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第1章
27お茶会
柔らかな日差しが届き、空がのどかに晴れている日。
私は今、宮殿のガゼボで、お茶をたしなんでいる。心はどんよりだわ。
私の話に、「へー、あー、そうなの」といい加減な受け答えの皇太子。当たり障りのない関係ってこういうこと?イケメンなら何でも許されると思っていて?6歳にしてその張り付けた笑顔はなんなのかしら。お兄様のはじける笑顔を見習ってほしいわ。
「では、そろそろ…」お互いのためにならない時間を切り上げようとしたその時、
「きゃあー、アイリーン!よくきたわ。私、ずっと、ずーーーっと待っていたのよ。」
皇太子とのお茶会に飛び入り参加。悪い人ではないのだけれど、皇后としてのマナーはいったいどうなっているのかしら。
「こうごうさまに、ごあいさついたします。」
「あ、いいのよ、いいのよ。楽にして。」
帰り損ねたわ。ああ、ここから長そうね。早く帰ってお兄様と推しの話をしたりファンレターを書いたりしたいのに。
ん?皇后さま、ボニーが手にしているテディを凝視しているわ。
「ねえ、アイリーン。あなたのメイドが抱えているものは何なのかしら?」
おっと、忘れて帰るところだった。
「あ、そうでしたわ。このたび、こうしゃけのあたらしいおみせで、はんばいすることになったテディベアですの。エドガールでんかへのプレゼントとしてもってまいりましたわ。」
ボニーから受け取り、殿下へと渡す。
「まあ、なんて素敵なの!!テオとエドの色じゃない。いいわーいいわねー。私も欲しいわ。」
無表情皇太子め、礼くらい言ったらどうなの。
「母上、それでしたら、これを母上に。私は男ですから、人形はちょっと…。」
なんですって!この可愛らしさがわからないなんて。お兄様は、抱いて寝ているわよ。
そもそも、可愛いは、正義なのよ。ああ、やだやだ。ジェンダーレスの時代に育った私にはとうてい受け入れられないわ。
それに何よ。婚約者からもらったものを、婚約者の目の前で、自分の母親にあげるなんて。前世なら炎上ものよ。
いや、今世でも、袋叩き案件。許せないわ。扱いに困って押し付けたとはいえ。
「そうですわね。こうごうさまにかわいがっていただけたら、そのテディベアもきっとしあわせですわ。」
「ええ、もちろん!大事にするわ。どこに置きましょう。あー嬉しいわー」
2人の温度差。足して2で割るとちょうどいいわね。
国王陛下は、侯爵家で新たに売り出した商品の考案者が私だということを皇后様には内緒にしているらしい。お父様が強く願ったそうなのだ。確かに、思ったことがすぐ口に出る皇后様が関わったら、私の命がいくつあっても足りなさそうね。あの厳しい皇太子妃教育、本当にこの方も受けたのかしら?疑惑が深まるわ。
ボニーが、皇后付きの侍女長に耳打ちをしている。侍女長がやってきたわ。
「皇后様、ノヴァック侯爵令嬢は外にいる時間がだいぶ長く、体調が案じられます。そろそろ…」
「あ、そうよね。ごめんなさいアイリーン。またすぐに会いに来てね♡」
最高よ!ボニーーーー!でも、どや顔は隠しなさい。
私は今、宮殿のガゼボで、お茶をたしなんでいる。心はどんよりだわ。
私の話に、「へー、あー、そうなの」といい加減な受け答えの皇太子。当たり障りのない関係ってこういうこと?イケメンなら何でも許されると思っていて?6歳にしてその張り付けた笑顔はなんなのかしら。お兄様のはじける笑顔を見習ってほしいわ。
「では、そろそろ…」お互いのためにならない時間を切り上げようとしたその時、
「きゃあー、アイリーン!よくきたわ。私、ずっと、ずーーーっと待っていたのよ。」
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帰り損ねたわ。ああ、ここから長そうね。早く帰ってお兄様と推しの話をしたりファンレターを書いたりしたいのに。
ん?皇后さま、ボニーが手にしているテディを凝視しているわ。
「ねえ、アイリーン。あなたのメイドが抱えているものは何なのかしら?」
おっと、忘れて帰るところだった。
「あ、そうでしたわ。このたび、こうしゃけのあたらしいおみせで、はんばいすることになったテディベアですの。エドガールでんかへのプレゼントとしてもってまいりましたわ。」
ボニーから受け取り、殿下へと渡す。
「まあ、なんて素敵なの!!テオとエドの色じゃない。いいわーいいわねー。私も欲しいわ。」
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「母上、それでしたら、これを母上に。私は男ですから、人形はちょっと…。」
なんですって!この可愛らしさがわからないなんて。お兄様は、抱いて寝ているわよ。
そもそも、可愛いは、正義なのよ。ああ、やだやだ。ジェンダーレスの時代に育った私にはとうてい受け入れられないわ。
それに何よ。婚約者からもらったものを、婚約者の目の前で、自分の母親にあげるなんて。前世なら炎上ものよ。
いや、今世でも、袋叩き案件。許せないわ。扱いに困って押し付けたとはいえ。
「そうですわね。こうごうさまにかわいがっていただけたら、そのテディベアもきっとしあわせですわ。」
「ええ、もちろん!大事にするわ。どこに置きましょう。あー嬉しいわー」
2人の温度差。足して2で割るとちょうどいいわね。
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