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広大な宇宙
しおりを挟む「そうだな、ごめん。じゃあ、星座の中で一番好きなのはなんだい?」
智紀はとても大人だ。
感情的になることがあまりない。いつも穏やかで人に寛容なのだ。
まるで私の我儘さえも楽しんでいるかのように。
「うーん、、オリオン座かな? 星座のことはよくわからないの。私が見つけられるのは北斗七星とオリオン座くらいだもん」
「マジか。それは選択肢がなさすぎだろ。オリオン座は冬の星座だから、今はみられないね。ハクチョウ座はわかる?」
「えー、、わからない。どこ?」
もう少し、星座の勉強をしてくるのだった。
「あそこに夏の大三角があるだろう。一等星が三つで三角形を作ってる」
智紀が指差す方向に目を凝らす。
「ああ、あれね? 」
一等星は輝きが違うので、夏の大三角形はわりと早くに見つけられた。
「夏の大三角はデネブとアルタイルとベガを結んだ三角形なんだけど、あのデネブがハクチョウの頭の部分でさ、アルタイルとベガの間にある小さな星がハクチョウの尻尾。そうすれば翼を広げてる星も見えてくるだろう?」
あまりにもたくさんの星々が見え過ぎて、混乱してしまう。
「えーっと、、 じゃあ、あれがハクチョウ座なのかな? ハクチョウに見えなくもないけれど、確信は持てない」
「星座表がないと説明が難しいな。カシオペヤなら分かるんじゃないかな。北極星を中心にして、北斗七星の対極にあるWみたいな形の星座」
「じゃあ、北斗七星の向かい側ってこと?あ、わかった。見つけた! あれね!」
なんとなくWの形に似ている星座がみえた。
「星が固まっているから見つけやすいだろう。カシオペヤ座なら北極星にも近いし、一年中見られるよ」
「ふーん、見つけられる星座が増えるって嬉しいね。ありがとう」
なんとなく私も、天体観測が趣味になっちゃうかも。
「見つけやすい星座を元にして辿れば、他の星座も探しやすくなるよ」
「来る前に勉強してくるんだったわ。でも、星座がわからなくても感動する。こんなにきれいな星空をみたのって初めてよ。あっ! いま流れ星がみえたよ!」
ほんの一瞬だったけれど、確かに星が流れてみえた。
「うん、これからもっとたくさん見えるはずだよ」
智紀の言ったとおり、いくつかの流星が短い弧を描いては消えていった。
無言のまま、神々しいまでに壮大な宇宙の広がりに息をのむ。
宇宙はなんて静寂で美しいのだろう。
ーーー宇宙人って本当にいるのかな。
何億光年の彼方の向こうで、彼らもこうして星空を見上げているのだろか。
地球を照らす太陽は、どんな輝きを放って彼らの目に届いているのだろう。
彼らはいま、幸せだろうか。
彼らも切ない思いで星空を見上げ、星に願いを込めているのだろうか。
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