シンデレラはみんなにハメられて幸せになりました

蟻と猿の糸つむぎ

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3.……へいか……?んっ (※ディープキス)

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「っ……はぁ、はぁ………ぁ、はぁ、……ん」

「ああ、とても綺麗だ……なんて美しい、妖精が舞い降りてきたようだ」



 私の手を取って、クルクルと軽やかにリードしてくださる宰相様、司祭様、公爵様に侯爵様。王宮に出仕なさっている方々はどの方もとても素敵な殿方ばかりで、私は自己紹介される度に目が回るほどときめいてしまった。

 カドリールに比べて素早く大きく動かなければならないワルツ。足を大きく広げて移動すれば、フリルが翻り、私の隠したかった大切な場所が鏡の床にしっかり映し出されてしまっているだろう。

 顔をぴんと左上に上げて胸を反らした体勢をキープする私にはそれを確認することができないが、私がくるりとターンする度に上がる歓声がそれを裏付けているようで、私はダンスのせいだけではない熱の高ぶりに、はぁはぁとはしたなく息を切らせてしまった。



 くいっ、大きく天井を仰いで首を反らせた私の胸元に、何か激しい息遣いが触れた。

 見れば侯爵様が私の動きに合わせて胸元に屈みこみ、くんくんと胸元の匂いを嗅いでいるではないか!



「あっ?侯爵様?」



 驚きながらもワルツを止めるわけにもいかずステップを踏めば、左の肩甲骨にそっと添えられていた侯爵様の右手が移動して、右の腰までぎゅっと抱き込まれてしまった。



 動きにくい。軽く触れるぐらいがスタンダードであるはずの骨盤がぎゅっと侯爵様の骨盤の下あたりに押しつけられてしまい、侯爵様の体の線が嫌でも強く感じ取れてしまう。





 …………大きな何かが私のお腹の中心にゴリゴリと当たっていて、しかもそれは薄くて軽い水のドレスのせいなのか、まるで素肌に触れられているかのようにリアルに……熱く硬く、だけど少しだけ柔らかい人の肉の感触を、しっかりと私に伝えてきた。

 私はそれに気を取られるがあまり、うっかりステップを間違えてしまった。



「……っごめんなさい、侯爵様」

「いいんだよ。こんな素敵なレディに足を踏んでもらえるなんて、私は幸運さ」



 優しい心づかいに、胸が侯爵様の鼻息だけではない温かさで満たされる。

 そのまま腹部を密着させながら、侯爵様が強引に私を引いてステップを刻んでくださった。

 侯爵様のお顔がなぜかずっと私の胸元にすっぽりとはまりこんでいるせいで、私は緊張して妙に昂っていた。



「はぁ……良い匂いだ。君は、香りまで美しいんだね」



 …………そんなことはない。

 さっきから汗が止まらないし、きっと侯爵様のお顔にも私の汗がついてしまっただろう。

 私は申し訳なさに身を縮めながら、曲の区切りに気づいてくるりとターンをきめ、侯爵様と瞳を合わせて緩々と優雅にお辞儀をした。



「あぁ……やっと私の番だ」



 次に手を取ったのは、国王陛下だった。

 ワルツが終わって次の曲目はゆったりとしたブルースだ。上下運動のあるワルツを踊ったせいで疲れが出てきた体が、流れるように優しい動きによって少しずつ解されていく。

 動きの少ないブルースだからなのか、国王陛下は最初から私にぴたりと下半身を合わせてくっつき、侯爵様の時にも感じたグリグリしたものを私にこすりつけてきた。



「美しい……なんとも美しい首筋の伸びだ。しかし、そんなに高い場所を見ていては天使のような君がどこかへ飛んで行ってしまいそうで心配になるよ。……エル嬢、こちらを向いてはくれないかね」



 国王陛下の呼びかけに応じて基本姿勢を崩して陛下を見上げれば、陛下は深く落ち窪んだ凛々しい瞳に強い熱を込めて私を見つめていた。



「……へいか……?んっ」



 そのまま下りてきた唇に、私は絡めとられてしまった。

 柔らかく温かい陛下の唇の感触…………あぁ。私いま、国王陛下とキスしてるんだ。



 羽のように優しく触れる唇が、ブルースの曲にのってゆっくりゆっくりと積み重ねられていく。私が知らなかっただけで、舞踏会の社交ダンスとはこんなに濃厚なやりとりをするものなのかしら。

 レッスンで習っただけでは分からないことがあるものだと、私は実践の大切さを学んだ。



 ちゅ、ちゅ。衆人環視の中、次第に熱を持ってきたキスがステップの動作によって少しずれてしまう。私の歯がカチリと国王陛下の頬に当たった。

 上手くできない自分が恥ずかしい。だけどそれに気づいた国王陛下は私を咎めるでもなく優しく見つめ返して、進行方向で握っていた左手をそっと私の後頭部へと当てて固定してくださった。



 これでもう、大丈夫。ゆったりのんびりとしたブルースは、最近巷ではチークダンスというより親密さを分かち合うロマンティックなダンスに移行し始めていると聞く。きっと、これがそうなのだろう。確かにとても親密で、胸がドキドキして、気持ちの良いダンスだ。



 がっちりと固定してくださった後頭部のお陰で、私は陛下の唇をより深く堪能することができた。ぴちゅ、ぴちゅ、と吸い付かれるたびに漏れる水音が淫靡で、なんだかおかしな気分になってきてしまう。



「っふ……んむ、へ、か……ぁにゅ、むぅぅ……はぅ、ちゅぅぅう」



 れろれろ、分厚くて滑らかな舌で割り入るような動作に唇を開けば、咥内までぬるぬるに愛撫されて私はとても気持ちよくなってしまった。



 ……あぁ、ステップが踏めない。ぎゅううと抱きしめるように固定された腰が、陛下の動きに合わせてゆらゆらと小さく揺れてはいるものの、これはもうブルースを踊っているうちには入らないだろう。

 どうにかしないと……そう思った時、キスに夢中でどなたなのかはわからなかったが、後ろに立っていた男性が私のお腹に右手を回し、左手をスカートの上から手探りでお尻の下へと差し込んで、グイッと持ち上げてくださった。



 陛下のステップに合わせ、体が進んでいく。地に足がついていないから、私はなされるがままだ。私の体重は後ろの彼の左手にすべてかかってしまっているだろうに、そんなことは感じさせない軽やかなステップに、陛下に塞がれた私の唇から感嘆の溜息が漏れる。



「すこし……体が、火照っているようですね。何曲も続けて踊りましたから、お疲れもあるでしょう。……このまま持っていて差し上げますから、陛下のお次はそこの衛兵隊長殿と、踊って差し上げてくださいね」



 ちゅぱっと可愛らしい音を立てて、陛下の柔らかな唇が離れていく。口の周りが唾液でべとべとになってしまっているのを見て、陛下は最後にぺろぺろと優しくそれを舐め取ってくださった。



「は、はぁ…………ぁ、えいへ、たいちょ、様……んちゅッ!ぷ、ぁっはげしッ」



 後ろの男性から奪い取るように私のお尻を片手で掴み上げた衛兵隊長様が、後頭部に手を回して齧り付くように唇を奪っていった。荒々しく燃えるように熱い情熱的なディープキスに、私は掴まれたお尻がじんじんと熱を持ち始めたことに気がついた。

 後ろの男性は離れたかと思いきや、まだ私のダンスの補助をしてくださるようで、私のお腹から胸下へとずり上がった右手をそのままに、空いた左手はなんと、私のお胸の上にそっと置き直した。

 さすがに驚いて抵抗しようとしたが、前にいる衛兵隊長様の体が私にぴったりとくっついているせいで、後ろの男性の手を抜き取ることもできない。ブルースもまだ続いているし、キスが激しすぎてステップも踏めないので、なんだかむずむずして恥ずかしいけれど、そのまま補助をしてもらうしかない。



「んッ、ちゅ、ちゅぱっんむぅ」



 くりゅくりゅ、ちゅくちゅく。くちゃくちゃ。

 衛兵隊長様の舌が私の咥内をかき乱す。舌を絡め合って押し付け合ってお互いの粘膜を堪能した後、上口蓋をべろりと舐め上げられた。そこからまた舌、舌べらの付け根の部分に入り込んで、唾液線をグリュグリュと執拗に押されるせいで、私の口からはかき乱されて少し粟立った唾液が溢れるように零れ出てしまった。



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