43 / 152
第二章 動き出す
マヌムン
しおりを挟む
「オーラ。調子はどうや?」
朝食を食べ終え部屋でゆったりしていると昨日の医者がやって来た。
「はい、おかげさまで傷の痛みもそれほどありません。ありがとうございます」
「ほうか。じゃ、包帯変えるから脱いで」
医者が白衣の裾ををぱたぱた上下に揺らされたので、言われた通りに脱ぐ。
邪魔にならないように腕を上げ、医者が慣れた手つきで包帯を取るのを眺めていると腰辺りにフワッとした感触がした。猫だ。昨日のように邪魔はしないらしく大人しく座って医者を見ている。
ガーゼを剥がしたところで医者が驚いたような顔をした。
「どうしたんですか?」
「ワシも長いこと医者をやっていたが、ここまで治りが早いのは初めてや。見てみ」
「?」
傷跡に視線を下ろすとオレも医者と同じく驚いた。傷が小さくなっている。
傷の端のところは薄く色が変わっているが何処も生々しい肉は見えず、残っている傷にも薄くではあるが皮が張っていた。
「ザラメの薬すげー」
最早魔法の薬だ。
「いやいや、あれは単なる痛み止やさかい、新陳代謝を上げることはせん。しかし、うん。この分だと明日にはもう動けるようになるな。湯浴びももう大丈夫やろ」
消毒をしてガーゼをテープで固定して処置は終了。
「ほな、また明日な」
そう言って医者は去っていった。
扉が閉まり足跡が遠ざかると試しに体を動かしてみる。
ゆっくり動かしてももう引きつったりもしない。ちょっと乱暴に体を捻ると少しだけ痛むくらいだ。
「日常生活くらいなら全然余裕だな」
動きを確認して顔を上げると、机の上に置いてあった瓶が消えていた。
不思議に思い視線をずらすと、床に落ちた瓶から転がり出たザラメを食べる猫の姿。
「!?」
慌てて駆け寄り猫を抱き上げてベッドへと放った。
「バッカ!!お前…これは薬!!お前のお菓子じゃねーの!!」
残ったザラメを拾い、瓶の中身を確認すると、既に半分消えていた。
猫を見る。
なんでもなかったかのようにベッドの上で毛ずくろいをしている。
「…………薬、こんなに食べて大丈夫なのか?」
ちょっと心配で猫にそっと手を出すと邪魔をするなという風に尻尾で叩かれた。
イラッとした。
「もう知らん!」
机の上に置いておくと危険と分かったので引き出しの中に仕舞う。
これで勝手に食べられることは無いだろう。
しかし、暇だな。
窓から外を見てみると林が広がっていた。
それほど深くはないが、舗装された所はなく、自然そのままである。
何か面白いものは無いかと目を凝らすと遠くの方で黒く光る靄が見えた気がした。
といっても一瞬の事だったので、もう一度確認したときには靄は跡形もなく無くなっていた。
「んー?」
場所が変わったのかと探していると、後ろから扉の開く音が聞こえて振り返る。そこには猫にじゃれつかれているアウソがいた。
アウソが足元の猫を抱き上げこちらへとやって来る。
「お医者さんから聞いたぞ。もう湯浴び出来るんだってな!」
「ああ、もう大丈夫って言われました」
「近くに良いユヤがあるばーて、一緒に行かん?」
「ユヤ?」
「湯浴み出来るところ」
銭湯的な所か?
「行く」
◇◇◇
軽く荷物を纏めて腰の鞄へ入れ、黒木刀擬きを持っていこうかしばし迷って、いつ何があるか分からないので念の為とベルトに差した。
「………」
問題は猫だが。
「……置いていくか」
銭湯に猫連れていってもと思って置いていくことにした。
留守番よろしくと皿に水を入れてから部屋を出る。しばらく扉の前で中の様子をうかがうと、しばらく扉付近でウロウロしていた気配がしていたが、その内諦めたのか扉の前から気配が消えた。
よし、行こう。
先程の食堂前でアウソと合流。
「お待たせしました」
「じゃあ行くか」
食堂を通り過ぎ、ギルド受付前を通ろうとしたところで、何やら人が溢れ返っていて通れない。
なんだ?
「マヌムンが出たらしいさ。だから、うり」
「ん?」
アウソが指差す方向に紺色の頭を発見。あのアホ毛はカリアだ。
さすがはジャイアントクォーツだ、女性なのにムキムキ率の高い人混みから頭1つ分飛び抜けている。
ちなみにジャイアントクォーツはジャイアント、巨人の血が4分の1入っている人種。巨人の血が2分の1入っているのはジャイアントハーフと呼ばれていて、背は巨人種程ではないが物凄く高く、寿命も長いんだとか。
「もしかしてキリコさんもあそこ?」
「せいかーい。あの二人は戦闘狂だからさ、おかげで今日はまったりできるばーよ」
やれやれといった風にアウソが肩を回す。
その背中に何やら布が巻かれた長い棒のような物があった。
「さ、見つかる前に移動するぞ。見付かったら連れていかれるからな」
見失うなよと言ってアウソは人混みが薄いところへと突入したので、それを追って慌てて突入した。
朝食を食べ終え部屋でゆったりしていると昨日の医者がやって来た。
「はい、おかげさまで傷の痛みもそれほどありません。ありがとうございます」
「ほうか。じゃ、包帯変えるから脱いで」
医者が白衣の裾ををぱたぱた上下に揺らされたので、言われた通りに脱ぐ。
邪魔にならないように腕を上げ、医者が慣れた手つきで包帯を取るのを眺めていると腰辺りにフワッとした感触がした。猫だ。昨日のように邪魔はしないらしく大人しく座って医者を見ている。
ガーゼを剥がしたところで医者が驚いたような顔をした。
「どうしたんですか?」
「ワシも長いこと医者をやっていたが、ここまで治りが早いのは初めてや。見てみ」
「?」
傷跡に視線を下ろすとオレも医者と同じく驚いた。傷が小さくなっている。
傷の端のところは薄く色が変わっているが何処も生々しい肉は見えず、残っている傷にも薄くではあるが皮が張っていた。
「ザラメの薬すげー」
最早魔法の薬だ。
「いやいや、あれは単なる痛み止やさかい、新陳代謝を上げることはせん。しかし、うん。この分だと明日にはもう動けるようになるな。湯浴びももう大丈夫やろ」
消毒をしてガーゼをテープで固定して処置は終了。
「ほな、また明日な」
そう言って医者は去っていった。
扉が閉まり足跡が遠ざかると試しに体を動かしてみる。
ゆっくり動かしてももう引きつったりもしない。ちょっと乱暴に体を捻ると少しだけ痛むくらいだ。
「日常生活くらいなら全然余裕だな」
動きを確認して顔を上げると、机の上に置いてあった瓶が消えていた。
不思議に思い視線をずらすと、床に落ちた瓶から転がり出たザラメを食べる猫の姿。
「!?」
慌てて駆け寄り猫を抱き上げてベッドへと放った。
「バッカ!!お前…これは薬!!お前のお菓子じゃねーの!!」
残ったザラメを拾い、瓶の中身を確認すると、既に半分消えていた。
猫を見る。
なんでもなかったかのようにベッドの上で毛ずくろいをしている。
「…………薬、こんなに食べて大丈夫なのか?」
ちょっと心配で猫にそっと手を出すと邪魔をするなという風に尻尾で叩かれた。
イラッとした。
「もう知らん!」
机の上に置いておくと危険と分かったので引き出しの中に仕舞う。
これで勝手に食べられることは無いだろう。
しかし、暇だな。
窓から外を見てみると林が広がっていた。
それほど深くはないが、舗装された所はなく、自然そのままである。
何か面白いものは無いかと目を凝らすと遠くの方で黒く光る靄が見えた気がした。
といっても一瞬の事だったので、もう一度確認したときには靄は跡形もなく無くなっていた。
「んー?」
場所が変わったのかと探していると、後ろから扉の開く音が聞こえて振り返る。そこには猫にじゃれつかれているアウソがいた。
アウソが足元の猫を抱き上げこちらへとやって来る。
「お医者さんから聞いたぞ。もう湯浴び出来るんだってな!」
「ああ、もう大丈夫って言われました」
「近くに良いユヤがあるばーて、一緒に行かん?」
「ユヤ?」
「湯浴み出来るところ」
銭湯的な所か?
「行く」
◇◇◇
軽く荷物を纏めて腰の鞄へ入れ、黒木刀擬きを持っていこうかしばし迷って、いつ何があるか分からないので念の為とベルトに差した。
「………」
問題は猫だが。
「……置いていくか」
銭湯に猫連れていってもと思って置いていくことにした。
留守番よろしくと皿に水を入れてから部屋を出る。しばらく扉の前で中の様子をうかがうと、しばらく扉付近でウロウロしていた気配がしていたが、その内諦めたのか扉の前から気配が消えた。
よし、行こう。
先程の食堂前でアウソと合流。
「お待たせしました」
「じゃあ行くか」
食堂を通り過ぎ、ギルド受付前を通ろうとしたところで、何やら人が溢れ返っていて通れない。
なんだ?
「マヌムンが出たらしいさ。だから、うり」
「ん?」
アウソが指差す方向に紺色の頭を発見。あのアホ毛はカリアだ。
さすがはジャイアントクォーツだ、女性なのにムキムキ率の高い人混みから頭1つ分飛び抜けている。
ちなみにジャイアントクォーツはジャイアント、巨人の血が4分の1入っている人種。巨人の血が2分の1入っているのはジャイアントハーフと呼ばれていて、背は巨人種程ではないが物凄く高く、寿命も長いんだとか。
「もしかしてキリコさんもあそこ?」
「せいかーい。あの二人は戦闘狂だからさ、おかげで今日はまったりできるばーよ」
やれやれといった風にアウソが肩を回す。
その背中に何やら布が巻かれた長い棒のような物があった。
「さ、見つかる前に移動するぞ。見付かったら連れていかれるからな」
見失うなよと言ってアウソは人混みが薄いところへと突入したので、それを追って慌てて突入した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは《竜族語》
レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。
※30話程で完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる