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第9章
どう思ってるの…?
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「…」
「……」
…沈黙が辛い……。
ルークの後ろをただ歩くだけのこの時間。
ソル様に正体を見破られ速攻で帰りたかったのだが、流石にそんなことをしたら明日には首と胴体がおさらばしている。
考えただけでゾッとするわ。
でも、流石にこの沈黙は辛くない?
こころなしかルーク機嫌悪いし。
ねえ帰って良い?良いよね??
「おい」
「は、はいっ」
え…逃げようとしてるのバレた?
ルークは頭の後ろにも目がついてたりする??
「なんでしょうか?」
内面の動揺を隠しながらそう問うと、ルークは何か躊躇うように話し始めた。
「さっきから思っていたのだが、お前はルシアにそっくりだな。その容姿といい声といい。まさかーー」
「ち、違いますわっ?」
少し声がうわずってしまったが、気にしないでほしい。
「一階の侍女が、公爵令嬢であるルシア様のはずがない…と、思いますが?」
ついで畳みかけるように言えば、疑いながらも、まあそうか、と納得してくれてた。
「…ルシア様が、どうかされたのですか?」
また沈黙になるのが耐えられなくて、つい勢いで聞いてしまったけれど、聞いてからハッとする。
たかが侍女ごときが、王太子に話しかけるのは失礼だ…。
「…さぁな」
慌てて謝ろうとしたが、ルークが返答してくれたことに驚く。
…というか、さぁなって何よ。
嫌いでないのは嬉しいけど!
「…そう、ですか」
どう返答するか考えていたが、結局これしか返せなかった。
「……彼女はどこに居るのだろうな」
「……」
話の流れからしてルシアのことなんだろうけど。
そんな憂いの表情で言われても。
実はここに居ました!あははぁとは言えない…
「…きっと、王太子殿下に会いたがっておられますよ」
これが模範解答、なはず。
今の私は侍女だからお世辞しか言えない。
本当は、こんな夜会みたいに人が多いところが嫌いで、敵意剥き出しのところになんかいたくないだけだけど。それにルークのことそんなに考えてなかった。ごめん。
でも、なんでこんなに不機嫌なの?
私が送られてきたドレスを着なかったからかな。
……そんなことで怒るかしら。
「…そうか。それならどんなに嬉しいだろう…また、彼女に会いたいよ」
「……!」
話していて、憂いとほのかな怒りが滲んでいた顔が、一瞬にしてほころぶ。
それ、どうゆう意味で……
まるで、私のことを好きと言っているように感じてしまう。
思ってもいなかった返答に、胸が締め付けられる。
なんで私にーー
「あの、私ーー」
「ーーー………きゃぁっ!!」
無意識に問いかけようとしていた言葉をぐっと飲み込む。
私、今何言おうとしてた…?
て、それよりも!
「今の声は…」
「ユリア嬢の声だ」
お互いにハッとし、いつの間にか止まっていた足を再び動かす。
やがて見えてきた光景に、自分の目を疑った。
あの令嬢達、さっきのーー!
まだ距離はあるし、話し声もうっすら聞こえる程度だが、間違いない。
あんだけ脅してやったのに、まだ懲りないの?!
あれ、でもこの光景見覚えある……あ。
「王太子殿下!ちょっとよろしいでしょうか!!」
「…?!何をしている!」
今は侍女であるということも忘れ、ぐいぐいとルークの腕を引っ張る。
そして近くの客間へと押し込み、そっと令嬢たちの様子を伺う。
間違いない。
これ、フォレストのイベだわ!!
「……」
…沈黙が辛い……。
ルークの後ろをただ歩くだけのこの時間。
ソル様に正体を見破られ速攻で帰りたかったのだが、流石にそんなことをしたら明日には首と胴体がおさらばしている。
考えただけでゾッとするわ。
でも、流石にこの沈黙は辛くない?
こころなしかルーク機嫌悪いし。
ねえ帰って良い?良いよね??
「おい」
「は、はいっ」
え…逃げようとしてるのバレた?
ルークは頭の後ろにも目がついてたりする??
「なんでしょうか?」
内面の動揺を隠しながらそう問うと、ルークは何か躊躇うように話し始めた。
「さっきから思っていたのだが、お前はルシアにそっくりだな。その容姿といい声といい。まさかーー」
「ち、違いますわっ?」
少し声がうわずってしまったが、気にしないでほしい。
「一階の侍女が、公爵令嬢であるルシア様のはずがない…と、思いますが?」
ついで畳みかけるように言えば、疑いながらも、まあそうか、と納得してくれてた。
「…ルシア様が、どうかされたのですか?」
また沈黙になるのが耐えられなくて、つい勢いで聞いてしまったけれど、聞いてからハッとする。
たかが侍女ごときが、王太子に話しかけるのは失礼だ…。
「…さぁな」
慌てて謝ろうとしたが、ルークが返答してくれたことに驚く。
…というか、さぁなって何よ。
嫌いでないのは嬉しいけど!
「…そう、ですか」
どう返答するか考えていたが、結局これしか返せなかった。
「……彼女はどこに居るのだろうな」
「……」
話の流れからしてルシアのことなんだろうけど。
そんな憂いの表情で言われても。
実はここに居ました!あははぁとは言えない…
「…きっと、王太子殿下に会いたがっておられますよ」
これが模範解答、なはず。
今の私は侍女だからお世辞しか言えない。
本当は、こんな夜会みたいに人が多いところが嫌いで、敵意剥き出しのところになんかいたくないだけだけど。それにルークのことそんなに考えてなかった。ごめん。
でも、なんでこんなに不機嫌なの?
私が送られてきたドレスを着なかったからかな。
……そんなことで怒るかしら。
「…そうか。それならどんなに嬉しいだろう…また、彼女に会いたいよ」
「……!」
話していて、憂いとほのかな怒りが滲んでいた顔が、一瞬にしてほころぶ。
それ、どうゆう意味で……
まるで、私のことを好きと言っているように感じてしまう。
思ってもいなかった返答に、胸が締め付けられる。
なんで私にーー
「あの、私ーー」
「ーーー………きゃぁっ!!」
無意識に問いかけようとしていた言葉をぐっと飲み込む。
私、今何言おうとしてた…?
て、それよりも!
「今の声は…」
「ユリア嬢の声だ」
お互いにハッとし、いつの間にか止まっていた足を再び動かす。
やがて見えてきた光景に、自分の目を疑った。
あの令嬢達、さっきのーー!
まだ距離はあるし、話し声もうっすら聞こえる程度だが、間違いない。
あんだけ脅してやったのに、まだ懲りないの?!
あれ、でもこの光景見覚えある……あ。
「王太子殿下!ちょっとよろしいでしょうか!!」
「…?!何をしている!」
今は侍女であるということも忘れ、ぐいぐいとルークの腕を引っ張る。
そして近くの客間へと押し込み、そっと令嬢たちの様子を伺う。
間違いない。
これ、フォレストのイベだわ!!
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