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その日、私は自室から一つの「戦略物資」を執務室の隣にある仮眠室へ持ち込んだ。
「ふふふ……」
誰も見ていないことを確認し、私はその「戦略物資」を抱きしめた。
それは、我がローズ公爵家秘蔵の『極厚羽毛ふとん(キングサイズ)』である。
ルーカスが用意してくれた仮眠室のベッドは確かに最高級だったが、私の布団へのこだわりは尋常ではない。
この『極厚羽毛ふとん』こそが、私にとっての精神安定剤であり、最高の充電器なのだ。
これがなければ、私の脳の処理速度は三割減になってしまう。
(ふかふか……ああ、生き返る)
私は仕事を終わらせるために、夜遅くまでルーカスの隣で黙々と書類を捌いていた。
時計は深夜一時を指している。
「今日はもう帰って休め、ダリア。疲労は合理的な判断を鈍らせる」
ルーカスが、コーヒーを飲みながら言った。
「いえ、あと一時間で終わらせられます。明日、またこの山を見る方が、精神衛生上よろしくありませんので」
私は淡々と答えた。
残業を嫌うが、中途半端に仕事を残して翌日憂鬱になるのも嫌だ。
だから、一気に片付ける。これこそが最高の合理主義だ。
ルーカスは何も言わなかったが、その横顔には「やはり非凡だ」という感が滲み出ていた。
そして午前二時。
ようやく机の上が綺麗になった。
「終わりました。おやすみなさい」
「ああ、お疲れ様。……この国の未来は、君の睡眠にかかっている」
その言葉に「余計なプレッシャーをかけないでほしい」と思いながら、私は仮眠室へと向かった。
だが、ここで問題が発生した。
あまりに眠すぎて、服を着替える気力がない。
パジャマになる一手間すら惜しい。
(五分、五分だけ、このまま横になろう……)
私は仮眠室のドアをロックし、ベッドに滑り込んだ。
そして、持ち込んだばかりの『極厚羽毛ふとん』を体に巻き付けた。
「……天国」
その瞬間、体中の緊張が解け、意識は一瞬で深い睡眠へと沈んでいった。
* * *
どれほどの時間が経っただろうか。
私は夢を見ていた。
夢の中で、私は空飛ぶ雲の上にいて、綿菓子を食べていた。
幸せだ。
このまま一生目覚めたくない。
しかし、ふと、雲を撫でる手が熱いことに気づいた。
「……んん?」
重い瞼をこじ開けると、そこは雲の上ではなかった。
仮眠室のベッドの上だ。
そして、私の横にはルーカスが座っていた。
「ひゃっ!?」
私は飛び起きた。
なぜ鍵をかけたはずの部屋に、このブラック上司がいるんだ。
「驚かせてすまない」
ルーカスは静かに言った。
彼の目は、書類を読んでいたわけでもなく、ただ私を見ていた。
その視線に、妙な熱がこもっている。
「か、鍵は……」
「開けた。緊急時に備えて、俺は全ての部屋の合鍵を持っている」
「プライバシーの侵害です!」
「仕事のためだ」
そう言って、彼は私の頭から滑り落ちた羽毛布団をそっと引き上げ、肩までかけてくれた。
その動きは、驚くほど優しかった。
「君は、あまりにも無防備に寝る」
「ええ、だって安全な場所だから……」
「そうだな。ここは安全だ。俺がそうしているからだ」
ルーカスは私の顔をじっと見つめ、そして、私が抱きしめていた羽毛布団に触れた。
「これは……」
「私の私物です。寝心地が良いので」
「なぜ、これを執務室の隣に持ち込んだ」
彼の声は低く、尋問するような響きがあった。
「それは……効率化のためです。服を着替える時間も惜しいくらい疲れていたので、最速で休眠状態に入る必要があったからです」
「……違う」
ルーカスは首を振った。
「君は、俺を信用しているからだ」
「はい?」
「このふとん。君にとって、これほど重要な『精神安定剤』を、俺の目の届く範囲に置いた。これは、君が俺の城、俺の傍こそが、最も安全な場所だと無意識に判断した証拠だ」
(いいえ、単に運ぶのが面倒くさかっただけです)
「君は、常に最短距離で最高の結果を求める。その君が、これほどの『弱点』を晒すということは……」
ルーカスは私の顔に手を伸ばし、頬をそっと撫でた。
彼の指先は冷たかったが、触れている場所だけが熱を帯びるように感じた。
「君の『合理』は、俺を必要としている」
「……っ」
「そして、その無防備な寝顔を見た時、俺の心臓は、書類を破られた時よりも速く鼓動した」
彼は自嘲するように、小さく笑った。
「俺は今まで、感情というものは時間の浪費だと思っていた。愛も、憎しみも、全て非効率的なバグだと。だが……」
ルーカスは私の顔にさらに近づき、まるで宝石を鑑定するかのように私を見つめた。
「君のその、全てを投げ出したような寝顔、全てを俺に委ねたような安堵の表情を見た時、俺は初めて理解した。この感情こそが、最も強力な『推進力』なのだと」
「……何、を」
「ダリア。俺は君を愛している」
唐突な告白。
あまりにも真っ直ぐで、あまりにも重たい。
「愛している。君のその、徹底した効率主義と、裏にある誰にも見せない無防備さを。そして、何より、俺をここまで感情的にさせた君の『才能』を」
「あの……それは、私の才能に惚れているということでしょうか?」
私は確認した。
この男の言う「愛」は、恋愛感情なのか、それとも「最高の有能な部下」に対する尊敬の念なのか、判別がつかない。
「どちらでもいい。君の才能を愛することが、君という存在を愛することに繋がる。君は、俺の人生にとって、最も合理的な『必需品』となった」
「必需品……」
「ああ。君がいないと、この城の仕事は滞る。君がいないと、俺は眠れない。君がいないと、俺の心臓は正常に動かない」
ルーカスは私の手を握り、そっと自分の胸に押し当てた。
冷たいシャツの下から、ドクンドクンと力強い鼓動が伝わってくる。
「これが、君の要求する『最愛の報酬』だ。受け取ってくれるか、ダリア」
私の頭は完全にフリーズした。
告白された?
しかも、寝起きの、パジャマを着ていない状態で?
「……あの、えっと、」
「返事は急がなくていい。君の合理的な判断を待とう」
ルーカスはそう言って、私の額に優しく口づけを落とした。
そして、そのまま静かに立ち上がり、仮眠室を出て行った。
去り際、彼は言った。
「さあ、ゆっくり休め。俺の愛しい合理的思考回路よ」
バタン。
ドアが閉まり、再び静寂が訪れる。
私は一人、羽毛布団の中で身を縮こまらせた。
(待って、待って。何が起きたの? 仕事が減ると思ったのに、なぜか結婚前提の求愛をされてる?)
心臓がまだバクバクしている。
これは、極度の緊張か。
それとも、彼の告白が、私の心のどこかに響いたせいか。
「愛しているって……」
私は布団に顔を埋めた。
仕事中毒の男の愛は、きっと重い。
そして、その愛は、私を一生このブラック職場に縛り付ける鎖になる気がした。
だが、不思議と嫌な気がしなかった。
彼の熱意が、彼の瞳の熱さが、私の体の中の怠け心を少しだけ揺さぶった。
(とりあえず、もう一度寝よう。寝て起きたら、全て夢だったことになっているかもしれない)
私は目をぎゅっと閉じ、最高の羽毛布団に潜り込んだ。
しかし、彼の体温が残る布団は、いつもより少しだけ暖かく、そして、少しだけ寝つきが悪かった。
私の定時退社ライフは、一歩も進んでいない。
それどころか、人生最大の残業が発生してしまったようだった。
「……公爵夫人、か。仕事が増えるな」
私はそう呟き、諦め半分、期待半分で、再び深い眠りへと落ちていったのだった。
「ふふふ……」
誰も見ていないことを確認し、私はその「戦略物資」を抱きしめた。
それは、我がローズ公爵家秘蔵の『極厚羽毛ふとん(キングサイズ)』である。
ルーカスが用意してくれた仮眠室のベッドは確かに最高級だったが、私の布団へのこだわりは尋常ではない。
この『極厚羽毛ふとん』こそが、私にとっての精神安定剤であり、最高の充電器なのだ。
これがなければ、私の脳の処理速度は三割減になってしまう。
(ふかふか……ああ、生き返る)
私は仕事を終わらせるために、夜遅くまでルーカスの隣で黙々と書類を捌いていた。
時計は深夜一時を指している。
「今日はもう帰って休め、ダリア。疲労は合理的な判断を鈍らせる」
ルーカスが、コーヒーを飲みながら言った。
「いえ、あと一時間で終わらせられます。明日、またこの山を見る方が、精神衛生上よろしくありませんので」
私は淡々と答えた。
残業を嫌うが、中途半端に仕事を残して翌日憂鬱になるのも嫌だ。
だから、一気に片付ける。これこそが最高の合理主義だ。
ルーカスは何も言わなかったが、その横顔には「やはり非凡だ」という感が滲み出ていた。
そして午前二時。
ようやく机の上が綺麗になった。
「終わりました。おやすみなさい」
「ああ、お疲れ様。……この国の未来は、君の睡眠にかかっている」
その言葉に「余計なプレッシャーをかけないでほしい」と思いながら、私は仮眠室へと向かった。
だが、ここで問題が発生した。
あまりに眠すぎて、服を着替える気力がない。
パジャマになる一手間すら惜しい。
(五分、五分だけ、このまま横になろう……)
私は仮眠室のドアをロックし、ベッドに滑り込んだ。
そして、持ち込んだばかりの『極厚羽毛ふとん』を体に巻き付けた。
「……天国」
その瞬間、体中の緊張が解け、意識は一瞬で深い睡眠へと沈んでいった。
* * *
どれほどの時間が経っただろうか。
私は夢を見ていた。
夢の中で、私は空飛ぶ雲の上にいて、綿菓子を食べていた。
幸せだ。
このまま一生目覚めたくない。
しかし、ふと、雲を撫でる手が熱いことに気づいた。
「……んん?」
重い瞼をこじ開けると、そこは雲の上ではなかった。
仮眠室のベッドの上だ。
そして、私の横にはルーカスが座っていた。
「ひゃっ!?」
私は飛び起きた。
なぜ鍵をかけたはずの部屋に、このブラック上司がいるんだ。
「驚かせてすまない」
ルーカスは静かに言った。
彼の目は、書類を読んでいたわけでもなく、ただ私を見ていた。
その視線に、妙な熱がこもっている。
「か、鍵は……」
「開けた。緊急時に備えて、俺は全ての部屋の合鍵を持っている」
「プライバシーの侵害です!」
「仕事のためだ」
そう言って、彼は私の頭から滑り落ちた羽毛布団をそっと引き上げ、肩までかけてくれた。
その動きは、驚くほど優しかった。
「君は、あまりにも無防備に寝る」
「ええ、だって安全な場所だから……」
「そうだな。ここは安全だ。俺がそうしているからだ」
ルーカスは私の顔をじっと見つめ、そして、私が抱きしめていた羽毛布団に触れた。
「これは……」
「私の私物です。寝心地が良いので」
「なぜ、これを執務室の隣に持ち込んだ」
彼の声は低く、尋問するような響きがあった。
「それは……効率化のためです。服を着替える時間も惜しいくらい疲れていたので、最速で休眠状態に入る必要があったからです」
「……違う」
ルーカスは首を振った。
「君は、俺を信用しているからだ」
「はい?」
「このふとん。君にとって、これほど重要な『精神安定剤』を、俺の目の届く範囲に置いた。これは、君が俺の城、俺の傍こそが、最も安全な場所だと無意識に判断した証拠だ」
(いいえ、単に運ぶのが面倒くさかっただけです)
「君は、常に最短距離で最高の結果を求める。その君が、これほどの『弱点』を晒すということは……」
ルーカスは私の顔に手を伸ばし、頬をそっと撫でた。
彼の指先は冷たかったが、触れている場所だけが熱を帯びるように感じた。
「君の『合理』は、俺を必要としている」
「……っ」
「そして、その無防備な寝顔を見た時、俺の心臓は、書類を破られた時よりも速く鼓動した」
彼は自嘲するように、小さく笑った。
「俺は今まで、感情というものは時間の浪費だと思っていた。愛も、憎しみも、全て非効率的なバグだと。だが……」
ルーカスは私の顔にさらに近づき、まるで宝石を鑑定するかのように私を見つめた。
「君のその、全てを投げ出したような寝顔、全てを俺に委ねたような安堵の表情を見た時、俺は初めて理解した。この感情こそが、最も強力な『推進力』なのだと」
「……何、を」
「ダリア。俺は君を愛している」
唐突な告白。
あまりにも真っ直ぐで、あまりにも重たい。
「愛している。君のその、徹底した効率主義と、裏にある誰にも見せない無防備さを。そして、何より、俺をここまで感情的にさせた君の『才能』を」
「あの……それは、私の才能に惚れているということでしょうか?」
私は確認した。
この男の言う「愛」は、恋愛感情なのか、それとも「最高の有能な部下」に対する尊敬の念なのか、判別がつかない。
「どちらでもいい。君の才能を愛することが、君という存在を愛することに繋がる。君は、俺の人生にとって、最も合理的な『必需品』となった」
「必需品……」
「ああ。君がいないと、この城の仕事は滞る。君がいないと、俺は眠れない。君がいないと、俺の心臓は正常に動かない」
ルーカスは私の手を握り、そっと自分の胸に押し当てた。
冷たいシャツの下から、ドクンドクンと力強い鼓動が伝わってくる。
「これが、君の要求する『最愛の報酬』だ。受け取ってくれるか、ダリア」
私の頭は完全にフリーズした。
告白された?
しかも、寝起きの、パジャマを着ていない状態で?
「……あの、えっと、」
「返事は急がなくていい。君の合理的な判断を待とう」
ルーカスはそう言って、私の額に優しく口づけを落とした。
そして、そのまま静かに立ち上がり、仮眠室を出て行った。
去り際、彼は言った。
「さあ、ゆっくり休め。俺の愛しい合理的思考回路よ」
バタン。
ドアが閉まり、再び静寂が訪れる。
私は一人、羽毛布団の中で身を縮こまらせた。
(待って、待って。何が起きたの? 仕事が減ると思ったのに、なぜか結婚前提の求愛をされてる?)
心臓がまだバクバクしている。
これは、極度の緊張か。
それとも、彼の告白が、私の心のどこかに響いたせいか。
「愛しているって……」
私は布団に顔を埋めた。
仕事中毒の男の愛は、きっと重い。
そして、その愛は、私を一生このブラック職場に縛り付ける鎖になる気がした。
だが、不思議と嫌な気がしなかった。
彼の熱意が、彼の瞳の熱さが、私の体の中の怠け心を少しだけ揺さぶった。
(とりあえず、もう一度寝よう。寝て起きたら、全て夢だったことになっているかもしれない)
私は目をぎゅっと閉じ、最高の羽毛布団に潜り込んだ。
しかし、彼の体温が残る布団は、いつもより少しだけ暖かく、そして、少しだけ寝つきが悪かった。
私の定時退社ライフは、一歩も進んでいない。
それどころか、人生最大の残業が発生してしまったようだった。
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