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16話
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国王陛下からの密命を受け、私は早速、グレイソンと共に本格的な調査を開始した。
私たちの拠点は、カフェ「ラヴィアンローズ」。表向きは華やかな社交場、しかしその裏では、国家の運命を左右する情報戦が繰り広げられていた。
「グレイソン、密輸されている品目のリストよ。何か気づくことはない?」
私は、警備隊から極秘裏に入手した資料を、グレイソンに渡した。
リストには、宝石、毛皮、希少な薬草など、高価な品々が並んでいる。
「ふむ……。いずれも、貴族が好む贅沢品ばかりですな。しかし、一つだけ妙なものが混じっております」
グレイソンが指さしたのは、「岩塩」の項目だった。
「岩塩? 確かに、他と比べると単価が安いわね。なぜこんなものをわざわざ密輸する必要が……」
「おそらく、カモフラージュでしょう。他の高価な品を隠すために、大量の岩塩で偽装しているのでは? そして、この岩塩の主な産地は……」
グレイソンは地図を広げ、ある場所を指さした。
「ヴァルモン公爵の領地……!」
「いかにも。そして、この密輸ルート。ヴァルモン公爵の領地を通り、いくつかの貴族の領地を経由して、王都に流れてきております。その中には、先日騒ぎを起こした伯爵の領地も含まれておりますな」
パズルのピースが、一つ、また一つと嵌っていく感覚。
「金の流れも追ってみたわ」
私は、カフェの常連客である会計士や銀行家から、それとなく聞き出した情報をまとめた書類を広げる。
「不自然な金の動きが、いくつか見つかった。その金の多くが、最終的にヴァルモン公爵の息のかかった商会に流れ着いているわ。そして、その商会から、セシリー嬢の実家であるグレイ子爵家にも、定期的に『援助』という名目で金が渡っている」
「……繋がりましたな、お嬢様」
グレイソンの声が、静かな確信を帯びる。
「ええ、繋がったわ」
私は、壁に貼り出した巨大な相関図を見上げた。
中心にいるのは、ヴァルモン公爵。
彼から伸びた無数の線が、密輸組織、伯爵家、そしてセシリー嬢へと繋がっている。
セシリー嬢がアルフ殿下に近づき、私との婚約を破棄させたのも。
私のカフェに嫌がらせをしてきたのも。
全ては、リール家と王家の繋がりを断ち切り、王宮内での影響力を削ぐための、ヴァルモン公爵の壮大な計画の一部だったのだ。
アルフ殿下もセシリー嬢も、彼の掌の上で踊らされているに過ぎない。
「なんて、壮大な茶番かしら」
私は、呆れると同時に、心の底から湧き上がる怒りと興奮を感じていた。
「グレイソン、次の手を打つわよ」
「いかがなさいますか?」
「まずは、敵の資金源を断つ。密輸ルートを、根こそぎ叩き潰すのよ」
私の瞳には、決意の炎が燃え盛っていた。
黒幕の輪郭は、はっきりと見えた。
ここからが、本当の戦い。私の知略と度胸、全てを懸けて、この腐りきった構造を破壊してやる。
私の「バラ色の人生」のために。そして、この国の未来のために。
私たちの拠点は、カフェ「ラヴィアンローズ」。表向きは華やかな社交場、しかしその裏では、国家の運命を左右する情報戦が繰り広げられていた。
「グレイソン、密輸されている品目のリストよ。何か気づくことはない?」
私は、警備隊から極秘裏に入手した資料を、グレイソンに渡した。
リストには、宝石、毛皮、希少な薬草など、高価な品々が並んでいる。
「ふむ……。いずれも、貴族が好む贅沢品ばかりですな。しかし、一つだけ妙なものが混じっております」
グレイソンが指さしたのは、「岩塩」の項目だった。
「岩塩? 確かに、他と比べると単価が安いわね。なぜこんなものをわざわざ密輸する必要が……」
「おそらく、カモフラージュでしょう。他の高価な品を隠すために、大量の岩塩で偽装しているのでは? そして、この岩塩の主な産地は……」
グレイソンは地図を広げ、ある場所を指さした。
「ヴァルモン公爵の領地……!」
「いかにも。そして、この密輸ルート。ヴァルモン公爵の領地を通り、いくつかの貴族の領地を経由して、王都に流れてきております。その中には、先日騒ぎを起こした伯爵の領地も含まれておりますな」
パズルのピースが、一つ、また一つと嵌っていく感覚。
「金の流れも追ってみたわ」
私は、カフェの常連客である会計士や銀行家から、それとなく聞き出した情報をまとめた書類を広げる。
「不自然な金の動きが、いくつか見つかった。その金の多くが、最終的にヴァルモン公爵の息のかかった商会に流れ着いているわ。そして、その商会から、セシリー嬢の実家であるグレイ子爵家にも、定期的に『援助』という名目で金が渡っている」
「……繋がりましたな、お嬢様」
グレイソンの声が、静かな確信を帯びる。
「ええ、繋がったわ」
私は、壁に貼り出した巨大な相関図を見上げた。
中心にいるのは、ヴァルモン公爵。
彼から伸びた無数の線が、密輸組織、伯爵家、そしてセシリー嬢へと繋がっている。
セシリー嬢がアルフ殿下に近づき、私との婚約を破棄させたのも。
私のカフェに嫌がらせをしてきたのも。
全ては、リール家と王家の繋がりを断ち切り、王宮内での影響力を削ぐための、ヴァルモン公爵の壮大な計画の一部だったのだ。
アルフ殿下もセシリー嬢も、彼の掌の上で踊らされているに過ぎない。
「なんて、壮大な茶番かしら」
私は、呆れると同時に、心の底から湧き上がる怒りと興奮を感じていた。
「グレイソン、次の手を打つわよ」
「いかがなさいますか?」
「まずは、敵の資金源を断つ。密輸ルートを、根こそぎ叩き潰すのよ」
私の瞳には、決意の炎が燃え盛っていた。
黒幕の輪郭は、はっきりと見えた。
ここからが、本当の戦い。私の知略と度胸、全てを懸けて、この腐りきった構造を破壊してやる。
私の「バラ色の人生」のために。そして、この国の未来のために。
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