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「お、おやおや……これは辺境伯閣下ではありませんか。帰還の知らせも寄越さず、いきなりこのような貧民街へ視察とは……感心しませんなぁ」
代官ボルスは、脂ぎった顔にへらへらとした笑みを浮かべ、揉み手をして近づいてきた。
その背後には、強面の私兵たちがズラリと控えている。
ジルベール様が不快そうに眉を寄せた。
「ボルス。領内の様子がおかしいぞ。店は閉まり、民は飢えている。お前から送られてくる報告書には『順調に復興中』とあったはずだが?」
「ひぃっ! そ、それは……その、急激な寒波と魔獣の出没により、一時的に経済が停滞しておりまして……! 私とて心を痛めているのです! 私財を投げ打って支援しているのですが、焼け石に水で……」
ボルスはわざとらしくハンカチで目元を拭うフリをした。
その指には、巨大なルビーの指輪がギラギラと輝いている。
「ほう。『私財』ですか」
私は馬から降り、コツコツとヒールを鳴らしてボルスに歩み寄った。
ボルスが怪訝な顔で私を見る。
「なんだ、この小娘は? 閣下の新しい愛人か?」
「訂正願います。愛人ではなく、財務統括責任者(兼債権回収代行人)です」
私はボルスの目の前で立ち止まり、彼の全身をジロジロとスキャンした。
「……ふむ」
魔導計算機を取り出し、軽快にキーを叩く。
「上着は最高級のベルベット生地、推定金貨八十枚。ズボンは東方産のシルク、金貨五十枚。靴は竜革のオーダーメイド、金貨百二十枚。そしてその指輪……鑑定書付きなら金貨五百枚は下らない」
「な、何をブツブツと……」
「代官の年俸は金貨三百枚と規定されています。勤続年数は五年。生活費を差し引いても、どう計算しても身に着けている品々の総額と収支が合いませんね」
私は計算機を彼の顔に突きつけた。
「差額の出所(ソース)はどこですか? 説明責任(アカウンタビリティ)を果たしていただきましょうか」
ボルスの顔から笑みが消えた。
「……なんだ貴様は。私のファッションにケチをつける気か? これは……そう、遺産だ! 遠い親戚の遺産が入ったのだ!」
「嘘ですね」
私は即答した。
「ここに来る前に、あなたの経歴を王都のデータベースで照会してきました。あなたは貧農の三男出身。親族に資産家はいません。むしろ、借金のある親戚ばかりですね」
「なっ……! き、貴様、調べたのか!?」
「基本調査(デューデリジェンス)は常識です」
私は冷ややかに笑った。
「さらに言えば、先ほどの八百屋の証言。『上納金』という名目で、正規の税率の三倍を取り立てているそうですね? その余剰分は、領の金庫には入っていません。どこへ消えたのでしょう?」
私の視線は、ボルスの背後に建つ、彼の屋敷(領主の館より立派)に向けられた。
「あそこの地下金庫あたりが怪しいですね」
図星だったのだろう。ボルスの顔が紫色に変色し、額から滝のような冷や汗が流れ落ちた。
「き、き、貴様ぁぁぁ……! よそ者が勝手なことを! これは辺境伯領の内政問題だ! 閣下、この無礼な女を今すぐ処刑してください!」
ボルスがジルベール様に泣きつく。
しかし、ジルベール様は腕組みをしたまま、冷酷に見下ろしただけだった。
「処刑? なぜだ。彼女の言っていることは、数字に基づいた事実だろう」
「か、閣下!? 私を疑うのですか!? 長年尽くしてきたこの私を!」
「尽くしてきた、か。……そういえば、俺の屋敷の修繕費を請求した時、『予算がない』と断ったな。だが、お前の屋敷は新築同然だ。この矛盾をどう説明する?」
「そ、それは……!」
言い逃れができなくなったボルスは、開き直ったように顔を歪めた。
「……チッ。筋肉ダルマの分際で、余計な知恵をつけやがって」
ボルスは指を鳴らした。
「やれ! こいつらを捕らえろ! 辺境伯は偽物だ! 魔物に心を乗っ取られたに違いない! 私が新たな領主として、この地を守るのだ!」
無茶苦茶な理屈だが、金で雇われた私兵たちが武器を構えてジリジリと迫ってくる。
「へへっ、悪いな嬢ちゃん。大人しくしてりゃ可愛がってやるよ」
下卑た笑みを浮かべる男たち。
私はため息をつき、一歩後ろに下がった。
「交渉決裂ですね。……閣下、お願いします」
「ああ。運動不足の解消にはちょうどいい」
ジルベール様が前に出た。剣は抜かない。素手だ。
「なめやがって! やっちまえ!」
私兵たちが一斉に襲いかかる。
ドガッ! バキッ! ズドン!
「ぐえっ!」
「ひでぶっ!」
一瞬だった。
ジルベール様が拳を振るうたびに、男たちがボロ雑巾のように宙を舞う。
剣を使うまでもない。圧倒的な暴力の嵐。
一分とかからず、十数人の私兵たちは地面に転がって呻き声を上げていた。
「ば、バケモノか……!」
ボルスが腰を抜かして後ずさる。
ジルベール様は指の関節をポキポキと鳴らしながら、ボルスに歩み寄った。
「さて。遺産の話だったか? もう一度詳しく聞かせてもらおうか」
「ひぃぃっ! お助けぇぇぇ!」
ボルスは逃げ出そうとしたが、私が先回りして足を引っかけた。
「おっと」
ドサッ!
無様に転んだボルスの上から、私は容赦なく靴底で背中を踏みつけた。
「逃がしませんよ。これからが本番です」
私は懐から『国税局公認・強制捜査令状(偽造)』を取り出し、高らかに宣言した。
「只今より、特別税務調査を行います! 隠し資産、裏帳簿、愛人への送金記録……すべて吐き出してもらいますからね!」
◇
その後、ボルスの屋敷への「ガサ入れ」が行われた。
結果は、予想以上だった。
地下室からは、横領した金貨の山、宝石、美術品、さらには希少な魔獣の素材などがザクザクと出てきた。
「お、奥方様! こっちの壺の中にも金貨が!」
ベルトが興奮して叫ぶ。
「壁の裏に隠し部屋がありました! 帳簿が出てきました!」
使用人たちも活き活きと捜索に参加している。日頃の恨みを晴らすかのような徹底ぶりだ。
私は押収品を一つ一つリストアップし、魔導計算機で合計金額を弾き出した。
タターンッ!
「……すごいわ」
私は震える声を出した。
「総額、金貨八千枚相当……! これなら当面の運転資金どころか、借金の一部返済まで可能です!」
「よくもまあ、これだけ溜め込んだものだ」
ジルベール様が呆れ果てている。
ボルスは縄で縛られ、部屋の隅で泣いていた。
「俺の金だ……俺が必死で騙し取った金なのに……」
「『騙し取った』と自白しましたね。議事録に残しておきます」
私は彼に冷たい視線を送った。
「この金はすべて、領の公的資金として没収します。あなたは横領罪で王都の司法局に突き出しますが、その前に……」
私はニッコリと微笑んだ。
「隠し財産がまだ他にないか、記憶を呼び覚ますための『特別尋問』を受けていただきます。担当官は……もちろん、閣下です」
「ひっ!?」
ボルスがジルベール様を見て絶望の悲鳴を上げる。
ジルベール様は「尋問か。骨の一本や二本で済むと思うなよ」と、極悪非道な笑みを浮かべた。
こうして、悪代官ボルスは陥落。
私たちは一夜にして、莫大な資金と、領民からの絶大な支持(悪代官を倒した英雄として)を手に入れたのだった。
その夜。
ボルスの屋敷(今日からここが仮の役所だ)で、押収した高級食材を使った祝勝会が開かれた。
「カンパーイ!」
使用人たち、そして協力してくれた領民たちが、久しぶりのまともな食事に涙を流して喜んでいる。
「リーリン様、ありがとう! あんたは女神だ!」
「いや、鬼神だ!」
「金庫番バンザイ!」
口々に称賛される中、私はグラスを片手にジルベール様の隣に座った。
「どうです、閣下。私の『錬金術』は」
「……恐れ入った。まさか、一日で金を作るとはな」
ジルベール様は、ボルスから没収した最高級ヴィンテージワインを揺らしながら、柔らかく笑った。
「お前が来てくれて、本当によかった」
その言葉と、不意に見せられた優しい笑顔に、私の心臓がトクンと跳ねた。
(……な、なによ。契約通りの仕事をしただけじゃない)
私は動揺を隠すように、ワインを一気に煽った。
「ま、まだ第一段階です! 次は、この資金を元手に『クリスタル・ジンジャー』の量産体制を整えますよ! 休んでいる暇はありません!」
「分かった、分かった。……だが、今夜くらいはゆっくりしてもいいだろう」
ジルベール様の手が、そっと私の髪に触れる。
「お疲れ様、リーリン」
その低く甘い声は、計算高い私の思考回路を、少しだけショートさせたのだった。
代官ボルスは、脂ぎった顔にへらへらとした笑みを浮かべ、揉み手をして近づいてきた。
その背後には、強面の私兵たちがズラリと控えている。
ジルベール様が不快そうに眉を寄せた。
「ボルス。領内の様子がおかしいぞ。店は閉まり、民は飢えている。お前から送られてくる報告書には『順調に復興中』とあったはずだが?」
「ひぃっ! そ、それは……その、急激な寒波と魔獣の出没により、一時的に経済が停滞しておりまして……! 私とて心を痛めているのです! 私財を投げ打って支援しているのですが、焼け石に水で……」
ボルスはわざとらしくハンカチで目元を拭うフリをした。
その指には、巨大なルビーの指輪がギラギラと輝いている。
「ほう。『私財』ですか」
私は馬から降り、コツコツとヒールを鳴らしてボルスに歩み寄った。
ボルスが怪訝な顔で私を見る。
「なんだ、この小娘は? 閣下の新しい愛人か?」
「訂正願います。愛人ではなく、財務統括責任者(兼債権回収代行人)です」
私はボルスの目の前で立ち止まり、彼の全身をジロジロとスキャンした。
「……ふむ」
魔導計算機を取り出し、軽快にキーを叩く。
「上着は最高級のベルベット生地、推定金貨八十枚。ズボンは東方産のシルク、金貨五十枚。靴は竜革のオーダーメイド、金貨百二十枚。そしてその指輪……鑑定書付きなら金貨五百枚は下らない」
「な、何をブツブツと……」
「代官の年俸は金貨三百枚と規定されています。勤続年数は五年。生活費を差し引いても、どう計算しても身に着けている品々の総額と収支が合いませんね」
私は計算機を彼の顔に突きつけた。
「差額の出所(ソース)はどこですか? 説明責任(アカウンタビリティ)を果たしていただきましょうか」
ボルスの顔から笑みが消えた。
「……なんだ貴様は。私のファッションにケチをつける気か? これは……そう、遺産だ! 遠い親戚の遺産が入ったのだ!」
「嘘ですね」
私は即答した。
「ここに来る前に、あなたの経歴を王都のデータベースで照会してきました。あなたは貧農の三男出身。親族に資産家はいません。むしろ、借金のある親戚ばかりですね」
「なっ……! き、貴様、調べたのか!?」
「基本調査(デューデリジェンス)は常識です」
私は冷ややかに笑った。
「さらに言えば、先ほどの八百屋の証言。『上納金』という名目で、正規の税率の三倍を取り立てているそうですね? その余剰分は、領の金庫には入っていません。どこへ消えたのでしょう?」
私の視線は、ボルスの背後に建つ、彼の屋敷(領主の館より立派)に向けられた。
「あそこの地下金庫あたりが怪しいですね」
図星だったのだろう。ボルスの顔が紫色に変色し、額から滝のような冷や汗が流れ落ちた。
「き、き、貴様ぁぁぁ……! よそ者が勝手なことを! これは辺境伯領の内政問題だ! 閣下、この無礼な女を今すぐ処刑してください!」
ボルスがジルベール様に泣きつく。
しかし、ジルベール様は腕組みをしたまま、冷酷に見下ろしただけだった。
「処刑? なぜだ。彼女の言っていることは、数字に基づいた事実だろう」
「か、閣下!? 私を疑うのですか!? 長年尽くしてきたこの私を!」
「尽くしてきた、か。……そういえば、俺の屋敷の修繕費を請求した時、『予算がない』と断ったな。だが、お前の屋敷は新築同然だ。この矛盾をどう説明する?」
「そ、それは……!」
言い逃れができなくなったボルスは、開き直ったように顔を歪めた。
「……チッ。筋肉ダルマの分際で、余計な知恵をつけやがって」
ボルスは指を鳴らした。
「やれ! こいつらを捕らえろ! 辺境伯は偽物だ! 魔物に心を乗っ取られたに違いない! 私が新たな領主として、この地を守るのだ!」
無茶苦茶な理屈だが、金で雇われた私兵たちが武器を構えてジリジリと迫ってくる。
「へへっ、悪いな嬢ちゃん。大人しくしてりゃ可愛がってやるよ」
下卑た笑みを浮かべる男たち。
私はため息をつき、一歩後ろに下がった。
「交渉決裂ですね。……閣下、お願いします」
「ああ。運動不足の解消にはちょうどいい」
ジルベール様が前に出た。剣は抜かない。素手だ。
「なめやがって! やっちまえ!」
私兵たちが一斉に襲いかかる。
ドガッ! バキッ! ズドン!
「ぐえっ!」
「ひでぶっ!」
一瞬だった。
ジルベール様が拳を振るうたびに、男たちがボロ雑巾のように宙を舞う。
剣を使うまでもない。圧倒的な暴力の嵐。
一分とかからず、十数人の私兵たちは地面に転がって呻き声を上げていた。
「ば、バケモノか……!」
ボルスが腰を抜かして後ずさる。
ジルベール様は指の関節をポキポキと鳴らしながら、ボルスに歩み寄った。
「さて。遺産の話だったか? もう一度詳しく聞かせてもらおうか」
「ひぃぃっ! お助けぇぇぇ!」
ボルスは逃げ出そうとしたが、私が先回りして足を引っかけた。
「おっと」
ドサッ!
無様に転んだボルスの上から、私は容赦なく靴底で背中を踏みつけた。
「逃がしませんよ。これからが本番です」
私は懐から『国税局公認・強制捜査令状(偽造)』を取り出し、高らかに宣言した。
「只今より、特別税務調査を行います! 隠し資産、裏帳簿、愛人への送金記録……すべて吐き出してもらいますからね!」
◇
その後、ボルスの屋敷への「ガサ入れ」が行われた。
結果は、予想以上だった。
地下室からは、横領した金貨の山、宝石、美術品、さらには希少な魔獣の素材などがザクザクと出てきた。
「お、奥方様! こっちの壺の中にも金貨が!」
ベルトが興奮して叫ぶ。
「壁の裏に隠し部屋がありました! 帳簿が出てきました!」
使用人たちも活き活きと捜索に参加している。日頃の恨みを晴らすかのような徹底ぶりだ。
私は押収品を一つ一つリストアップし、魔導計算機で合計金額を弾き出した。
タターンッ!
「……すごいわ」
私は震える声を出した。
「総額、金貨八千枚相当……! これなら当面の運転資金どころか、借金の一部返済まで可能です!」
「よくもまあ、これだけ溜め込んだものだ」
ジルベール様が呆れ果てている。
ボルスは縄で縛られ、部屋の隅で泣いていた。
「俺の金だ……俺が必死で騙し取った金なのに……」
「『騙し取った』と自白しましたね。議事録に残しておきます」
私は彼に冷たい視線を送った。
「この金はすべて、領の公的資金として没収します。あなたは横領罪で王都の司法局に突き出しますが、その前に……」
私はニッコリと微笑んだ。
「隠し財産がまだ他にないか、記憶を呼び覚ますための『特別尋問』を受けていただきます。担当官は……もちろん、閣下です」
「ひっ!?」
ボルスがジルベール様を見て絶望の悲鳴を上げる。
ジルベール様は「尋問か。骨の一本や二本で済むと思うなよ」と、極悪非道な笑みを浮かべた。
こうして、悪代官ボルスは陥落。
私たちは一夜にして、莫大な資金と、領民からの絶大な支持(悪代官を倒した英雄として)を手に入れたのだった。
その夜。
ボルスの屋敷(今日からここが仮の役所だ)で、押収した高級食材を使った祝勝会が開かれた。
「カンパーイ!」
使用人たち、そして協力してくれた領民たちが、久しぶりのまともな食事に涙を流して喜んでいる。
「リーリン様、ありがとう! あんたは女神だ!」
「いや、鬼神だ!」
「金庫番バンザイ!」
口々に称賛される中、私はグラスを片手にジルベール様の隣に座った。
「どうです、閣下。私の『錬金術』は」
「……恐れ入った。まさか、一日で金を作るとはな」
ジルベール様は、ボルスから没収した最高級ヴィンテージワインを揺らしながら、柔らかく笑った。
「お前が来てくれて、本当によかった」
その言葉と、不意に見せられた優しい笑顔に、私の心臓がトクンと跳ねた。
(……な、なによ。契約通りの仕事をしただけじゃない)
私は動揺を隠すように、ワインを一気に煽った。
「ま、まだ第一段階です! 次は、この資金を元手に『クリスタル・ジンジャー』の量産体制を整えますよ! 休んでいる暇はありません!」
「分かった、分かった。……だが、今夜くらいはゆっくりしてもいいだろう」
ジルベール様の手が、そっと私の髪に触れる。
「お疲れ様、リーリン」
その低く甘い声は、計算高い私の思考回路を、少しだけショートさせたのだった。
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