いつだって見られている

なごみ

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低気圧になると偏頭痛が酷くなる。


天気予報では、昨夜から北海道は寒波に見舞われ、大雪警報が発令された。雪はまだしばらく続きそうだ。


子供達を学校へ送り出し、部屋の掃除をしていたら、また玄関のチャイムが鳴った。


インターホンのモニターを見なくてもわかる。義姉の和歌子だ。


息子の和樹の銀行返済期日が迫っているのだ。


和歌子の要求を無視することは出来ないけれど、あれこれと言い訳をして先延ばしをしていた。


ーー殺害方法が決まっていなかったから。


ドアを開けると和歌子が慌てて入り、コートにかかった雪をはらった。


「ああ、寒~い。すごい雪だわね~   今夜は相当積もるわよ」


「あ、あの、お義姉さん、ごめんなさい。
お願いされてた100万円まだ用意できてなくて……」


「えーっ、あなた、今日中に用意するって言ってたじゃないの!  困るわ、今日の午後3時までに振り込むって、和樹と約束してるのよ」


「母の預金は妹の宏美が預かっていて、まだ定期の満期が来ていないから、後で渡すってことになってたんです。でも昨日なんとか説得しました。それで今日定期を解約するって言うので、大谷地まで取りに行かなければいけなくて」


「あなたの銀行口座に振り込んでもらったらいいじゃないの。こんな大雪の日に大谷地まで行くなんて大変だわ」


「お金だけじゃなくて、他にも渡したいものがあるって言われて。妹は仕事が忙しくて、今日しか時間が取れないらしくて」


「そう、わかったわ。じゃあ、すぐに行きましょう。今からなら十分間に合うわ」


「道が悪いでしょうから、うちの車だしますね。お義姉さん、ベンツに傷がついたら嫌でしょう」


「そうね、じゃあ、お願いするわ」


 湿った雪が絶え間なく降り続いている。


今朝、雪かきしたばかりの玄関にもう10㎝ほど積もっていた。


 車庫に入り、車にエンジンをかけた。


ワックスも、洗車さえもあまりしていない我が家の日産ノートは艶がなく、みすぼらしかった。


義姉は用心深くて、助手席ではなく、後部座席へ座った。


住宅街を通り抜け、国道5号線に出る。


渋滞しているわけではないが、この雪だと大谷地までは30分以上かかりそうだった。


フロントガラスに吹き付ける重い雪で、ワイパーが鈍く軋んだ音を立てている。


「ごめんなさいね、清美さん。こんな天気の日に。でも本当に助かるわ~   和樹にも二度とこんなことのないようにきつく言っておいたから。また、お礼にお寿司ご馳走するわね」


「ええ、あそこのお寿司美味しかったですね。なんか、食べ物の話をしたらお腹空いちゃったな。朝ごはんを食べてなくて」


「そう?   じゃあ、帰りになにか奢るわよ」


「えっ、いいんですか?   実はずっと行きたかったイタリアンのお店があって、妹の家の近くなんですけどそこでもいいですか?」


「ええ、いいわよ。どんなところか行ってみたいわ」



















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