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第4話:底なしの明るさに巻き込まれて
神谷蓮との「恋人ごっこ」という名の茶番劇が日常になって、早くも二週間が過ぎようとしていた。
人間とは恐ろしいもので、あれほど苦痛だった環境にも、少しずつ慣れてしまうらしい。
俺はもはや、終業のチャイムが鳴ると同時に、教室の後ろのドアに視線を送るのが、無意識の癖になってしまっていた。
今日もどうせ、あいつが待ち構えているに違いない。
そんな諦めに満ちた予感は、悲しいくらいに的中する。
案の定、サッカー部の友人たちと楽しそうに笑い合っていた蓮が、俺がカバンを手にするのを完璧なタイミングで見計らって、ひらりと手を振ってこちらへやってくる。
その動きには一切の無駄がなく、もはや様式美の域に達していた。
「悠真、帰るぞー」 「……お前、部活は」
俺の問いかけは、もう何度目になるかわからない、ただの儀式だ。
「今日は自主練だからパス。それより恋人との貴重な時間を優先します」
蓮がわざとらしいキザな仕草でウインクすると、周りからまた「うわー」「ごちそうさまですー」「アツアツだな、お前ら!」と冷やかしの声が飛んだ。
最初は嘲笑の色が濃かったその声も、今ではすっかり「いつものやつ」という生温かい空気を帯びている。
もう慣れた。
いや、慣れたくなんてなかったけど、感覚が麻痺してきた、というのが正しい。
俺が深いため息をつきながら、諦めて席を立つと、蓮は「よし行こうぜ」と満足そうに俺の隣に並んだ。
「なあなあ、今日ちょっと寄り道してかね?」 「寄り道?まっすぐ帰る。読みたい本の続きがあるんだ」 「いーじゃんか。最近暑いし、コンビニでアイスでも食おうぜ。俺がおごってやるからさ」
有無を言わせぬその笑顔。 きらきらと光を反射する瞳で見つめられると、なぜか「NO」と言えなくなる。
抵抗が無駄だと悟るのに、もう時間はかからなかった。
結局、俺は蓮に腕を引かれるようにして、いつもとは違う、少しだけ遠回りになる道を進むことになった。
学校から住宅街を抜けて、少し歩いたところにあるコンビニ。
夕方の光が差し込む店内は、部活帰りの生徒や、近所の子供たちでそれなりに賑わっていた。
二人で並んでアイスのケースを覗き込む。
この光景だけを切り取ったら、なんだか本当に仲の良いカップルみたいで、背中がむず痒くなる。
居心地が悪い。
俺は少しでもこの状況から抜け出したくて、一番手前にあったソーダ味のガリガリしたアイスをさっと手に取った。
「お、悠真はそれ好きなの?」
隣で蓮が、楽しそうに俺の手元を覗き込んできた。距離が近い。
「別に……安いからだ」
素っ気なく答える。
本当は、あのチープなソーダの味が嫌いじゃないけれど、それをこいつに教えるのは癪だった。
「ふーん。俺はこっちにしよっと」
蓮が手に取ったのは、赤いパッケージの、棒付きのチョコレートアイスだった。
それは、俺がいつも文庫本を読みながら、家で無意識に買ってしまう、一番好きなアイスだった。
なんでこいつが、それを。
ただの偶然か。そうだ、偶然に決まってる。
会計を済ませ、コンビニの前の縁石に二人で並んで腰掛ける。
自転車が通り過ぎる音、遠くで聞こえる犬の鳴き声、買い物帰りの主婦たちの話し声。
夕暮れ時の生ぬるい風が、火照った頬を撫でていく。
俺たちはしばらくの間、黙々とアイスを食べた。
俺のソーダアイスはガリガリと音を立て、蓮のチョコレートアイスは静かに溶けていく。
沈黙が、気まずいようで、でもほんの少しだけ心地よいような、不思議な感覚だった。
「……お前、なんで俺なんだ?」
ぽつりと、自分でも無意識に声が漏れた。
考えるより先に、言葉になっていた。 ずっと、心の奥底で渦巻いていた、一番の疑問。
なんで、人気者のお前が、よりにもよって地味で目立たない、こんな俺なのか。
「んー?」
蓮はアイスの棒を口にくわえたまま、不思議そうに俺を見る。 その表情には、からかうような色はなかった。
「なんでって……言ったろ? 悠真がいいんだよ」 「……理由になってない」 「理由なんていらねーだろ、好きになるのに」
その言葉に、どきり、と心臓が大きく跳ねた。
夕暮れの喧騒が、一瞬遠くなる。
好き、なんて。
こいつの言う「好き」は、きっと何の重みもない、軽い冗談か、この「恋人ごっこ」の役作りの一環なんだろうけど。
頭では、冷静にそう分析しているのに。 馬鹿な心臓は、持ち主の意思に反して、勝手に高鳴る。
「……お前のそういうとこ、本当に意味がわからない」
俺は動揺を隠すように、そう吐き捨てた。
「そっか?俺は悠真のこと、結構わかってきたつもりだけどな」
「は?」 「だって悠真、本当は甘党だろ。いつも読んでる本の作者、硬派なミステリーだけど、登場人物がやたら美味そうに甘いもん食うやつじゃん」
思わぬ言葉に、息を呑んだ。
確かに、俺の好きな作家のシリーズでは、探偵役の老紳士が事件の合間に必ず美味しそうなケーキやチョコレートを食べるシーンが出てくる。 俺がその描写を好きなことも、事実だ。 でも、そんなこと、どうしてこいつが。
呆然とする俺の手から、蓮は食べかけのソーダアイスをひょいと取り上げた。
そして代わりに、自分のチョコレートアイスをぐいっと押し付ける。
「ほら、こっちの方が好きだろ?」
差し出されたチョコレートアイス。俺の一番好きな、味。
夕日に照らされた蓮の顔は、いつもみたいにふざけた色じゃなく、ただ真っ直ぐに俺を見ていた。
底抜けに明るくて、強引で、めちゃくちゃなやつ。
でも、ほんの一瞬だけ見せるこういう真剣な顔に、俺はどうしようもなく、ペースを乱されてしまう。
「……うるさい」
俺はそう呟いて、目の前のチョコレートアイスにかじりついた。
反論の言葉が見つからなかった。
濃厚な甘い味が、口の中いっぱいに広がる。
夕焼けのせいか、それとも別の理由か。顔が、やけに熱い。
この男に巻き込まれて、俺の静かで平穏な毎日はめちゃくちゃになった。
それは、紛れもない事実だ。
でも、もしかしたら。
ほんの少しだけ、このめちゃくちゃな毎日も、悪くないのかもしれないなんて。
そんなことを思ってしまった自分に、気づかないふりをした。
甘いアイスの味で、芽生えかけた感情に蓋をするように。
人間とは恐ろしいもので、あれほど苦痛だった環境にも、少しずつ慣れてしまうらしい。
俺はもはや、終業のチャイムが鳴ると同時に、教室の後ろのドアに視線を送るのが、無意識の癖になってしまっていた。
今日もどうせ、あいつが待ち構えているに違いない。
そんな諦めに満ちた予感は、悲しいくらいに的中する。
案の定、サッカー部の友人たちと楽しそうに笑い合っていた蓮が、俺がカバンを手にするのを完璧なタイミングで見計らって、ひらりと手を振ってこちらへやってくる。
その動きには一切の無駄がなく、もはや様式美の域に達していた。
「悠真、帰るぞー」 「……お前、部活は」
俺の問いかけは、もう何度目になるかわからない、ただの儀式だ。
「今日は自主練だからパス。それより恋人との貴重な時間を優先します」
蓮がわざとらしいキザな仕草でウインクすると、周りからまた「うわー」「ごちそうさまですー」「アツアツだな、お前ら!」と冷やかしの声が飛んだ。
最初は嘲笑の色が濃かったその声も、今ではすっかり「いつものやつ」という生温かい空気を帯びている。
もう慣れた。
いや、慣れたくなんてなかったけど、感覚が麻痺してきた、というのが正しい。
俺が深いため息をつきながら、諦めて席を立つと、蓮は「よし行こうぜ」と満足そうに俺の隣に並んだ。
「なあなあ、今日ちょっと寄り道してかね?」 「寄り道?まっすぐ帰る。読みたい本の続きがあるんだ」 「いーじゃんか。最近暑いし、コンビニでアイスでも食おうぜ。俺がおごってやるからさ」
有無を言わせぬその笑顔。 きらきらと光を反射する瞳で見つめられると、なぜか「NO」と言えなくなる。
抵抗が無駄だと悟るのに、もう時間はかからなかった。
結局、俺は蓮に腕を引かれるようにして、いつもとは違う、少しだけ遠回りになる道を進むことになった。
学校から住宅街を抜けて、少し歩いたところにあるコンビニ。
夕方の光が差し込む店内は、部活帰りの生徒や、近所の子供たちでそれなりに賑わっていた。
二人で並んでアイスのケースを覗き込む。
この光景だけを切り取ったら、なんだか本当に仲の良いカップルみたいで、背中がむず痒くなる。
居心地が悪い。
俺は少しでもこの状況から抜け出したくて、一番手前にあったソーダ味のガリガリしたアイスをさっと手に取った。
「お、悠真はそれ好きなの?」
隣で蓮が、楽しそうに俺の手元を覗き込んできた。距離が近い。
「別に……安いからだ」
素っ気なく答える。
本当は、あのチープなソーダの味が嫌いじゃないけれど、それをこいつに教えるのは癪だった。
「ふーん。俺はこっちにしよっと」
蓮が手に取ったのは、赤いパッケージの、棒付きのチョコレートアイスだった。
それは、俺がいつも文庫本を読みながら、家で無意識に買ってしまう、一番好きなアイスだった。
なんでこいつが、それを。
ただの偶然か。そうだ、偶然に決まってる。
会計を済ませ、コンビニの前の縁石に二人で並んで腰掛ける。
自転車が通り過ぎる音、遠くで聞こえる犬の鳴き声、買い物帰りの主婦たちの話し声。
夕暮れ時の生ぬるい風が、火照った頬を撫でていく。
俺たちはしばらくの間、黙々とアイスを食べた。
俺のソーダアイスはガリガリと音を立て、蓮のチョコレートアイスは静かに溶けていく。
沈黙が、気まずいようで、でもほんの少しだけ心地よいような、不思議な感覚だった。
「……お前、なんで俺なんだ?」
ぽつりと、自分でも無意識に声が漏れた。
考えるより先に、言葉になっていた。 ずっと、心の奥底で渦巻いていた、一番の疑問。
なんで、人気者のお前が、よりにもよって地味で目立たない、こんな俺なのか。
「んー?」
蓮はアイスの棒を口にくわえたまま、不思議そうに俺を見る。 その表情には、からかうような色はなかった。
「なんでって……言ったろ? 悠真がいいんだよ」 「……理由になってない」 「理由なんていらねーだろ、好きになるのに」
その言葉に、どきり、と心臓が大きく跳ねた。
夕暮れの喧騒が、一瞬遠くなる。
好き、なんて。
こいつの言う「好き」は、きっと何の重みもない、軽い冗談か、この「恋人ごっこ」の役作りの一環なんだろうけど。
頭では、冷静にそう分析しているのに。 馬鹿な心臓は、持ち主の意思に反して、勝手に高鳴る。
「……お前のそういうとこ、本当に意味がわからない」
俺は動揺を隠すように、そう吐き捨てた。
「そっか?俺は悠真のこと、結構わかってきたつもりだけどな」
「は?」 「だって悠真、本当は甘党だろ。いつも読んでる本の作者、硬派なミステリーだけど、登場人物がやたら美味そうに甘いもん食うやつじゃん」
思わぬ言葉に、息を呑んだ。
確かに、俺の好きな作家のシリーズでは、探偵役の老紳士が事件の合間に必ず美味しそうなケーキやチョコレートを食べるシーンが出てくる。 俺がその描写を好きなことも、事実だ。 でも、そんなこと、どうしてこいつが。
呆然とする俺の手から、蓮は食べかけのソーダアイスをひょいと取り上げた。
そして代わりに、自分のチョコレートアイスをぐいっと押し付ける。
「ほら、こっちの方が好きだろ?」
差し出されたチョコレートアイス。俺の一番好きな、味。
夕日に照らされた蓮の顔は、いつもみたいにふざけた色じゃなく、ただ真っ直ぐに俺を見ていた。
底抜けに明るくて、強引で、めちゃくちゃなやつ。
でも、ほんの一瞬だけ見せるこういう真剣な顔に、俺はどうしようもなく、ペースを乱されてしまう。
「……うるさい」
俺はそう呟いて、目の前のチョコレートアイスにかじりついた。
反論の言葉が見つからなかった。
濃厚な甘い味が、口の中いっぱいに広がる。
夕焼けのせいか、それとも別の理由か。顔が、やけに熱い。
この男に巻き込まれて、俺の静かで平穏な毎日はめちゃくちゃになった。
それは、紛れもない事実だ。
でも、もしかしたら。
ほんの少しだけ、このめちゃくちゃな毎日も、悪くないのかもしれないなんて。
そんなことを思ってしまった自分に、気づかないふりをした。
甘いアイスの味で、芽生えかけた感情に蓋をするように。
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