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「……なあ、リーリン」
領主館の応接室にて。
ジルベール様が、テーブルの上に積まれた印刷物を指差して、呻くように言った。
「これを、本当に世に出すのか? まだ間に合う。燃やさないか?」
「却下します」
私は即答し、印刷物――特製ポスターを一枚手に取った。
そこには、夕日をバックに、小瓶を抱いて聖母(聖父?)のように微笑むジルベール様の姿が描かれている。
キャッチコピーは金文字で『野獣の休息――その辛さは、愛の味』。
「素晴らしい出来栄えです。このポスター、王都の印刷ギルドに特急料金を払って刷らせた甲斐がありました。紙質も最高級のコート紙です」
「俺には、自分の公開処刑宣告書に見えるのだが」
「気のせいです。これは『ブランド戦略』です」
私はポスターを丁寧に積み直した。
「いいですか、閣下。商品は『モノ』だけでは売れません。『物語(ストーリー)』を売るのです。辺境の恐ろしい魔王が、唯一心を許した味……それがこのクリスタル・ジンジャー。どうです、買いたくなりませんか?」
「ならん。絶対に買わん」
「まあ、閣下はターゲット層(カモ)ではありませんから」
私はふふんと鼻を鳴らした。
その時、セバスチャンが扉をノックして入ってきた。
「旦那様、奥様。お客様がお見えです。王都の大手商会、『ゴールドマン商会』の支店長、ガストン氏です」
「通して」
私の目が、キラーンと光った。
「さあ、商談の時間ですよ、閣下。座っていてください。一言も喋らなくて結構です。ただ、そこに存在して『圧』を放っていていただければ」
「……置物扱いか」
ジルベール様が不服そうにソファに深く座り込む。
現れたのは、小太りで揉み手をした、いかにも「商人」といった風体の男だった。
「ヒッ……!」
部屋に入るなり、ガストン氏はジルベール様を見て小さく悲鳴を上げた。
無理もない。今のジルベール様は、ポスターの件で不機嫌MAX。その殺気は、半径五メートル以内の小動物を気絶させるレベルだ。
「よ、よよ、ようこそお呼び出しいただき……あ、いや、お招きいただき……」
「ようこそ、ガストン支店長。リーリン・アークライトです」
私は立ち上がり、営業用スマイル全開で手を差し出した。
「ア、アークライト公爵令嬢!? な、なぜこのような辺境に……いえ、失礼しました。ええと、お話とは?」
ガストン氏は冷や汗を拭きながら、ソファの端にちょこんと座った。
「単刀直入に申し上げます。我が領の特産品、『クリスタル・ジンジャー』の独占販売契約を結んでいただきたいのです」
私はテーブルの上に、試作品の小瓶をドンと置いた。
「……はあ。これですか?」
ガストン氏は小瓶を手に取り、怪訝な顔をした。
「見たところ、ただの酢漬けのようですが……。失礼ながら、王都では珍しくもありませんな」
「中身をご覧ください。これはただの生姜ではありません。辺境の極寒の地で鍛えられた、特別な品種です」
ガストン氏は蓋を開け、匂いを嗅ぎ、恐る恐る一口食べた。
「……むっ!?」
目が大きく見開かれる。
「か、辛い! なんだこの刺激は! ……しかし、後味が……」
「爽やかでしょう? 血行促進、疲労回復、冷え性改善。そして何より……」
私は声を潜めた。
「『美容』に効果絶大です」
「び、美容、ですか?」
「ええ。肌のターンオーバーを促進し、内側から発光するような美肌を作る……という『噂』を、これから流す予定です」
「噂、ですか……」
ガストン氏は商人の顔になり、そろばんを弾くように指を動かした。
「しかし、それだけでは弱い。王都の淑女たちは目が肥えています。ただ『肌にいい』だけでは飛びつきませんよ」
さすがは大手の支店長。手強い。
だが、ここまでは想定内だ。
「おっしゃる通りです。ですから、最強の『広告塔』をご用意しました」
私はバサッ! と例のポスターをテーブルに広げた。
「なっ……!?」
ガストン氏が絶句した。
ポスターの中の優しい微笑み。
そして、目の前のソファで般若のような顔をして座っている実物。
ガストン氏はポスターと実物を交互に見て、混乱のあまり目を回しかけた。
「こ、こ、これは……辺境伯閣下……ですか? いや、しかし、この慈愛に満ちた表情はまるで聖画のようで……」
「これこそが、クリスタル・ジンジャーの効果です!」
私はハッタリをかました。
「あのご覧ください、あの閣下の肌艶を! この過酷な環境下で、シミ一つない陶器のような肌! これぞ、毎日ジンジャーを食べているおかげなのです!」
「な、なんだってー!?」
ガストン氏が叫ぶ。
嘘である。ジルベール様の肌が綺麗なのは、単に魔力が高くて代謝が良いからだ。ジンジャー関係ない。
しかし、ジルベール様は「……」と沈黙を守っている(呆れて声が出ないだけ)。
これを「肯定」と受け取ったガストン氏は、身を乗り出した。
「す、すごい……! あの『氷の閣下』が、こんなに穏やかな顔になるなんて……! このポスター、インパクトは絶大です! ギャップ萌えというやつですね!?」
「その通りです。このポスターを商品のオマケとして付けます。初回限定版には、さらに『閣下の直筆サイン入り』を用意しましょう」
「売れる……! これは売れますぞぉぉぉ!」
ガストン氏の目に「¥」マークが灯った。
「奥様! いや、リーリン様! ぜひ我が商会にお任せください! 王都の全店舗で展開させていただきます!」
「ありがとうございます。では、契約条件の詰めに入りましょうか」
私はニッコリと笑い、魔導計算機を取り出した。
「卸値は売価の七掛け……と言いたいところですが、ブランド料込みで八掛けでお願いします」
「は、八掛け!? そ、それは少々強気すぎでは……」
ガストン氏が難色を示す。
私はチラリとジルベール様を見た。
「あら、不満ですか? ……閣下、ガストン氏が『高すぎる』と仰っていますが?」
「……あ?」
ジルベール様が、不機嫌そうに低く唸った。
ただ「あ?」と言っただけだ。
しかし、その声には「俺の女の提示した額にケチをつけるのか、この肉団子野郎」という(勝手な解釈による)殺気が込められていた。
「ヒィッ!!」
ガストン氏が震え上がる。
「め、滅相もございません!! 八掛け! 喜んで八掛けで契約させていただきますぅぅぅ!」
「ありがとうございます。契約成立ですね」
私は素早く契約書を作成し、サインをさせた。
「では、初回納品は来週。お支払いは現金一括でお願いしますね」
ガストン氏は、逃げるように帰っていった。
手には契約書を、背中には大量の冷や汗をかいて。
◇
「……悪徳商法だ」
ガストン氏が去った後、ジルベール様がポツリと言った。
「人聞きの悪い。Win-Winの関係ですよ」
私は契約書を満足げに眺めた。
「商会は話題性のある商品を手に入れ、私たちは安定した販路と現金を手に入れた。誰も損をしていません」
「俺の肖像権と名誉以外はな」
「些細な犠牲(コスト)です」
私は笑い飛ばした。
その日の夜。
私は自室ではなく、ジルベール様の執務室にいた。
「……まだ終わらないのか?」
ジルベール様が、書類仕事の手を止めて私を見た。
私は彼のデスクの向かい側(本来は客が座る場所)を陣取り、帳簿と格闘していた。
「いえ、もう少しです。今日の契約で入る予定の収益を、次の設備投資にどう割り振るかシミュレーションしていまして」
「……お前、本当に楽しそうだな」
不意に言われて、私は顔を上げた。
「楽しい?」
「ああ。ここに来た当初より、生き生きしている。……金勘定をしている時のお前は、目が輝いている」
ジルベール様が、頬杖をついて私を見つめている。
その瞳は、ポスターの作り笑顔ではなく、自然な穏やかさを湛えていた。
「……性分ですので」
私は少し照れくさくなって、視線を逸らした。
「数字は裏切りませんから。努力すればした分だけ、結果として返ってくる。それが心地よいのです」
「そうか」
ジルベール様は目を細めた。
「俺は、剣を振ることしか能がないと思っていた。領地が疲弊していくのを見ても、どうすればいいか分からなかった」
彼はペンを置き、自分の大きな手を見つめる。
「だが、お前が来てから……屋敷が明るくなった。使用人たちが笑うようになった。飯がうまくなった」
そして、彼は私を真っ直ぐに見た。
「俺にとっても、お前は『女神』なのかもしれんな」
ドキン。
心臓が大きく跳ねた。
(……やめてよ、そういう台詞は)
計算が狂う。
「女神」なんてガラじゃない。私はただの守銭奴で、自分の利益のために動いているだけなのに。
「……買い被りです、閣下。私は自分の老後資金のために働いているだけです」
「それでもだ。……ありがとう、リーリン」
彼はそう言って、また書類に目を落とした。
私は何も言えなくなり、黙って電卓を叩く作業に戻った。
タタタタ……。
静かな部屋に、ペンの走る音と、電卓の音だけが響く。
不思議だった。
いつもなら「一秒でも早く終わらせて寝たい」と思う事務作業が、今はなぜか、終わらせたくないような、心地よい時間に感じられた。
(……まあ、悪くない職場環境ね)
私は小さく笑みをこぼし、次のページの計算に移った。
こうして、『クリスタル・ジンジャー』は王都へと出荷されていった。
それがまさか、王都で私の想像を超える「大ブーム」を巻き起こし、あの元婚約者(バカ王子)たちの耳に入ることになるとは、この時の私はまだ知る由もなかったのである。
領主館の応接室にて。
ジルベール様が、テーブルの上に積まれた印刷物を指差して、呻くように言った。
「これを、本当に世に出すのか? まだ間に合う。燃やさないか?」
「却下します」
私は即答し、印刷物――特製ポスターを一枚手に取った。
そこには、夕日をバックに、小瓶を抱いて聖母(聖父?)のように微笑むジルベール様の姿が描かれている。
キャッチコピーは金文字で『野獣の休息――その辛さは、愛の味』。
「素晴らしい出来栄えです。このポスター、王都の印刷ギルドに特急料金を払って刷らせた甲斐がありました。紙質も最高級のコート紙です」
「俺には、自分の公開処刑宣告書に見えるのだが」
「気のせいです。これは『ブランド戦略』です」
私はポスターを丁寧に積み直した。
「いいですか、閣下。商品は『モノ』だけでは売れません。『物語(ストーリー)』を売るのです。辺境の恐ろしい魔王が、唯一心を許した味……それがこのクリスタル・ジンジャー。どうです、買いたくなりませんか?」
「ならん。絶対に買わん」
「まあ、閣下はターゲット層(カモ)ではありませんから」
私はふふんと鼻を鳴らした。
その時、セバスチャンが扉をノックして入ってきた。
「旦那様、奥様。お客様がお見えです。王都の大手商会、『ゴールドマン商会』の支店長、ガストン氏です」
「通して」
私の目が、キラーンと光った。
「さあ、商談の時間ですよ、閣下。座っていてください。一言も喋らなくて結構です。ただ、そこに存在して『圧』を放っていていただければ」
「……置物扱いか」
ジルベール様が不服そうにソファに深く座り込む。
現れたのは、小太りで揉み手をした、いかにも「商人」といった風体の男だった。
「ヒッ……!」
部屋に入るなり、ガストン氏はジルベール様を見て小さく悲鳴を上げた。
無理もない。今のジルベール様は、ポスターの件で不機嫌MAX。その殺気は、半径五メートル以内の小動物を気絶させるレベルだ。
「よ、よよ、ようこそお呼び出しいただき……あ、いや、お招きいただき……」
「ようこそ、ガストン支店長。リーリン・アークライトです」
私は立ち上がり、営業用スマイル全開で手を差し出した。
「ア、アークライト公爵令嬢!? な、なぜこのような辺境に……いえ、失礼しました。ええと、お話とは?」
ガストン氏は冷や汗を拭きながら、ソファの端にちょこんと座った。
「単刀直入に申し上げます。我が領の特産品、『クリスタル・ジンジャー』の独占販売契約を結んでいただきたいのです」
私はテーブルの上に、試作品の小瓶をドンと置いた。
「……はあ。これですか?」
ガストン氏は小瓶を手に取り、怪訝な顔をした。
「見たところ、ただの酢漬けのようですが……。失礼ながら、王都では珍しくもありませんな」
「中身をご覧ください。これはただの生姜ではありません。辺境の極寒の地で鍛えられた、特別な品種です」
ガストン氏は蓋を開け、匂いを嗅ぎ、恐る恐る一口食べた。
「……むっ!?」
目が大きく見開かれる。
「か、辛い! なんだこの刺激は! ……しかし、後味が……」
「爽やかでしょう? 血行促進、疲労回復、冷え性改善。そして何より……」
私は声を潜めた。
「『美容』に効果絶大です」
「び、美容、ですか?」
「ええ。肌のターンオーバーを促進し、内側から発光するような美肌を作る……という『噂』を、これから流す予定です」
「噂、ですか……」
ガストン氏は商人の顔になり、そろばんを弾くように指を動かした。
「しかし、それだけでは弱い。王都の淑女たちは目が肥えています。ただ『肌にいい』だけでは飛びつきませんよ」
さすがは大手の支店長。手強い。
だが、ここまでは想定内だ。
「おっしゃる通りです。ですから、最強の『広告塔』をご用意しました」
私はバサッ! と例のポスターをテーブルに広げた。
「なっ……!?」
ガストン氏が絶句した。
ポスターの中の優しい微笑み。
そして、目の前のソファで般若のような顔をして座っている実物。
ガストン氏はポスターと実物を交互に見て、混乱のあまり目を回しかけた。
「こ、こ、これは……辺境伯閣下……ですか? いや、しかし、この慈愛に満ちた表情はまるで聖画のようで……」
「これこそが、クリスタル・ジンジャーの効果です!」
私はハッタリをかました。
「あのご覧ください、あの閣下の肌艶を! この過酷な環境下で、シミ一つない陶器のような肌! これぞ、毎日ジンジャーを食べているおかげなのです!」
「な、なんだってー!?」
ガストン氏が叫ぶ。
嘘である。ジルベール様の肌が綺麗なのは、単に魔力が高くて代謝が良いからだ。ジンジャー関係ない。
しかし、ジルベール様は「……」と沈黙を守っている(呆れて声が出ないだけ)。
これを「肯定」と受け取ったガストン氏は、身を乗り出した。
「す、すごい……! あの『氷の閣下』が、こんなに穏やかな顔になるなんて……! このポスター、インパクトは絶大です! ギャップ萌えというやつですね!?」
「その通りです。このポスターを商品のオマケとして付けます。初回限定版には、さらに『閣下の直筆サイン入り』を用意しましょう」
「売れる……! これは売れますぞぉぉぉ!」
ガストン氏の目に「¥」マークが灯った。
「奥様! いや、リーリン様! ぜひ我が商会にお任せください! 王都の全店舗で展開させていただきます!」
「ありがとうございます。では、契約条件の詰めに入りましょうか」
私はニッコリと笑い、魔導計算機を取り出した。
「卸値は売価の七掛け……と言いたいところですが、ブランド料込みで八掛けでお願いします」
「は、八掛け!? そ、それは少々強気すぎでは……」
ガストン氏が難色を示す。
私はチラリとジルベール様を見た。
「あら、不満ですか? ……閣下、ガストン氏が『高すぎる』と仰っていますが?」
「……あ?」
ジルベール様が、不機嫌そうに低く唸った。
ただ「あ?」と言っただけだ。
しかし、その声には「俺の女の提示した額にケチをつけるのか、この肉団子野郎」という(勝手な解釈による)殺気が込められていた。
「ヒィッ!!」
ガストン氏が震え上がる。
「め、滅相もございません!! 八掛け! 喜んで八掛けで契約させていただきますぅぅぅ!」
「ありがとうございます。契約成立ですね」
私は素早く契約書を作成し、サインをさせた。
「では、初回納品は来週。お支払いは現金一括でお願いしますね」
ガストン氏は、逃げるように帰っていった。
手には契約書を、背中には大量の冷や汗をかいて。
◇
「……悪徳商法だ」
ガストン氏が去った後、ジルベール様がポツリと言った。
「人聞きの悪い。Win-Winの関係ですよ」
私は契約書を満足げに眺めた。
「商会は話題性のある商品を手に入れ、私たちは安定した販路と現金を手に入れた。誰も損をしていません」
「俺の肖像権と名誉以外はな」
「些細な犠牲(コスト)です」
私は笑い飛ばした。
その日の夜。
私は自室ではなく、ジルベール様の執務室にいた。
「……まだ終わらないのか?」
ジルベール様が、書類仕事の手を止めて私を見た。
私は彼のデスクの向かい側(本来は客が座る場所)を陣取り、帳簿と格闘していた。
「いえ、もう少しです。今日の契約で入る予定の収益を、次の設備投資にどう割り振るかシミュレーションしていまして」
「……お前、本当に楽しそうだな」
不意に言われて、私は顔を上げた。
「楽しい?」
「ああ。ここに来た当初より、生き生きしている。……金勘定をしている時のお前は、目が輝いている」
ジルベール様が、頬杖をついて私を見つめている。
その瞳は、ポスターの作り笑顔ではなく、自然な穏やかさを湛えていた。
「……性分ですので」
私は少し照れくさくなって、視線を逸らした。
「数字は裏切りませんから。努力すればした分だけ、結果として返ってくる。それが心地よいのです」
「そうか」
ジルベール様は目を細めた。
「俺は、剣を振ることしか能がないと思っていた。領地が疲弊していくのを見ても、どうすればいいか分からなかった」
彼はペンを置き、自分の大きな手を見つめる。
「だが、お前が来てから……屋敷が明るくなった。使用人たちが笑うようになった。飯がうまくなった」
そして、彼は私を真っ直ぐに見た。
「俺にとっても、お前は『女神』なのかもしれんな」
ドキン。
心臓が大きく跳ねた。
(……やめてよ、そういう台詞は)
計算が狂う。
「女神」なんてガラじゃない。私はただの守銭奴で、自分の利益のために動いているだけなのに。
「……買い被りです、閣下。私は自分の老後資金のために働いているだけです」
「それでもだ。……ありがとう、リーリン」
彼はそう言って、また書類に目を落とした。
私は何も言えなくなり、黙って電卓を叩く作業に戻った。
タタタタ……。
静かな部屋に、ペンの走る音と、電卓の音だけが響く。
不思議だった。
いつもなら「一秒でも早く終わらせて寝たい」と思う事務作業が、今はなぜか、終わらせたくないような、心地よい時間に感じられた。
(……まあ、悪くない職場環境ね)
私は小さく笑みをこぼし、次のページの計算に移った。
こうして、『クリスタル・ジンジャー』は王都へと出荷されていった。
それがまさか、王都で私の想像を超える「大ブーム」を巻き起こし、あの元婚約者(バカ王子)たちの耳に入ることになるとは、この時の私はまだ知る由もなかったのである。
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