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第11話:一年後も、こうしていたらいい
長かったようで、あっという間だった夏休みが終わり二学期が始まると学校は文化祭の準備で一気に浮かれた空気に包まれた。
夏の気だるさを引きずっていた教室は、まるで魔法にかけられたかのように活気づき、生徒たちの声はいつもよりワントーン高く、弾んでいるように聞こえる。
俺たちのクラスの出し物は、くじ引きで決まった定番中の定番である「喫茶店」
「えー、喫茶店かよ、つまんねー」
「どうせならお化け屋敷とかがよかったのに」
最初はそんな文句を言う者もいたが、いざ準備が始まると誰もが子供のように目を輝かせて、楽しそうだった。
教室の後ろに追いやられた机を運び出し、段ボールで壁やカウンターの骨組みを作る。
ホームセンターで買ってきたベニヤ板を、慣れない手つきでノコギリで切り、金槌で打ち付けるリズミカルな音。
ペンキのツンとした刺激的な匂いと、新しい木材の匂いが混じり合った、文化祭特有の匂いが教室に満ちていた。
放課後の教室は、普段の静けさが嘘のように、活気と熱気に満ちていた。
もちろん、その喧騒の中心にいるのは、神谷蓮だ。
持ち前のリーダーシップと、誰からも好かれる不思議なカリスマ性で、最初はバラバラだったクラスメイトたちを巧みにまとめ上げ、作業をぐいぐいと進めていく。
その姿は、まるでオーケストラの指揮者のようだった。
「悠真!そこの壁、色ムラになってるから手伝ってくれ!」
「おう、白石!蓮様がお呼びだぞー!早く行ってやれよ!」
「白石、このデザイン、どっちがいいと思う?」
クラスの実行委員でも何でもないのに、俺はいつの間にか、蓮の専属アシスタントのようなポジションにすっかり収まっていた。
最初は「なんで俺が」と思っていた。面倒なことに巻き込まれた、と。
けれど、文句を言ったところで、この男には通用しないととっくに学習したし、何より、みんなで汗を流して何かを必死に作り上げるという行為そのものが、少しだけ新鮮で……悪くなかった。
教室の隅で、本の世界にだけ閉じこもっていた俺が、今、その輪の中心近くにいる。
ペンキでジャージの袖を汚し、クラスメイトとどうでもいい冗談を言い合い、腹を抱えて笑っている。
全部、蓮のせいだ。
いや、蓮の、おかげ、なのかもしれない。
あいつが、俺をこの、眩しくて、温かい場所に無理やり引きずり出してくれたんだ。
その日は、内装のペンキ塗りと装飾の作業が思いのほか長引いた。
「この柱、もう一回塗った方がよくない?」
「この飾りの位置、もっと上の方がいいって!」
「てか、俺らの店の名前、何にする?」
誰からともなく上がる声に、みんなで頭を悩ませる。
熱中していると、時間の流れはあっという間だ。
気づけば、窓の外はすっかり深い藍色の闇に包まれ、教室に残っているのは俺と蓮、それに数人のクラスメイトだけになっていた。
「よし、今日はここまで!みんな、おつかれー!」
蓮の一声で、その日の作業は終わりになった。
みんなが「疲れたー」「腹減ったー」と言いながらも、どこか満足げな顔で道具を片付け、カバンを手に取る。
その顔には、心地よい疲労感が浮かんでいた。
俺も、使っていた刷毛を水道で丁寧に洗い、帰る準備を始めた。
「じゃあな、蓮!白石も、また明日な!」
「おつかれー」
ぞろぞろとクラスメイトが帰っていき、最後に教室の鍵を閉める役目だった俺と蓮だけが、がらんとした教室に残された。
シンと静まり返った教室は、ついさっきまでの喧騒が嘘のようだ。
ペンキと、木材と、そして、みんなの汗の匂いが混じり合った、文化祭特有の匂いがした。
「帰るか」
「……ああ」
二人並んで、誰もいない夜の廊下を歩く。
俺たちの足音だけが、やけに大きく、コツ、コツと響いた。
開け放たれた窓から吹き込む風は少しだけ、秋の気配をまとっていて、作業で火照った体に心地いい。
黙って歩く時間が、気まずくない。
いつからだろう?
こいつの隣が、こんなにも当たり前になったのは。
最初の頃の、心臓がうるさくて、周囲の視線が痛いだけの、緊張を強いられる関係じゃない。
もっと、穏やかで、自然で、名前のない何かが、俺たちの間にゆっくりと生まれている気がした。
それは、友情よりは少しだけ甘く、でも、恋と呼ぶにはあまりにも曖昧な、居心地の良い空気。
ふと、隣を歩く蓮が、窓の外を見上げて足を止めた。
つられて俺も立ち止まる。
磨き上げられた窓ガラスの向こう、真っ暗な夜空には、頼りない三日月が、鋭いナイフのように浮かんでいた。
「……なんか、いいな。こういうの」
蓮が、ぽつりと呟いた。
「なにが」
「んー、全部。みんなで馬鹿みたいに騒いで、ヘトヘトになるまで作業して。で、こうやって……お前と二人で帰るの」
そう言う蓮の横顔は、いつもの太陽みたいにギラギラと輝いているんじゃなくて、夜の闇に溶けてしまいそうなほど静かで、穏やかだった。
その瞳は、三日月と同じ、どこか寂しげな光を宿しているように見えた。
そして、蓮は俺の方を見て、ふわりと笑った。
それは、今まで見たどの笑顔とも違っていた。
少しだけ寂しそうな、でも、心の底からの願いがこもったような、そんな、見たことのない笑顔だった。
「一年後も、こうしていたらいいな」
「…………え」
言葉が、出なかった。
心臓を、直接、冷たい手でぎゅっと、強く掴まれたような衝撃。
一年後。
その言葉が、俺たちの間にある「期限」という名の分厚い壁を、残酷なまでにはっきりと意識させた。
そうだ。この関係は、一年だけのはずだった。
来年の今頃には、俺たちはまた、ただのクラスメイトに戻っている。
いや、こんなめちゃくちゃな「ごっこ」をした後で、ただのクラスメイトに、本当に戻れるんだろうか。
俺は、蓮がいない日常に、戻れるんだろうか。
その時、俺はどんな顔をして、蓮の隣にいればいい?
俺が何も言えずに凍りついていると、蓮は「なーんてな!」と、慌てて取り繕うように、おどけて笑ってみせた。
そして、俺の肩をばしんと強く叩く。
いつもの、軽薄で、自信過剰な、神谷蓮に戻っていた。
「さ、帰るぞ!腹減って死にそうだわ!」
ぐい、と背中を押される。
俺はそれに逆らうこともできず、再び歩き出した。
でも、頭の中では、さっきの蓮の言葉と、あの寂しそうな笑顔が、何度も何度もリフレインしていた。
『一年後も、こうしていたらいいな』
冗談で流すには、あまりにも切実な響きだった。
それは、蓮の本心からの、祈りのような言葉だったんじゃないか。
俺は、どうなんだろう。
一年後、こいつが隣にいない日常を、俺は、平然と受け入れられるんだろうか。
その時、初めて、はっきりと自覚した。
いや、本当はもっと前から気づいていたのかもしれない。
水族館で、映画館で、夏祭りで。
何度もその感情の芽生えを感じていた。
でも、認めるのが怖かっただけだ。
この「恋人ごっこ」が、終わってほしくない、と。
そう、心の底から願ってしまっている自分がいることに。
一年後も、その先もずっと、神谷蓮の隣にいたい、と。
その、あってはならないはずの願いは、夜空の三日月のように、静かに、でも鋭く、俺の胸に突き刺さっていた。
夏の気だるさを引きずっていた教室は、まるで魔法にかけられたかのように活気づき、生徒たちの声はいつもよりワントーン高く、弾んでいるように聞こえる。
俺たちのクラスの出し物は、くじ引きで決まった定番中の定番である「喫茶店」
「えー、喫茶店かよ、つまんねー」
「どうせならお化け屋敷とかがよかったのに」
最初はそんな文句を言う者もいたが、いざ準備が始まると誰もが子供のように目を輝かせて、楽しそうだった。
教室の後ろに追いやられた机を運び出し、段ボールで壁やカウンターの骨組みを作る。
ホームセンターで買ってきたベニヤ板を、慣れない手つきでノコギリで切り、金槌で打ち付けるリズミカルな音。
ペンキのツンとした刺激的な匂いと、新しい木材の匂いが混じり合った、文化祭特有の匂いが教室に満ちていた。
放課後の教室は、普段の静けさが嘘のように、活気と熱気に満ちていた。
もちろん、その喧騒の中心にいるのは、神谷蓮だ。
持ち前のリーダーシップと、誰からも好かれる不思議なカリスマ性で、最初はバラバラだったクラスメイトたちを巧みにまとめ上げ、作業をぐいぐいと進めていく。
その姿は、まるでオーケストラの指揮者のようだった。
「悠真!そこの壁、色ムラになってるから手伝ってくれ!」
「おう、白石!蓮様がお呼びだぞー!早く行ってやれよ!」
「白石、このデザイン、どっちがいいと思う?」
クラスの実行委員でも何でもないのに、俺はいつの間にか、蓮の専属アシスタントのようなポジションにすっかり収まっていた。
最初は「なんで俺が」と思っていた。面倒なことに巻き込まれた、と。
けれど、文句を言ったところで、この男には通用しないととっくに学習したし、何より、みんなで汗を流して何かを必死に作り上げるという行為そのものが、少しだけ新鮮で……悪くなかった。
教室の隅で、本の世界にだけ閉じこもっていた俺が、今、その輪の中心近くにいる。
ペンキでジャージの袖を汚し、クラスメイトとどうでもいい冗談を言い合い、腹を抱えて笑っている。
全部、蓮のせいだ。
いや、蓮の、おかげ、なのかもしれない。
あいつが、俺をこの、眩しくて、温かい場所に無理やり引きずり出してくれたんだ。
その日は、内装のペンキ塗りと装飾の作業が思いのほか長引いた。
「この柱、もう一回塗った方がよくない?」
「この飾りの位置、もっと上の方がいいって!」
「てか、俺らの店の名前、何にする?」
誰からともなく上がる声に、みんなで頭を悩ませる。
熱中していると、時間の流れはあっという間だ。
気づけば、窓の外はすっかり深い藍色の闇に包まれ、教室に残っているのは俺と蓮、それに数人のクラスメイトだけになっていた。
「よし、今日はここまで!みんな、おつかれー!」
蓮の一声で、その日の作業は終わりになった。
みんなが「疲れたー」「腹減ったー」と言いながらも、どこか満足げな顔で道具を片付け、カバンを手に取る。
その顔には、心地よい疲労感が浮かんでいた。
俺も、使っていた刷毛を水道で丁寧に洗い、帰る準備を始めた。
「じゃあな、蓮!白石も、また明日な!」
「おつかれー」
ぞろぞろとクラスメイトが帰っていき、最後に教室の鍵を閉める役目だった俺と蓮だけが、がらんとした教室に残された。
シンと静まり返った教室は、ついさっきまでの喧騒が嘘のようだ。
ペンキと、木材と、そして、みんなの汗の匂いが混じり合った、文化祭特有の匂いがした。
「帰るか」
「……ああ」
二人並んで、誰もいない夜の廊下を歩く。
俺たちの足音だけが、やけに大きく、コツ、コツと響いた。
開け放たれた窓から吹き込む風は少しだけ、秋の気配をまとっていて、作業で火照った体に心地いい。
黙って歩く時間が、気まずくない。
いつからだろう?
こいつの隣が、こんなにも当たり前になったのは。
最初の頃の、心臓がうるさくて、周囲の視線が痛いだけの、緊張を強いられる関係じゃない。
もっと、穏やかで、自然で、名前のない何かが、俺たちの間にゆっくりと生まれている気がした。
それは、友情よりは少しだけ甘く、でも、恋と呼ぶにはあまりにも曖昧な、居心地の良い空気。
ふと、隣を歩く蓮が、窓の外を見上げて足を止めた。
つられて俺も立ち止まる。
磨き上げられた窓ガラスの向こう、真っ暗な夜空には、頼りない三日月が、鋭いナイフのように浮かんでいた。
「……なんか、いいな。こういうの」
蓮が、ぽつりと呟いた。
「なにが」
「んー、全部。みんなで馬鹿みたいに騒いで、ヘトヘトになるまで作業して。で、こうやって……お前と二人で帰るの」
そう言う蓮の横顔は、いつもの太陽みたいにギラギラと輝いているんじゃなくて、夜の闇に溶けてしまいそうなほど静かで、穏やかだった。
その瞳は、三日月と同じ、どこか寂しげな光を宿しているように見えた。
そして、蓮は俺の方を見て、ふわりと笑った。
それは、今まで見たどの笑顔とも違っていた。
少しだけ寂しそうな、でも、心の底からの願いがこもったような、そんな、見たことのない笑顔だった。
「一年後も、こうしていたらいいな」
「…………え」
言葉が、出なかった。
心臓を、直接、冷たい手でぎゅっと、強く掴まれたような衝撃。
一年後。
その言葉が、俺たちの間にある「期限」という名の分厚い壁を、残酷なまでにはっきりと意識させた。
そうだ。この関係は、一年だけのはずだった。
来年の今頃には、俺たちはまた、ただのクラスメイトに戻っている。
いや、こんなめちゃくちゃな「ごっこ」をした後で、ただのクラスメイトに、本当に戻れるんだろうか。
俺は、蓮がいない日常に、戻れるんだろうか。
その時、俺はどんな顔をして、蓮の隣にいればいい?
俺が何も言えずに凍りついていると、蓮は「なーんてな!」と、慌てて取り繕うように、おどけて笑ってみせた。
そして、俺の肩をばしんと強く叩く。
いつもの、軽薄で、自信過剰な、神谷蓮に戻っていた。
「さ、帰るぞ!腹減って死にそうだわ!」
ぐい、と背中を押される。
俺はそれに逆らうこともできず、再び歩き出した。
でも、頭の中では、さっきの蓮の言葉と、あの寂しそうな笑顔が、何度も何度もリフレインしていた。
『一年後も、こうしていたらいいな』
冗談で流すには、あまりにも切実な響きだった。
それは、蓮の本心からの、祈りのような言葉だったんじゃないか。
俺は、どうなんだろう。
一年後、こいつが隣にいない日常を、俺は、平然と受け入れられるんだろうか。
その時、初めて、はっきりと自覚した。
いや、本当はもっと前から気づいていたのかもしれない。
水族館で、映画館で、夏祭りで。
何度もその感情の芽生えを感じていた。
でも、認めるのが怖かっただけだ。
この「恋人ごっこ」が、終わってほしくない、と。
そう、心の底から願ってしまっている自分がいることに。
一年後も、その先もずっと、神谷蓮の隣にいたい、と。
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