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Another side4 佐藤勇人
しおりを挟むなんと言うか
「死んでんな」
王都に出て、最初に口から出た言葉はそれだった。
クロードの苦笑いが目に入った。
「あ、悪い」
「いいんだ、事実だから。
これでも昔は貿易都市として、とても繁栄していたんだよ」
フードの下で懐かしむように、でもとても悲しそうに目を細めるクロードに罪悪感を抱くが、そうとしか形容できなかった。
王都でありながら、人が見当たらない街並み。通り過ぎる数少ない人々はみんな人生を諦めたような目をしていた。
ああ、そう言えば勇者のお披露目パレードの時もこんな感じだったな。
俺を褒め称えるのはまるまる肥えた貴族ばかりで、市民は呆れたような迷惑そうな目を向けてきたっけな。
「これも魔族のせいなのか?」
客のいないカフェに入り、クロードに尋ねる。
「......違うよ」
返ってきたのは意外な答えだった。
クロードは口付けたカップをゆっくりとソーサーに戻すと、俺に目線を合わせた。
碧色の瞳の奥に彼の無念の情を垣間見た気がした。
「この国が貧しくなったのも全部、魔族を追い出したからなんだ」
人間を苦しませている魔族を倒すために呼ばれたはずの、俺。
しかし、目の前の人間は魔族がいなくなったから苦しくなったという。
「僕の父と母は、魔族との共存を望んだがために反魔族派の貴族たちに殺された。
今の王は僕の父上の弟にあたる人で、魔族の撲滅を望んでいる」
なるほどね。クロードは先代の忘形見ということか。
どうりで王族貴族のクロードに対する態度が冷淡で、彼には護衛すらつかないわけだ。
だが、魔族を追い出したからこそ国が疲弊したとはどういうことだ。
魔族は滅ぼすべき対象だから俺が呼ばれたんじゃないのか。
そんな俺の疑問を感じ取ったのであろう。クロードは言葉を続けた。
「僕らは人間ではない者達のことを総じて魔族と呼び差別してきた。
悪いことが起これば魔族のせいにし、討伐を試みた。
けれど、彼らはとても強かった。個々の能力が人間の何倍も優れているからね。
その能力の高さを思い知ってから、次第に彼らと戦うことをやめ共存することを望む国もでできた。
そして魔族と共存することを決意した国はどんどん発展していった。
魔族はこちらから手を出さない限り侵略してくることはないし、森の奥深くにしか生えていない薬草など非常に価値が高いものを提供してくれたんだ。
そうして交易が栄え、国はどんどん豊かになった。アーヴェスト王国なんかはその代表例だね。
それなのに、この国は王族貴族の地位が下がるのを恐れて魔族を1人残らず追い出した。
お陰さまで大陸で要を担っていた交易も他国にどんどん追い抜かれ、今では貧乏王国まっしぐらというわけさ。
他国に逃げる人も多くなって、納められる税がガクンと減った。
そのことに焦った王族貴族は、民が逃げられないようにしたあげく、彼らを助けることもせずにただ税を搾取した。
こうしてこの国の国民はどんどん疲弊していった。
今の国民はみんな王族を憎んでいるんじゃないかな。
国を支えてくれている民が目の前で苦しんでいるのに、何もしてやれない。
何が王族だよ。過去の栄光に縋って現実を見ようとしない。
ほんと無力な自分が情けなくて仕方が無いよ......」
硬く握りしめられた拳には、赤い液体がつうっと走っていた。
「そうか」
それしか言えなかった。
クロードの苦しみは良く理解できた。
けれど、申し訳ないが俺の一番の優先事項は彼女と再会すること。
見知らぬ世界で王国に身柄を確保されている今、彼女に会うためには奴らに従うしかないのだ。
「悪い。
俺はどうしても彼女に会いたいんだ。
そのためならば魔族を殺すことも厭わない」
「うん。わかっているよ。
ユウトがどれほどその人を愛しているかも。
でも、一度僕の提案を聞いて欲しいんだ」
クロードはそう言って、誰にも聞かれないように俺の耳元に顔を寄せ、提案を口にした。
それを聞いて、ニッと自分の口角があがるのを感じた。
「もちろん、君が彼女と再会するために尽力することを約束する」
「悪くねぇ。
その作戦乗った」
「本当かい⁉︎
ありがとう!」
クロードはこの国で唯一召喚したことを詫びてきた人間だ。
彼女と再会を果たすまで奴のために動いてみるのも悪くない。
俺達はその場でもう一度、硬く握手をした。
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ノアールさんが悪いやつじゃなかったら多分この世の殆どの知性体が悪いやつじゃない気がする(・ω・)
ありがとうございます!
彼にもいろいろあるのです😫
私が遅筆なばかりに.......
是非、彼の内側がわかるまで気長にお待ちください(><)
更新ありがとうございます😊
次回も楽しみです!
無理せず頑張ってください!!
ありがとうございます!
明日も更新するので、是非暇つぶしに読んでください〜🥰
昨夜見つけて読み始めてはまりました。ものすごくおもしろくて一気に読んでしまいました。
リヴちゃんのかわいさはもちろん心の中の声が大爆笑です。ハクトもかわいいし、もう最高!!
これから冬本番ですのでお体お気をつけてくださいね。更新は気長に待っております。
末永く続けていただけると嬉しいです。応援しています。
ありがとうございます!
コロナで時間ができたので、少しでも皆さんの暇つぶしになれるよう頑張って書きます!
明日もまた更新いたしますので、よろしくお願いします!