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帰ってきたけれど
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出会ってから半年ほど経っただろうか。ひとり街を歩いていると、ソウタとばったり出会したのだ。
「ソウタさん?」
「ああ、ミツキくんだ。あれ、仕事中じゃないですよね?」
「今はかまいませんよ。そういえば、ソウタさん、ケガしたんですって?」
「へえ、さすが警察。情報早いなあ」
そう言って振った左手に火傷の跡があった。少し前に大きな火事があって、燃える家から出てきた人を助けた……らしい。らしいというのが不思議なことで、その人は連れていかれた病院でとりあえずの手当てを受けるとすぐに行方不明になったからだ。残ったのは死体が二つ、住んでいた夫婦と思われる。そして同居する十代の子供の行方がわかっていない。
「あの人、【大丈夫】だといいんだけど」
「探してはいるんですが……」
「そうかあ……」
「あなたが気に病むことはありませんよ」
その人や家庭の事情はわからないが、ソウタはいきがかりの通行人としてすべきことをした。それ以上に重く責任を考えることはないと思う。
「うん、リッちゃんにも言われた。……リッちゃんも元気だよ。下手すると夜ご飯、板チョコ一枚ですまそうとするけど」
「はははは、変わってないな」
「ええ、昔からそうなの? ……リッちゃんがあんなにでっかく成長できたのはミツキくんのおかげだなあ」
「おれのほうもあいつがいてよかったですよ。奇言持ちを怖がらないで付き合ってくれたんで」
ミツキがそれなりに普通の学生としていられたのは、隣にリツがいたからだ。一緒にバカな話をして、勉強もして、そんな普通の学生生活を送れたのはいい友人のおかげだった。
「あはは、リッちゃんらしいね。そうだ、ヒナくんは?」
今日、ヒナギはミツキの後ろをくっついてきていなかった。
「あー……あいつは謹慎中で」
「へ? 何かしたの?」
「不用意に奇言を使ったんですよ。その、ケガした子に『痛みを捨てろ』って……」
何度か事件の相談に駆り出されることがあり、そこそこ真面目に仕事をしていたのでミツキも警戒が緩んでいたのはある。ともかく、彼は深く考えずに奇言を使い、しばらく自宅から出るなと命じられたわけだ。
「うーん、でも、その子を心配してでしょ?」
「善意でも人を殺せます。痛いはずの時に痛みがないのは、逆に危険なこともあるんですよ。それをまったく考えず、うかつなことをするなって話です」
「まあなあ……高レベルだとそうなのかも知らんな。でも、良いことしようとしたんだろ。あんまり責めてやんないで」
「……善処します」
「ありがとさん。……ミツキくんはよく考えて奇言を使ってるってことだもんな。偉いな」
それは嫌味ではなく、素直な言葉だった。
「自分の力の使い方を知ってる、すごい人だ。怒ったのだってヒナくんのためだろ? みんなのために頑張ってるんだもんなあ」
「そんな、ことは……」
頬がかっと熱くなるのを感じる。
「リッちゃんが今度、ミツキくんたち遊びに来ないかって言ってたよ」
にこやかに誘う顔が、自分だけのものではないとわかっていても好ましかった。できることならもう一度おれだけを呼んでその顔を見せてほしかった。リツからの伝言ではなく、ソウタからの言葉として誘ってほしい。そんな欲に気付き、口を結ぶ。そして、何も思うところがないように気楽に聞いた。
「……そうですか。なら、今度、お邪魔してもいいですか?」
「うん、待ってるよ」
そしてちょうど一年前。ソウタが消えてから三年が経ったときのこと。
「リツ、裏切るつもりか」
自分でも想像できないほど怖い声が出た。リツがそっと目を伏せる。
「ごめん。もう待ってるのが辛いんだ。ソウタさんに捨てられたんじゃないかって」
リツがヒナギと付き合うことにしたと聞き、頭が真っ白になった。ソウタを捨てるのか。好きな人を忘れるのか。そんなことがあっていいはずがないのに。そう思う一方、三年もよく待ったなという気持ちもあってわからなくなる。その苛立ちを、リツにぶつけてしまった。
「ソウタさんがおまえを捨てるはずがないだろう」
「でも、もう疲れちゃったんだよ……」
リツがそっと、ソウタと撮ったスマホの画像を閉じた。それでもう、あの日常は戻ってこないのだと納得してしまった。
「ミツキさん、リツは……」
「ヒナギ、おまえが」
これ以上リツを責めることもできず、怒りの矛先をヒナギに変える。そもそもヒナギが籠絡したんだろう。リツの家に頻繁に通っていたのだって、最初から狙ってのことだったんじゃないか。ソウタがいなくなって内心喜んでいたんだろう。
「オレは……リツの生活が荒れるのが見てられなかった。リツはオレが人を傷つけたことを知って、それでも今のオレは【捨て】たもんじゃないと言ってくれた。……好きになってしまったんだ。ソウタさんには恨まれると思う。怒られても仕方ない。それは、覚悟している……」
なにが覚悟だと言いたいのをぐっと噛んでこらえる。ミツキだって、リツがここ三年、食べられてない、眠れてない、仕事以外に何もしようとしていないのを知っている。もう三年だ。待っている身としては短くない時間だった。
そんなことがまるで昨日のように思える。ソウタがいなくなって四年、ほんとうに帰ってきたというのか。そのうちリツからまた電話があって、近くの病院に運ばれたことがわかった。出血は多かったが自分で止血した痕があり、命に別状はないとのことだ。
「ミツキ、こっち……」
聞いた病棟、リツに呼ばれて行けば病室のベッドにソウタが横たわっていた。ずいぶんやつれている。包帯に包まれて、左手首から先がなかった。何か事件に巻き込まれたのではないかと思っていたが、こうして目の当たりにすると、後悔してもしきれない。
「ソウタさん」
呼びかけるとソウタがゆっくりと目を開けた。すぐそこにいたリツを捉える。
「……リッちゃん?」
「よかった。ソウタさん、よかった……」
リツはない左手を握りしめて泣いた。ほっとした。これから自分たちのことをどう説明したらいいかなどと考える前に、とにかくソウタが生きていてよかった。涙に続いて鼻水が垂れてくる。
「……リツ、ほら」
ヒナギがそっとティッシュを差し出し、リツが素直に受け取って鼻を噛む。
「うん。帰ってきたあ、よかったあ……」
「ヒナくんも。それと、ミツキくん……」
「ああ。とにかく、生きていてよかった。……何があったかわかりますか?」
「わからない……覚えてないんだ。ずっと帰りたいって思ってて……」
覚えてないだと? 奇言か? 聞いてもソウタは困惑の混じった悲しそうな顔をするだけだった。この四年の記憶があまりないようだ。長い間、どこかにいたというのがぼんやりわかっているだけらしい。
「……すみません。休んでください、もう大丈夫ですから」
「リッちゃんは、俺がいなくても元気だった?」
どう言えばいいのか、一瞬、躊躇ってからリツは答える。
「……うん、大丈夫だよ。心配しないで」
「そうかあ……よかったあ……」
とはいえリツにできることはなく、病院から一旦、家に帰ることにした。ソウタの帰ってくる場所を無くしてしまった後悔が重かった。家の前に、見慣れぬ男が立っている。ずいぶん若い男だ。ヒナギより下、まだ十代か。顔は暗くてよく見えない。傷がある? その男がじっとこっちを見て、にこにこと笑っていた。
「へえ、ソウタさんが言ってたのはキミだね? 時雨リツさん」
名前を呼ばれ、警戒する。警戒すべき相手だと思った。
「ソウタさんはどこかな? 迎えにきたんだけど」
「あなたは誰ですか。……ソウタさんとどんな関係で」
「ソウタさんの恋人だよ。【痛い】ほどに愛し合っていた。だから返してよ」
「……知りません」
「えー、嘘つくとひどいよ? ……まあいいや。また来るからね」
そう言い捨てるとすぐに背を向けてどこかへ帰っていく。彼が何者なのか、何を考えているのか、あまり良い想像ができなかった。スマホをとって、すぐにミツキの名前を押す。出るまでの時間が長く感じられ、あの男が戻ってくるんじゃないかとすら思った。
「リツ?」
「ミツキ、変な奴がいた」
出た途端、一息に状況を話す。あの男が怖かった。
「男だ、若い男。ソウタを探している。ぼくのことも知っていた」
「ソウタさん?」
「ああ、ミツキくんだ。あれ、仕事中じゃないですよね?」
「今はかまいませんよ。そういえば、ソウタさん、ケガしたんですって?」
「へえ、さすが警察。情報早いなあ」
そう言って振った左手に火傷の跡があった。少し前に大きな火事があって、燃える家から出てきた人を助けた……らしい。らしいというのが不思議なことで、その人は連れていかれた病院でとりあえずの手当てを受けるとすぐに行方不明になったからだ。残ったのは死体が二つ、住んでいた夫婦と思われる。そして同居する十代の子供の行方がわかっていない。
「あの人、【大丈夫】だといいんだけど」
「探してはいるんですが……」
「そうかあ……」
「あなたが気に病むことはありませんよ」
その人や家庭の事情はわからないが、ソウタはいきがかりの通行人としてすべきことをした。それ以上に重く責任を考えることはないと思う。
「うん、リッちゃんにも言われた。……リッちゃんも元気だよ。下手すると夜ご飯、板チョコ一枚ですまそうとするけど」
「はははは、変わってないな」
「ええ、昔からそうなの? ……リッちゃんがあんなにでっかく成長できたのはミツキくんのおかげだなあ」
「おれのほうもあいつがいてよかったですよ。奇言持ちを怖がらないで付き合ってくれたんで」
ミツキがそれなりに普通の学生としていられたのは、隣にリツがいたからだ。一緒にバカな話をして、勉強もして、そんな普通の学生生活を送れたのはいい友人のおかげだった。
「あはは、リッちゃんらしいね。そうだ、ヒナくんは?」
今日、ヒナギはミツキの後ろをくっついてきていなかった。
「あー……あいつは謹慎中で」
「へ? 何かしたの?」
「不用意に奇言を使ったんですよ。その、ケガした子に『痛みを捨てろ』って……」
何度か事件の相談に駆り出されることがあり、そこそこ真面目に仕事をしていたのでミツキも警戒が緩んでいたのはある。ともかく、彼は深く考えずに奇言を使い、しばらく自宅から出るなと命じられたわけだ。
「うーん、でも、その子を心配してでしょ?」
「善意でも人を殺せます。痛いはずの時に痛みがないのは、逆に危険なこともあるんですよ。それをまったく考えず、うかつなことをするなって話です」
「まあなあ……高レベルだとそうなのかも知らんな。でも、良いことしようとしたんだろ。あんまり責めてやんないで」
「……善処します」
「ありがとさん。……ミツキくんはよく考えて奇言を使ってるってことだもんな。偉いな」
それは嫌味ではなく、素直な言葉だった。
「自分の力の使い方を知ってる、すごい人だ。怒ったのだってヒナくんのためだろ? みんなのために頑張ってるんだもんなあ」
「そんな、ことは……」
頬がかっと熱くなるのを感じる。
「リッちゃんが今度、ミツキくんたち遊びに来ないかって言ってたよ」
にこやかに誘う顔が、自分だけのものではないとわかっていても好ましかった。できることならもう一度おれだけを呼んでその顔を見せてほしかった。リツからの伝言ではなく、ソウタからの言葉として誘ってほしい。そんな欲に気付き、口を結ぶ。そして、何も思うところがないように気楽に聞いた。
「……そうですか。なら、今度、お邪魔してもいいですか?」
「うん、待ってるよ」
そしてちょうど一年前。ソウタが消えてから三年が経ったときのこと。
「リツ、裏切るつもりか」
自分でも想像できないほど怖い声が出た。リツがそっと目を伏せる。
「ごめん。もう待ってるのが辛いんだ。ソウタさんに捨てられたんじゃないかって」
リツがヒナギと付き合うことにしたと聞き、頭が真っ白になった。ソウタを捨てるのか。好きな人を忘れるのか。そんなことがあっていいはずがないのに。そう思う一方、三年もよく待ったなという気持ちもあってわからなくなる。その苛立ちを、リツにぶつけてしまった。
「ソウタさんがおまえを捨てるはずがないだろう」
「でも、もう疲れちゃったんだよ……」
リツがそっと、ソウタと撮ったスマホの画像を閉じた。それでもう、あの日常は戻ってこないのだと納得してしまった。
「ミツキさん、リツは……」
「ヒナギ、おまえが」
これ以上リツを責めることもできず、怒りの矛先をヒナギに変える。そもそもヒナギが籠絡したんだろう。リツの家に頻繁に通っていたのだって、最初から狙ってのことだったんじゃないか。ソウタがいなくなって内心喜んでいたんだろう。
「オレは……リツの生活が荒れるのが見てられなかった。リツはオレが人を傷つけたことを知って、それでも今のオレは【捨て】たもんじゃないと言ってくれた。……好きになってしまったんだ。ソウタさんには恨まれると思う。怒られても仕方ない。それは、覚悟している……」
なにが覚悟だと言いたいのをぐっと噛んでこらえる。ミツキだって、リツがここ三年、食べられてない、眠れてない、仕事以外に何もしようとしていないのを知っている。もう三年だ。待っている身としては短くない時間だった。
そんなことがまるで昨日のように思える。ソウタがいなくなって四年、ほんとうに帰ってきたというのか。そのうちリツからまた電話があって、近くの病院に運ばれたことがわかった。出血は多かったが自分で止血した痕があり、命に別状はないとのことだ。
「ミツキ、こっち……」
聞いた病棟、リツに呼ばれて行けば病室のベッドにソウタが横たわっていた。ずいぶんやつれている。包帯に包まれて、左手首から先がなかった。何か事件に巻き込まれたのではないかと思っていたが、こうして目の当たりにすると、後悔してもしきれない。
「ソウタさん」
呼びかけるとソウタがゆっくりと目を開けた。すぐそこにいたリツを捉える。
「……リッちゃん?」
「よかった。ソウタさん、よかった……」
リツはない左手を握りしめて泣いた。ほっとした。これから自分たちのことをどう説明したらいいかなどと考える前に、とにかくソウタが生きていてよかった。涙に続いて鼻水が垂れてくる。
「……リツ、ほら」
ヒナギがそっとティッシュを差し出し、リツが素直に受け取って鼻を噛む。
「うん。帰ってきたあ、よかったあ……」
「ヒナくんも。それと、ミツキくん……」
「ああ。とにかく、生きていてよかった。……何があったかわかりますか?」
「わからない……覚えてないんだ。ずっと帰りたいって思ってて……」
覚えてないだと? 奇言か? 聞いてもソウタは困惑の混じった悲しそうな顔をするだけだった。この四年の記憶があまりないようだ。長い間、どこかにいたというのがぼんやりわかっているだけらしい。
「……すみません。休んでください、もう大丈夫ですから」
「リッちゃんは、俺がいなくても元気だった?」
どう言えばいいのか、一瞬、躊躇ってからリツは答える。
「……うん、大丈夫だよ。心配しないで」
「そうかあ……よかったあ……」
とはいえリツにできることはなく、病院から一旦、家に帰ることにした。ソウタの帰ってくる場所を無くしてしまった後悔が重かった。家の前に、見慣れぬ男が立っている。ずいぶん若い男だ。ヒナギより下、まだ十代か。顔は暗くてよく見えない。傷がある? その男がじっとこっちを見て、にこにこと笑っていた。
「へえ、ソウタさんが言ってたのはキミだね? 時雨リツさん」
名前を呼ばれ、警戒する。警戒すべき相手だと思った。
「ソウタさんはどこかな? 迎えにきたんだけど」
「あなたは誰ですか。……ソウタさんとどんな関係で」
「ソウタさんの恋人だよ。【痛い】ほどに愛し合っていた。だから返してよ」
「……知りません」
「えー、嘘つくとひどいよ? ……まあいいや。また来るからね」
そう言い捨てるとすぐに背を向けてどこかへ帰っていく。彼が何者なのか、何を考えているのか、あまり良い想像ができなかった。スマホをとって、すぐにミツキの名前を押す。出るまでの時間が長く感じられ、あの男が戻ってくるんじゃないかとすら思った。
「リツ?」
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