魔王の息子は勇者になって無双します

もちもち

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勇者無双

第一話 勇者と猫

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「お前には、ここで死んでもらう。」
突然そう告げられ、とまどった顔をしている
「なぜですか父上!」
「お前には、魔族の王になる才能がないからだ。」

これは、魔族の住む、魔界にある
魔族の頂点に値する『魔王』が身を置いている魔王城にて
魔王の息子、双子の兄ガイルが殺害を宣言されたところだった。
「才能がないって…これでも魔族の王にふさわしくなる為に、努力してきたつもりです。」
「ああ、それは承知の上でだ。」
「ではなぜ!」
「お前の弟、セイラが才能の塊だからだ。あいつの方が俺の後を継ぐのにふさわしい魔力の持ち主だ。」
「でも、僕が兄です。王になる資格はあるはずだ!」
「現王が決めたことは絶対だ。王の後継者が決まった以上、もう片方の候補は消えてもらうのが掟なのだ。だからお前はもうこの世界には必要ない。」
「ちょっと待ってください父上!まだ聞きたいことが山ほど…」
その言葉を発する間もなく、メラの体は黒く焼け焦げていた。
右手に大きな火の玉を掲げながら、魔王は不敵に笑っていた。

「あれ…ここは…」
「久しぶりの客だね…それも普通じゃなさそうだ。」
「えぇ…うう‥」
「ちょっと待ってておくれ、今治してあげる。」
そこにいたものは手のようなものをかざすと、みるみるうちにメラの体の傷は回復していった。
「なんだよ、地獄とやらじゃないのか?」
「あれ、君は知らないのかい。」
ミラは目を開けるとそこは霧がかった場所にいた。
壁のようなものは何もなく、永遠に続いてるかのように感じた。
「おーい、気づいてないのか?」
「ん…誰だ」
「おお、知らない場所で知らない者に話しかけられてもあまり驚かないとは、度胸はあるみたいだね。」
「おい、どこにいる。」
「そんな、目の前にいるじゃないか。」
ガイルは目の前をよく見つめてみた。
すると、そこにいたのはピンとはった耳と、長く伸びた尻尾があり、とても小柄な正真正銘の「猫」だった。
「お、おい…からかってんのか?」
「まあ、驚くのも無理はない。それより君はここがどこかも、私が誰かもわかってないのだろう?」
「あ、ああ。」
「まずは説明するよ。」
「君は生まれてから悪魔界を出たことがないのだろう?悪魔界の外には君の知らない世界が広がっている。つまり魔族以外にも種族はたくさんいる。」
「は、はあ」
「まあいいだろう、説明に移るよ。この部屋のことだね、この部屋は神族しか入ることを許されない神聖なる部屋だ。」
「神族だと?父上から聞いたことがある。神族と魔族は敵対しあっていると。そうだとしたらなぜ魔族の俺がこの部屋にいる?なぜ魔族の俺と平然と話しているんだ?状況が全く理解出来ない…」
「まあまあ、落ち着きたまえ。もう一つこの部屋には特別な事がある。この部屋に来た者には、特別な使命が与えられた。とゆうことだ。」
「は?特別な使命…ってなんだよ。」
「それは…君が勇者になる事だ。」
「…?聞き間違いか?」
「いいや、本当だ。だが君は魔王の息子だ、そして勇者の使命は魔王を倒すこと。無理を言ってるのは分かるが、君がここに来た理由…君は魔王に殺されたんだろう?その心の内には、弟に負け、悔しいと思ってるはずだ。だからこそ君はこの部屋に送られた、そして大きな使命を課されたのだ。」
「いや、じゃあお前は何者なんだ?」
神族だと名乗る猫は少しため、悩んだ顔をして言った。
「んー、教えることは止められてたんだが…わかった。君には教えないと分かってもらえなさそうだし、気に入ったよ。私は。シュウというものだ。まあ正確に言うと神族ではないが、神族の加護を受けているものだ。この姿には理由があってな、まだ言えないんだ。私はこの部屋に来たものを導く役目を任されている。君の質問には答えたいんだが、まずは、なるか、ならないかだ。君が違う運命を歩むことを決めたのならば、のちのちわかってくるだろう。」
「そうか、じゃあならないといったら?」
「その時は、君は完全に消滅する。どうする?消えるくらいなら一度試してみないか?自分の力を。」
「…いいだろう、乗ってやるよ。その話。」
「おお!ありがたい。下の世界に行ったらまずするべきことは、6聖人に会いに行こう。今から君に勇者の力を与える。だがその力を開放するには6聖人の秘術を受ける必要がある。そのために城下町で準備を整えるんだ。」
「ああ、大体理解した。俺が魔王城にたどり着く頃には弟ミラが魔王になっているだろう。どうせ死んだ身だ、行ける所まで行ってやる‥俺の名前はガイル。よろしくな、シュウ。」
「そうか、ガイル、君には今から人間とゆう種族に見た目を変える。前勇者は人間だったからな。…のためにも、な。」
「ん?なにかいったか。」
「いや、なんでもないさ。」
「六聖人の顔や何処にいるかなどは私にもわからない、もしかしたら最初は君を疑う者も出て来るだろう。だが君なら乗り越えられると信じてる。じゃ、これから勇者の力を与えよう。」
シュウはそう口にすると、キシンの肩に飛び乗り、大きな扉を出現させた。
「ここから先は厳しい戦いになるだろう。君の無事を祈る。」
「ああ。」
ガイルはそう口にすると扉の中へ飛び込んでいった。
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