僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの

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リハビリの先生

俺はリハビリの件を奈月に言えずにいた。きっと言うとまた何かトラウマを呼び起こしてしまうような気がしてギリギリまで隠し通した。それは八巻先生も一緒のようで狭山には何も言わないでいてくれた。万が一にも狭山から奈月の耳に入るのが怖かったからだ。とりあえず日々リハビリを頑張ってる奈月を褒めながら日曜日に来る彼たちのことを思った。
きっと彼も葛藤があっただろう。それなのにも関わらず今回の件を引き受けたことに感謝をしないとな。

「奈月、今日は調子はどうだ?」
「はい。少しずつリハビリして動けるようになったけど、まだなんか違和感があって…やっぱりやり方が違うのかな?」
「そうか…今日は奈月のリハビリをしてくれる先生が来てくれるからな」
「先生ですか?」
「うん。俺もまだ会ったことなくて初めて会うんだけど、奈月と歳が近いみたいだから仲良くできるいいな」
「樹さんも会ったことないんですか?」
「うん。八巻先生に紹介してもらったんだけど今リハビリを教えてもらってる学校に通ってるみたいなんだ。でも彼はまだ学生だから彼の先輩も一緒に来るって言ってたよ。今、卓也が迎えに行ってくれてるから、そろそろ来るんじゃないかな」
そう言うとチャイム音がなった。

「おっ来たみたいだな」
ソファーに座っていた奈月と一緒に玄関に行くと

「こんにちは、初めまして安村 咲夜と言います。こっちは僕の先輩の東堂 一平さんです。よろしくお願いします」
「東堂一平です。よろしくお願いします」
安村くんが組長の息子さんだろう。でも思っていた感じもなく優しそうな顔をしている子だった。東堂さんは見た目細いが胸板が厚そうに見える。俗に言う細マッチョか?イケメンの部類に入るんじゃないかなと思いながら俺も自己紹介をした。

「初めまして的場です。そしてこの子が奈月です。よろしく」
『よろしくお願いします』
「じゃあ入って」
2人をリビングに案内した。

「卓也、八巻先生は?」
「この後、急なアポが入ったみたいで樹によろしくって言ってた」
「そうか、わざわざ迎えに行ってくれてありがとな」

リビングに着くとハルさんがみんなに紅茶を入れてきてくれた。
「ハルさんありがとう」
「何かあったら呼んでくださいね」

彼たちが一息ついたところで奈月の症状の説明をした。
「ついこの前、ギブスを外したばかりでね。まだ動きがイマイチみたいなんだ。違和感も強いみたいで…母が看護師だからリハビリを教えてくれたけど、1人ですることも多くてね。できれば専門の人に見てもらいたいと思ってるんだ。事情があってリハビリ病院に通うのは難しいから」
俺がそう言うと東堂くんが少し見せてもらってもいいかな?と奈月に声をかけた。奈月はオドオドしながら左手を添えながら右手を差し出したが少し怖いのか手が震えてるのを見て奈月の背中に手を当てて撫でてあげた。

「怖くないからね」
安村くんが優しく声をかけると奈月も頷いた。
「触るね。痛かったら教えてね」
東堂くんが骨折した箇所や関節の固まり具合、筋肉のこわばりがあるかなど奈月に確認しながら触っていく。次は少し動かしながら痛みの有無も確認してくれた。

「少しこわばりや痛みが強い箇所があります。リハビリしていくうちに改善すると思いますので安心してください。こういう患者さんは多いですから無理せずにでも確実に頑張って治していきましょうね。僕たちでよければそのお手伝いをさせていただきます。咲夜は実習も経験済みですが、まだ国家資格に合格していませんので…俺がサポートする形になりますが、それでもよろしいでしょうか?」

「あぁ、もちろん2人ともよろしく頼むよ。奈月も大丈夫か?歳の近いお兄さんみたいだよな」
「あの…よろしくお願いします。僕、何もわからなくて…すみません」
「よろしくね。僕も奈月くんって呼んでもいいかな?」
「あっはい。大丈夫です」
「俺たちのことは、昨夜と一平って下の名前を呼んでくれたらいいよ。名字、2人とも好きじゃないんだ」
「わかりました」
「じゃあリハビリ計画書を作成しますね」
そう言って奈月と話を始めた。俺はさっきからじっと見つめてくる卓也が気になったのでみんなに少し席を外すと伝え卓也の元に向かった。

「どうした?何かあったか?」
「あの東堂一平くんだけど東堂不動産の息子じゃないか?」
「本当か?」
「あぁ去年のパーティーで東堂社長が次男坊は家業を継いでくれなくて違う道を選んだって言ってたし、確かその時息子の名前が確か一平って言ってたけど」
東堂不動産とは同じ職種だがライバルではなく業務提携している。紹介したり紹介されたりwin-winの関係を続けている。
そう言われれば社長に目元が似ている感じがする。切れ長の目だが笑うと少しだけ目尻が下がり優しい印象になる。社長は目尻の皺が深くなるな…なんて思ってたら

「あの的場さん少しよろしいでしょうか?」
一平くんが近づいてきた。
「あぁ…終わったのか?」
「まだ途中ですが、でも少しお話が……」
なんとなく察するにここではできない話だろう。何かあったか?俺たちは奈月と咲夜くんが仲良く話してるのを見ながら隣の和室に移動した。

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