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第二話 協力者
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国立図書館を出て、僕達は街中を歩いていた。
「そういえばさ、僕達自己紹介してない?」
「確かにそうだな。俺からしよう。俺の名前はルイク・ミセリア。17歳だ」
「え!同い年だ!僕の名前はレント・ルイス!改めてよろしく!」
自己紹介をした後、僕らは軽い世間話をしながら街の様子が変じゃないか見渡していた。
「この後どこか行く予定はあるか?」
「え?ないけど、」
「それじゃあ緑葎総合病院に行くぞ」
「ちなみにだけど…なんで?」
「そこの院長の戌井 誡(いぬい かい)は今までで様々な病気やウイルスの治療法を見つけているとてつもない人だ。今回のウイルスも、何か解決法を見つけているかもしれない。」
「確かに…でも、そんな人が僕らみたいな子供の相手なんてするかな?」
「そこは向こうで説得をする。俺に任せろ。」
ズンズンと進むルイクの背中が、幼い頃に憧れた父の背中のように逞しく思えた。
緑葎総合病院に着くと、レントは目を丸くした。今までに見たことがない大きさの病院が、目の前に鎮座していた。
緊張しているレントを気にすることもなく、ルイクは病院内へ入っていった。レントも、少し気持ちを落ち着かせた後中へ入ってみると、早速ルイクは受付の看護師と何やら話し込んでいた。
「ですので!どうしても医院長と会ってお話をしたいんです!」
「すみませんが…イネルティアの生徒だとしてもお通しする訳にはいかないのです。」
ルイクは苛立ちながらも頭を必死に回転させているように見えた。すると、ハッとしたように一瞬目を見開き、よそ行きの顔で先程とは打って変わって落ち着いて発言した。
「聞いていませんか?今日アマミ学園長の伝言を預かった生徒が来ると。」
「あっ、アマミ学園長…!?すぐに確認します。」
看護師はその名を聞いた途端、急いでどこかに連絡をした。数分後、何文かメモした紙を懐に入れ深呼吸した。
「確認できました。先程は失礼いたしました。」
「いいんですよ。それで、院長はどこへ?」
「12階の院長室におられます。」
「ありがとうございます。それでは!」
と説得が終わったところで、レントもルイクに続いて行こうとしたが看護師に止められてしまった。
「な、なんで同伴者の僕はダメなんですか!!」
「言いにくいのですが…院長が動物アレルギーな為、動物や獣人の方は院長室にお通しすることが出来ないのです。」
呆気にとられているレントにルイクは哀れみの目を向けエレベーターへ乗り込んだ。
ルイクは深呼吸をし、自分を落ち着かせようとする。エレベーター内には同乗している看護師の微かな呼吸音と機械音だけが響いていた。だが、上の階に上がるにつれて新たな音が響く。
ルイク自身の呼吸音だった。緊張に加え、学園長からの罰はどんなものか、本当に話をして頂けるのか、そんな事を考えるにつれて呼吸が荒くなる。そしてついに、エレベーターは12階に止まった。
その瞬間、荒かった呼吸も落ち着き逆に冷静になっていた。看護師に案内され、院長室の前まで来た。重苦しい雰囲気に気押されそうになるが、ここまで来たからには引き返せない。
ノックをし、少し重たく感じるドアを開けた。そこには如何にも高価に見える椅子に腰掛けている戌井が居た。
「初めまして。この緑葎総合病院院長の戌井だ。遠慮せずに座ると良い。」
ルイクは少しぎこちなく椅子に座る。戌井は微笑んでいるが、どこか怪しんでいるような目線を送っているようにも感じた。
少しの沈黙の後、戌井が口を開く。
「さて…アマミが私のところに生徒を送る時は必ず先に連絡をしてくるのだが、君は何が目的でここに来たんだい?」
一気に空気が冷たくなる。親しみのある表情から尋問をする刑事のような気難しさを感じさせる表情へと変わった。
有意義なものになって欲しい交渉が今、始まりを告げた。
「そういえばさ、僕達自己紹介してない?」
「確かにそうだな。俺からしよう。俺の名前はルイク・ミセリア。17歳だ」
「え!同い年だ!僕の名前はレント・ルイス!改めてよろしく!」
自己紹介をした後、僕らは軽い世間話をしながら街の様子が変じゃないか見渡していた。
「この後どこか行く予定はあるか?」
「え?ないけど、」
「それじゃあ緑葎総合病院に行くぞ」
「ちなみにだけど…なんで?」
「そこの院長の戌井 誡(いぬい かい)は今までで様々な病気やウイルスの治療法を見つけているとてつもない人だ。今回のウイルスも、何か解決法を見つけているかもしれない。」
「確かに…でも、そんな人が僕らみたいな子供の相手なんてするかな?」
「そこは向こうで説得をする。俺に任せろ。」
ズンズンと進むルイクの背中が、幼い頃に憧れた父の背中のように逞しく思えた。
緑葎総合病院に着くと、レントは目を丸くした。今までに見たことがない大きさの病院が、目の前に鎮座していた。
緊張しているレントを気にすることもなく、ルイクは病院内へ入っていった。レントも、少し気持ちを落ち着かせた後中へ入ってみると、早速ルイクは受付の看護師と何やら話し込んでいた。
「ですので!どうしても医院長と会ってお話をしたいんです!」
「すみませんが…イネルティアの生徒だとしてもお通しする訳にはいかないのです。」
ルイクは苛立ちながらも頭を必死に回転させているように見えた。すると、ハッとしたように一瞬目を見開き、よそ行きの顔で先程とは打って変わって落ち着いて発言した。
「聞いていませんか?今日アマミ学園長の伝言を預かった生徒が来ると。」
「あっ、アマミ学園長…!?すぐに確認します。」
看護師はその名を聞いた途端、急いでどこかに連絡をした。数分後、何文かメモした紙を懐に入れ深呼吸した。
「確認できました。先程は失礼いたしました。」
「いいんですよ。それで、院長はどこへ?」
「12階の院長室におられます。」
「ありがとうございます。それでは!」
と説得が終わったところで、レントもルイクに続いて行こうとしたが看護師に止められてしまった。
「な、なんで同伴者の僕はダメなんですか!!」
「言いにくいのですが…院長が動物アレルギーな為、動物や獣人の方は院長室にお通しすることが出来ないのです。」
呆気にとられているレントにルイクは哀れみの目を向けエレベーターへ乗り込んだ。
ルイクは深呼吸をし、自分を落ち着かせようとする。エレベーター内には同乗している看護師の微かな呼吸音と機械音だけが響いていた。だが、上の階に上がるにつれて新たな音が響く。
ルイク自身の呼吸音だった。緊張に加え、学園長からの罰はどんなものか、本当に話をして頂けるのか、そんな事を考えるにつれて呼吸が荒くなる。そしてついに、エレベーターは12階に止まった。
その瞬間、荒かった呼吸も落ち着き逆に冷静になっていた。看護師に案内され、院長室の前まで来た。重苦しい雰囲気に気押されそうになるが、ここまで来たからには引き返せない。
ノックをし、少し重たく感じるドアを開けた。そこには如何にも高価に見える椅子に腰掛けている戌井が居た。
「初めまして。この緑葎総合病院院長の戌井だ。遠慮せずに座ると良い。」
ルイクは少しぎこちなく椅子に座る。戌井は微笑んでいるが、どこか怪しんでいるような目線を送っているようにも感じた。
少しの沈黙の後、戌井が口を開く。
「さて…アマミが私のところに生徒を送る時は必ず先に連絡をしてくるのだが、君は何が目的でここに来たんだい?」
一気に空気が冷たくなる。親しみのある表情から尋問をする刑事のような気難しさを感じさせる表情へと変わった。
有意義なものになって欲しい交渉が今、始まりを告げた。
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