チートな親子と変な仲間たち

ais

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ある不運

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クリティカルブラストのメンバーはセレファイスの町から西にある森にたどり着いた。
林業者の溜まり場がある小屋に足を運びワイバーンの居場所と体の大きさを聴取すると笑い出す。

「岩山で戦ったワイバーンの方が大きいみたいね」
「ああこれは余裕だな」

その言葉に林業者も声を上げて喜ぶ。
では夜は宴を開きましょうと前祝いを林業者が用意する。酒を飲んで食べてをしたメンバーは夜深くまで遊び翌日の昼前に体力万全でワイバーンの居る場所に案内される。

木が拓ひらけた場所にワイバーンが寝ており前日の聴取の通り岩山で倒したワイバーンより幾分か小型だった事に頬が緩む。

「よし!」
とまた大声を出しメンバーはワイバーンに走り出す。
ワイバーンは顔を上げ人間が自分に襲いかかろうとしている姿を確認すると魔力を羽に集め飛び立つ

「なっ… 飛んだ!?」
「セス!魔法で落として!」
と魔法使いのセスに頼むがセスの魔法〈ファイヤーボール〉は全く当たらない。

ワイバーンは目を細め笑ったような顔をすると上空で息を吸い込み口から炎を吐き出す
「あ… ああっ… !!」
「あつ!!熱い!!」
と炎に包まれ逃げるクリティカルブラストの面々の背中にワイバーンは突撃をして行く。
声なく弾かれ倒れ、背中をワイバーンの鉤爪て切り裂かれ、くちばしで突かれして逃げ惑う。

愚かな人間を嘲笑いワイバーンは元に居た場所に着地してまた眠りに入ろうとしていた。格下の人間などどうでも良く今は無理に起こされた事による眠たさがワイバーンに満ちていていてすぐに寝息を立てだした。

クリティカルブラストのメンバーは火傷と傷に倒れ様子を遠くから見ていた林業者の人間達に助けられた。
林業者の落胆は凄く、宴まで開いたのにと愚痴る者もいた。
クリティカルブラストの面々のダメージは大きく林業者がスグにセレファイスの町に救援を呼びに行き回復魔法使いを引き連れ戻る頃には騎士ビリーの息は無かった。

急いで馬車に生き残ったメンバーを乗せ回復に当たると共にセレファイスの町に運ぶ。
クリティカルブラストの依頼失敗と宴の接待を受けた事を報告されギルドマスターは頭を抱えて悩む事になる。

クリティカルブラストの不運はまだ続く。
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