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一つ目の感情
俺だけに見えるもの
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静寂の中、アニメででるようなお腹の音が鳴った。さっきからアニメアニメで例えてるのは俺がアニメヲタクだからだ。生まれながらのアニメヲタクだったのかもしれない。ラブコメも戦闘系もみてた。感情が無いのに体もヲタクだからかアニメだけは何時でも見たいと本能的に感じる。
「てか腹減ったな、何か食べたくなってきた。腹が減っては戦ができぬ」って言っても戦わないがね。
俺の手はナースコールに伸びていた。
危ない危ない。なんでもかんでも押してはいけない。今のは手が悪い。叱るなら手を叱ってくれ。
と独り言を心の中で言っていた。
病室のドアが開いた。
「陽真ちゃん!お菓子とか果物とか持ってきちゃいました!」
と、心は青緑だ。緑の方が少し多い。笑っているようで少し悲しい表情の水無豆がまたお見舞い来てくれた。当然だが弥生はいない。「あれ?入院中は食べていいんでしたっけ?聞いてきます!です!」
走って行ってしまった。五分後くらいに戻ってきて息切れしていた。
「疲れましたぁ。私体力皆無なのにエレベーター目の前で行っちゃって三階の陽真ちゃんの部屋まで走ってきたんですよ」
水無豆は可愛らしい手提げバッグからカットされた林檎と店に売っている綺麗な綺麗なチョコレートを持ってきた。林檎をフォークで刺し僕の口の前に持ってきた。
「陽真ちゃん、アーンです!」
林檎は冷たく、甘かった。
「どうです?美味しいですか?」
「あぁ、甘いよ。どこで貰ったの?」
「え、えーっと……そ、そう!買ったんだよ!」
う、うーん。明らかに嘘をついている。星美さんは昔から嘘がとても下手で、嘘ついたり気分が上昇してると丁寧語を使わなくなる。これは
「本当?」
「う、うん!本当だよ!」
「まあ、でもありがとう。林檎美味しかったよ」
そう言うと水無豆はにっこりした顔をして笑った。心のもやは緑だった。
「あ、チョコもあげます!美味しいですか?」
小さなチョコは口に入れた途端すぐとけた。
「めっちゃ美味しいよ。高かったでしょ?」
水無豆はますますにっこりしていた。
「え!お店のに見える!?」
「え?お店で買ったんじゃないの?」
「作ったんです!上手に出来たんですよ!」
不意に学校のことを聞きたくなった。高校にはいる前は学校に行くのを楽しみにしてたのを覚えてるが今は行っても行かなくてもいいって感じ。
一応聞いてみるか。
「あ、あのさ学校って今どんな感じ?俺まさかぼっちなるんじゃない?まぁいいけどね」
「心配しないでください!先生がクラスみんなに話してたです。みんな来て欲しいって言ってましたよ!」
「じゃ火曜日から行ってみようかな」
「おおー、やったです!マイルでみんなにグループで言っときますね」
とても慣れた指使いで打っている。
「みんななんか言ってる?」
「女子はイケメン?とかばっかで男子はどんなやつ?とか言ってるよ!」
なんかすみません。イケメンでも面白くもなんともなくて。
マイルとはメールや電話ができるアプリだ。
俺はスマホが壊れてるから多分だけどデータは消えてしまったと思う。
「スマホ壊れちゃったから明日買いに行かないとな。一緒に着いてくれる?」
「いいよ!いこいこー!」
「あぁ、それと弥生はなんか言ってた?」
「あーっと、なんも!なんも話してない!」
「さっきから嘘ついでるでしょ」
「な、なんでわかったんです?」
「そりゃ分かるよ、昔から水無豆の事見てるもん」
すると水無豆の顔がだんだんと赤くなっていた。心は緑なのに顔は真っ赤だ。
「え、えっとぉ……。弥生ちゃんも一緒に来てます」
「てか腹減ったな、何か食べたくなってきた。腹が減っては戦ができぬ」って言っても戦わないがね。
俺の手はナースコールに伸びていた。
危ない危ない。なんでもかんでも押してはいけない。今のは手が悪い。叱るなら手を叱ってくれ。
と独り言を心の中で言っていた。
病室のドアが開いた。
「陽真ちゃん!お菓子とか果物とか持ってきちゃいました!」
と、心は青緑だ。緑の方が少し多い。笑っているようで少し悲しい表情の水無豆がまたお見舞い来てくれた。当然だが弥生はいない。「あれ?入院中は食べていいんでしたっけ?聞いてきます!です!」
走って行ってしまった。五分後くらいに戻ってきて息切れしていた。
「疲れましたぁ。私体力皆無なのにエレベーター目の前で行っちゃって三階の陽真ちゃんの部屋まで走ってきたんですよ」
水無豆は可愛らしい手提げバッグからカットされた林檎と店に売っている綺麗な綺麗なチョコレートを持ってきた。林檎をフォークで刺し僕の口の前に持ってきた。
「陽真ちゃん、アーンです!」
林檎は冷たく、甘かった。
「どうです?美味しいですか?」
「あぁ、甘いよ。どこで貰ったの?」
「え、えーっと……そ、そう!買ったんだよ!」
う、うーん。明らかに嘘をついている。星美さんは昔から嘘がとても下手で、嘘ついたり気分が上昇してると丁寧語を使わなくなる。これは
「本当?」
「う、うん!本当だよ!」
「まあ、でもありがとう。林檎美味しかったよ」
そう言うと水無豆はにっこりした顔をして笑った。心のもやは緑だった。
「あ、チョコもあげます!美味しいですか?」
小さなチョコは口に入れた途端すぐとけた。
「めっちゃ美味しいよ。高かったでしょ?」
水無豆はますますにっこりしていた。
「え!お店のに見える!?」
「え?お店で買ったんじゃないの?」
「作ったんです!上手に出来たんですよ!」
不意に学校のことを聞きたくなった。高校にはいる前は学校に行くのを楽しみにしてたのを覚えてるが今は行っても行かなくてもいいって感じ。
一応聞いてみるか。
「あ、あのさ学校って今どんな感じ?俺まさかぼっちなるんじゃない?まぁいいけどね」
「心配しないでください!先生がクラスみんなに話してたです。みんな来て欲しいって言ってましたよ!」
「じゃ火曜日から行ってみようかな」
「おおー、やったです!マイルでみんなにグループで言っときますね」
とても慣れた指使いで打っている。
「みんななんか言ってる?」
「女子はイケメン?とかばっかで男子はどんなやつ?とか言ってるよ!」
なんかすみません。イケメンでも面白くもなんともなくて。
マイルとはメールや電話ができるアプリだ。
俺はスマホが壊れてるから多分だけどデータは消えてしまったと思う。
「スマホ壊れちゃったから明日買いに行かないとな。一緒に着いてくれる?」
「いいよ!いこいこー!」
「あぁ、それと弥生はなんか言ってた?」
「あーっと、なんも!なんも話してない!」
「さっきから嘘ついでるでしょ」
「な、なんでわかったんです?」
「そりゃ分かるよ、昔から水無豆の事見てるもん」
すると水無豆の顔がだんだんと赤くなっていた。心は緑なのに顔は真っ赤だ。
「え、えっとぉ……。弥生ちゃんも一緒に来てます」
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