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馬車に揺られること一時間。
窓の外には、王都の喧騒とは打って変わって、緑豊かな景色が広がっていた。
やがて見えてきたのは、小高い丘の上にそびえ立つ、要塞のように巨大な屋敷だった。
「……美味しそうですわ」
窓に張り付いたメモリーが、うっとりと呟く。
「屋敷が美味しそうとは、斬新な感性だな」
向かいの席で書類に目を通していたシズルが呆れたように言う。
「見てください、あの屋根の色! 完全にビターチョコレートです。壁の色はホイップクリーム、庭の芝生は抹茶パウダー……まるで巨大なお菓子の家のようですわ!」
「……そうか。我が家の建築士が聞いたら泣いて喜ぶか、憤死するかどちらかだろうな」
馬車が門をくぐり、エントランスに横付けされる。
そこにはすでに、整列した使用人たちがズラリと待ち構えていた。
「おかえりなさいませ、旦那様!」
一斉に頭を下げる数十人のメイドと執事たち。
その空気はピリピリと張り詰めている。
「氷の公爵」の異名を持つ主の帰還に、誰もが緊張しているのだ。
シズルが優雅に降り立つと、続いてメモリーが馬車から飛び降りた(エスコートの手を待たずに)。
「(……誰だ?)」
使用人たちの間に動揺が走る。
主人が女性を連れ帰るなど、前代未聞だからだ。
「(……まさか、婚約者? あんなに可愛らしい方が?)」
「(いや、クリムゾン家に嫁ぐなんて、よほどの物好きか、弱みを握られているに違いない……)」
そんな同情の視線が集まる中、シズルは冷ややかな声で告げた。
「紹介する。ガストロ侯爵令嬢、メモリーだ。今日から私の『味見役』として屋敷に住んでもらう」
「「「あ、味見役……!?」」」
使用人たちの顔に「?」マークが浮かぶ。
毒見役ではなく、味見役?
「ごきげんよう、皆様!」
メモリーはスカートを摘んで、満面の笑みで挨拶した。
「メモリーです。好きな食べ物は高カロリーなもの全般、嫌いな食べ物は『お一人様一つまで』という制限のある試食品です。仲良くしてくださいね!」
「……は、はい」
あまりにも独特な自己紹介に、筆頭執事のセバスが困惑しながら頷く。
「セバス。部屋の用意は?」
「はっ、東の『薔薇の間』をご用意しております」
「東……? そこは日当たりが悪くて食材が傷みやすそうですわね」
メモリーが口を挟む。
「私の部屋は、厨房の隣にある『物置の間』で構いません。換気扇のダクトから流れてくる匂いで、今日の献立を当てるのが朝の楽しみになりますから」
「……侯爵令嬢を物置に住まわせるわけにはいかん。却下だ」
シズルが即答し、セバスに目配せをする。
「すぐに昼食の用意を。メインダイニングだ」
「畏まりました。……して、本日のメニューは?」
「俺は食欲がない。……だが、彼女にはフルコースを出せ。俺が食べられなかった分も含めてな」
「は?」
セバスは再び困惑したが、主の命令は絶対だ。
彼は一礼し、慌てて厨房へと走った。
***
数十分後。
シャンデリアが輝く広大なダイニングルーム。
長いテーブルの端と端に、シズルとメモリーが座っている。
その距離、およそ5メートル。
「(遠い……! 声が届くかしら? いや、それよりも……)」
メモリーの目の前には、銀のドームカバー(クロッシュ)が置かれている。
この蓋の下に、未知なる美食が眠っているのだ。
ガチャリ、と扉が開き、真っ白なコックコートを着た料理長が入ってきた。
顔面は蒼白で、脂汗をかいている。
「本日のメインディッシュ……『白身魚のヴァプール 特製ベルモットソース』でございます……」
震える手で、料理長がシズルの前のカバーを開ける。
ふわぁ……と、上品なハーブと酒の香りが漂う。
白く輝く魚の身に、翡翠色のソースがかかった美しい一皿だ。
しかし。
シズルはフォークも持たず、冷たい目で皿を見下ろしただけだった。
「……臭うな」
「ひっ……!」
料理長が悲鳴を上げる。
「魚の生臭さが消えていない。それに、このソース……香草の香りで誤魔化しているが、バターの質が悪い。古いものを使ったか?」
「め、滅相もございません! 今朝届いた最高級の発酵バターで……!」
「言い訳はいい。下ろせ」
「そ、そんな……」
料理長が絶望の淵に立たされた、その時。
「待ったぁぁぁ!!」
ダンッ!!
5メートル向こうから、メモリーがテーブルを叩いて立ち上がった。
「下げるなんて許しません! そのお魚、まだ死んでませんわよ!」
「え?」
シズルと料理長が振り返る。
メモリーは自分の皿を抱え、ズカズカとシズルの元へ歩み寄った。
「シズル様。貴方様の鼻は警察犬並みですが、今回はハズレです。この匂いは生臭さではありません。魚の皮目の『旨味成分』が凝縮された香りです!」
「……何?」
「それにバター! これは古いのではなく、熟成期間が長い『グラン・クリュ』等級のバターでしょう? 濃厚なコクがあるからこそ、少しクセのある香りが出るのです」
メモリーは自分のフォークで、シズルの皿の魚をひと口大に切り分けた。
「口を開けてください」
「は?」
「いいから! あーん!」
「……っ」
公爵相手に「あーん」を強要する令嬢。
セバスと料理長が泡を吹いて倒れそうになる中、気圧されたシズルがおずおずと口を開く。
パクッ。
魚が口の中に入った瞬間。
シズルの眉間に刻まれていた皺が、ふっと緩んだ。
「……!」
「どうですか? ソースの濃厚さが、魚の淡白な味を包み込んで……まるで口の中で結婚式を挙げているようでしょう?」
「……悪くない」
シズルがポツリと漏らす。
料理長が「助かった……!」と胸を撫で下ろす音が聞こえた。
「だろうと思いました。……ですが、まだ70点ですね」
メモリーはニヤリと笑うと、テーブルにあったレモンを手に取り、ギュッと絞った。
「これです。この濃厚なソースには、暴力的なまでの酸味が必要なのです!」
言うが早いか、彼女はレモン汁のかかった魚を自分の口へ放り込んだ。
「んん~っ!! 美味しいぃぃぃ!!」
とろけるような笑顔。
全身で「美味しい」を表現するその姿を見て、シズルの喉がゴクリと鳴った。
「……もう一口、寄越せ」
「えっ、私の分ですか? 嫌です、自分のを食べてください」
「俺の皿は君がレモンを絞っただろう。責任を取れ」
「むぅ……仕方ありませんね。特別ですよ?」
メモリーは渋々、しかし手際よく魚を切り分け、再びシズルの口へ運ぶ。
冷徹な「氷の公爵」が、小鳥のように餌付けされている。
その異様な光景に、使用人たちは言葉を失っていた。
「(……これが、『味見役』……!?)」
この日。
クリムゾン公爵家の厨房に、新たな伝説が刻まれた。
『公爵様が、昼食を完食された』
その事実は瞬く間に屋敷中を駆け巡り、メモリーは使用人たちから「救世主」として崇められることになるのだが……本人はデザートのプリンを巡って、シズルと仁義なき戦いを繰り広げていた。
窓の外には、王都の喧騒とは打って変わって、緑豊かな景色が広がっていた。
やがて見えてきたのは、小高い丘の上にそびえ立つ、要塞のように巨大な屋敷だった。
「……美味しそうですわ」
窓に張り付いたメモリーが、うっとりと呟く。
「屋敷が美味しそうとは、斬新な感性だな」
向かいの席で書類に目を通していたシズルが呆れたように言う。
「見てください、あの屋根の色! 完全にビターチョコレートです。壁の色はホイップクリーム、庭の芝生は抹茶パウダー……まるで巨大なお菓子の家のようですわ!」
「……そうか。我が家の建築士が聞いたら泣いて喜ぶか、憤死するかどちらかだろうな」
馬車が門をくぐり、エントランスに横付けされる。
そこにはすでに、整列した使用人たちがズラリと待ち構えていた。
「おかえりなさいませ、旦那様!」
一斉に頭を下げる数十人のメイドと執事たち。
その空気はピリピリと張り詰めている。
「氷の公爵」の異名を持つ主の帰還に、誰もが緊張しているのだ。
シズルが優雅に降り立つと、続いてメモリーが馬車から飛び降りた(エスコートの手を待たずに)。
「(……誰だ?)」
使用人たちの間に動揺が走る。
主人が女性を連れ帰るなど、前代未聞だからだ。
「(……まさか、婚約者? あんなに可愛らしい方が?)」
「(いや、クリムゾン家に嫁ぐなんて、よほどの物好きか、弱みを握られているに違いない……)」
そんな同情の視線が集まる中、シズルは冷ややかな声で告げた。
「紹介する。ガストロ侯爵令嬢、メモリーだ。今日から私の『味見役』として屋敷に住んでもらう」
「「「あ、味見役……!?」」」
使用人たちの顔に「?」マークが浮かぶ。
毒見役ではなく、味見役?
「ごきげんよう、皆様!」
メモリーはスカートを摘んで、満面の笑みで挨拶した。
「メモリーです。好きな食べ物は高カロリーなもの全般、嫌いな食べ物は『お一人様一つまで』という制限のある試食品です。仲良くしてくださいね!」
「……は、はい」
あまりにも独特な自己紹介に、筆頭執事のセバスが困惑しながら頷く。
「セバス。部屋の用意は?」
「はっ、東の『薔薇の間』をご用意しております」
「東……? そこは日当たりが悪くて食材が傷みやすそうですわね」
メモリーが口を挟む。
「私の部屋は、厨房の隣にある『物置の間』で構いません。換気扇のダクトから流れてくる匂いで、今日の献立を当てるのが朝の楽しみになりますから」
「……侯爵令嬢を物置に住まわせるわけにはいかん。却下だ」
シズルが即答し、セバスに目配せをする。
「すぐに昼食の用意を。メインダイニングだ」
「畏まりました。……して、本日のメニューは?」
「俺は食欲がない。……だが、彼女にはフルコースを出せ。俺が食べられなかった分も含めてな」
「は?」
セバスは再び困惑したが、主の命令は絶対だ。
彼は一礼し、慌てて厨房へと走った。
***
数十分後。
シャンデリアが輝く広大なダイニングルーム。
長いテーブルの端と端に、シズルとメモリーが座っている。
その距離、およそ5メートル。
「(遠い……! 声が届くかしら? いや、それよりも……)」
メモリーの目の前には、銀のドームカバー(クロッシュ)が置かれている。
この蓋の下に、未知なる美食が眠っているのだ。
ガチャリ、と扉が開き、真っ白なコックコートを着た料理長が入ってきた。
顔面は蒼白で、脂汗をかいている。
「本日のメインディッシュ……『白身魚のヴァプール 特製ベルモットソース』でございます……」
震える手で、料理長がシズルの前のカバーを開ける。
ふわぁ……と、上品なハーブと酒の香りが漂う。
白く輝く魚の身に、翡翠色のソースがかかった美しい一皿だ。
しかし。
シズルはフォークも持たず、冷たい目で皿を見下ろしただけだった。
「……臭うな」
「ひっ……!」
料理長が悲鳴を上げる。
「魚の生臭さが消えていない。それに、このソース……香草の香りで誤魔化しているが、バターの質が悪い。古いものを使ったか?」
「め、滅相もございません! 今朝届いた最高級の発酵バターで……!」
「言い訳はいい。下ろせ」
「そ、そんな……」
料理長が絶望の淵に立たされた、その時。
「待ったぁぁぁ!!」
ダンッ!!
5メートル向こうから、メモリーがテーブルを叩いて立ち上がった。
「下げるなんて許しません! そのお魚、まだ死んでませんわよ!」
「え?」
シズルと料理長が振り返る。
メモリーは自分の皿を抱え、ズカズカとシズルの元へ歩み寄った。
「シズル様。貴方様の鼻は警察犬並みですが、今回はハズレです。この匂いは生臭さではありません。魚の皮目の『旨味成分』が凝縮された香りです!」
「……何?」
「それにバター! これは古いのではなく、熟成期間が長い『グラン・クリュ』等級のバターでしょう? 濃厚なコクがあるからこそ、少しクセのある香りが出るのです」
メモリーは自分のフォークで、シズルの皿の魚をひと口大に切り分けた。
「口を開けてください」
「は?」
「いいから! あーん!」
「……っ」
公爵相手に「あーん」を強要する令嬢。
セバスと料理長が泡を吹いて倒れそうになる中、気圧されたシズルがおずおずと口を開く。
パクッ。
魚が口の中に入った瞬間。
シズルの眉間に刻まれていた皺が、ふっと緩んだ。
「……!」
「どうですか? ソースの濃厚さが、魚の淡白な味を包み込んで……まるで口の中で結婚式を挙げているようでしょう?」
「……悪くない」
シズルがポツリと漏らす。
料理長が「助かった……!」と胸を撫で下ろす音が聞こえた。
「だろうと思いました。……ですが、まだ70点ですね」
メモリーはニヤリと笑うと、テーブルにあったレモンを手に取り、ギュッと絞った。
「これです。この濃厚なソースには、暴力的なまでの酸味が必要なのです!」
言うが早いか、彼女はレモン汁のかかった魚を自分の口へ放り込んだ。
「んん~っ!! 美味しいぃぃぃ!!」
とろけるような笑顔。
全身で「美味しい」を表現するその姿を見て、シズルの喉がゴクリと鳴った。
「……もう一口、寄越せ」
「えっ、私の分ですか? 嫌です、自分のを食べてください」
「俺の皿は君がレモンを絞っただろう。責任を取れ」
「むぅ……仕方ありませんね。特別ですよ?」
メモリーは渋々、しかし手際よく魚を切り分け、再びシズルの口へ運ぶ。
冷徹な「氷の公爵」が、小鳥のように餌付けされている。
その異様な光景に、使用人たちは言葉を失っていた。
「(……これが、『味見役』……!?)」
この日。
クリムゾン公爵家の厨房に、新たな伝説が刻まれた。
『公爵様が、昼食を完食された』
その事実は瞬く間に屋敷中を駆け巡り、メモリーは使用人たちから「救世主」として崇められることになるのだが……本人はデザートのプリンを巡って、シズルと仁義なき戦いを繰り広げていた。
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