーーキミへ向けるたった二文字の言葉。
騎士団で一目惚れをした話
菫野
BL
ずっと側にいてくれた美形の幼馴染×主人公
憧れの騎士団に見習いとして入団した主人公は、ある日出会った年上の騎士に一目惚れをしてしまうが妻子がいたようで爆速で失恋する。
君さえ笑ってくれれば最高
大根
BL
ダリオ・ジュレの悩みは1つ。「氷の貴公子」の異名を持つ婚約者、ロベルト・トンプソンがただ1度も笑顔を見せてくれないことだ。感情が顔に出やすいダリオとは対照的な彼の態度に不安を覚えたダリオは、どうにかロベルトの笑顔を引き出そうと毎週様々な作戦を仕掛けるが。
(クーデレ?溺愛美形攻め × 顔に出やすい素直平凡受け)
異世界BLです。
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
【完結済】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜
キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。
そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。
近づきたいのに近づけない。
すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。
秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。
プロローグ+全8話+エピローグ
姉の男友達に恋をした僕(番外編更新)
turarin
BL
侯爵家嫡男のポールは姉のユリアが大好き。身体が弱くて小さかったポールは、文武両道で、美しくて優しい一つ年上の姉に、ずっと憧れている。
徐々に体も丈夫になり、少しずつ自分に自信を持てるようになった頃、姉が同級生を家に連れて来た。公爵家の次男マークである。
彼も姉同様、何でも出来て、その上性格までいい、美しい男だ。
一目彼を見た時からポールは彼に惹かれた。初恋だった。
ただマークの傍にいたくて、勉強も頑張り、生徒会に入った。一緒にいる時間が増える。マークもまんざらでもない様子で、ポールを構い倒す。ポールは嬉しくてしかたない。
その様子を苛立たし気に見ているのがポールと同級の親友アンドルー。学力でも剣でも実力が拮抗する2人は一緒に行動することが多い。
そんなある日、転入して来た男爵令嬢にアンドルーがしつこくつきまとわれる。その姿がポールの心に激しい怒りを巻き起こす。自分の心に沸き上がる激しい気持に驚くポール。
時が経ち、マークは遂にユリアにプロポーズをする。ユリアの答えは?
ポールが気になって仕方ないアンドルー。実は、ユリアにもポールにも両方に気持が向いているマーク。初恋のマークと、いつも傍にいてくれるアンドルー。ポールが本当に幸せになるにはどちらを選ぶ?
読んでくださった方ありがとうございます😊
♥もすごく嬉しいです。
不定期ですが番外編更新していきます!
発情期のタイムリミット
なの
BL
期末試験を目前に控えた高校2年のΩ・陸。
抑制剤の効きが弱い体質のせいで、発情期が試験と重なりそうになり大パニック!
「絶対に赤点は取れない!」
「発情期なんて気合で乗り越える!」
そう強がる陸を、幼なじみでクラスメイトのα・大輝が心配する。
だが、勉強に必死な陸の周りには、ほんのり漂う甘いフェロモン……。
「俺に頼れって言ってんのに」
「頼ったら……勉強どころじゃなくなるから!」
試験か、発情期か。
ギリギリのタイムリミットの中で、二人の関係は一気に動き出していく――!
ドタバタと胸きゅんが交錯する、青春オメガバース・ラブコメディ。
*一般的なオメガバースは、発情期中はアルファとオメガを隔離したり、抑制剤や隔離部屋が管理されていたりしていますが、この物語は、日常ラブコメにオメガバース要素を混ぜた世界観になってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる