魂を紡ぐもの

にゃら

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第3章

親友・・・?

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「イヤリングでもいいんだよね?」
「うん。ありがと。本当はピアスが良いんだけどね」
 成実からイヤリングを受け取る。
「また変なことに使うんでしょ」
 私たち3人はUSAの部室でだらだらしている。
「にしてもよくあんな名前と活動内容で許可が下りたね」
「それ川井先生にも言われた。お前本気でこの活動内容で通すのかって」
「そりゃそうでしょ。最初の活動内容に比べたら幾分マシになってたけど」
 2人の会話は聞いているだけで楽しい。少し前の私には考えられない。悪魔みたいな存在の私がこんな風に楽しめるようになるなんて。
「ピアスかぁ。卒業したら開けようかな」
「ん?成実開けたいの?」
「可愛いのならね」
「そうなんだ」
「陽奈は?」
「私は良いかな。痛そうだし。シズクは?」
「刺すのに便利そう」
「相変わらず考えが怖いよ」
 そうなのかな?そういう考えはまだよく分からない。常に危険と隣り合わせだったからかも知れない。
「そういやあのお姉さんは?」
「眠ってるよ。時間も止めたから私が解除しないと目は覚まさない」
「なんでもありね。その気になったら一瞬で地球なくなりそう」
「しようか?」
「しないでよ!」
「冗談だよ」
「あんたのは冗談に聞こえないから!」
 やろうと思えばできるかも知れないけど色々要害があるしなにより食事が無くなるのは辛いからしない。
「でもシズクって凄いよね」
「そうかな」
 私からしたら2人の方が凄い。自分とは全く違う存在を受け入れてくれ更に仲良くしてくれている。こうして同じ時間を刻む事が出来る。
「ほんと。今もね」
「あはは。ばれた」
「分かるわよ。ねえ」
「シズクは分かりやすいよね」
「そうかな」
 この2人くらいしか分からないと思うけど
「じゃあ今日は解散かな」
「そうだね。今からシズク忙しくなりそうだし」
「ありがとね」
 本当は詳しく聞きたいだろうに何も聞いてこない2人が大好きだ。また終わったら話してあげよう。成実から貰った『ピアス』を忘れないように部室を後にする。
「お前達どこ行くんだ?」
 部室から出るといつもの場所に川井先生が座っていた。
「え?帰るとこですよ?」
「今日は何の日だ神崎」
「今日?…分からない!」
 成美が堂々と答える。一応私も考える。考えるが何も思いつかない。
「あのな神崎。先生としてはもう少し考えてから回答してくれた方が助かるぞ」
「ごめんなさい。で?何の日?」
「大掃除と図書当番だ」
 あ、そっか。前してからもう1ヶ月経つんだ。完全に忘れてた。
「あれ?それ今日でしたっけ?」
「あのな神崎。図書委員になって何年だ?」
「はい!今年で2年目です」
「ならいい加減自分の当番と掃除の日覚えろ」
「はーい!」
 成美が覚える日って来るのかな。少し心配だ。でもまぁ、成美が覚えていなくても陽奈が覚えているだろう。
「じゃ!ちゃっちゃとやりますか!」
「そうだね」
 大掃除が終わる頃。時刻は6時を過ぎていた。この大掃除思ったより時間が掛かるという事を改めて実感した。

 家に帰るとなにやら騒がしい声が聞こえる。
「ただいま」
「あ、おかえりシズク」
 玄関に大地が立ったまま居た。
「どうしたの?リビング行かないの?」
「いや…そうしたいのだけど…居心地悪くてさ」
 困ったように大地が
「シズクの友達が来ている」
 そう呟いた。あぁ、それは確かに居心地悪いや。私は声のするリビングへと向かった。
「だからあんたにシズクを任せておけないのよ!」
「あんたじゃなくサクマです。それに彼女は望んでここにいるのですよ」
「うるさい!このルクスの犬が!」
「ですからサクマです」
 はぁ…。
「何してるのよリズ…」
 リビングの扉を開け中に入りながら話しかける。
「シズク!おかえり!」
 そう言いながら抱きついてくるリズに
「離れてよ!」
「チューしてくれたら離れてあげる」
「しないから…」
 呆れながら離す。
「おかえりなさい」
「ただいまサクマ」
 鞄をテーブルの上に放り投げ
「で?リズ何しにきたの?大地も困っているから」
 椅子に座りながらリズを見る。
「大地…?あぁ、あの男の子か!」
「あんたもしかしてまともに挨拶もしてないわけ!?」
「したよ?シズクの恋人ですって」
「誰が恋人よ!」
「えぇ…違うの?」
「違うから」
「酷い!将来を誓い合った仲なのに」
「いつ誓った…」
 ほんとリズと話すと疲れる。悪い子ではないのだけども。一応…私の親友でもあるし…。
「えっと…彼女は一体…」
 恐る恐るリビングに入ってきた大地に
「彼女はリズ。昔からの知り合い。コーヒーでも出してあげて」
 そう告げた。
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