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#16
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#16
「学校...行こっか」
結花は文字通り一晩中泣いていた。和希は寝ずにずっと結花のそばにいた
「体調は大丈夫?」
「まだ頭が少し痛い」
「休んだ方が良いんじゃない?」
「今日は文化祭の事決めなきゃいけないから、休めないよ」
うちの学校の文化祭は他校と比べても規模が大きく例年大きな盛り上がりをみせている。結花は文化祭委員でかなり力を入れているのは和希も知っていた
「そういえばそうだったな」
とは言え僕も文化祭委員だ、正直やりたくなかったが結花に半強制的にやらされてしまったという訳だ
「もー和希興味なさ過ぎ!」
「ほら、準備して行くよ」
無理にでも学校へ行こうとする結花
「あっ!」
立ち上がった途端に足元がふらついて床に手をついた
「やっぱり今日は休んだ方が...」
結花のおでこに手を当てた
「熱っ、やっぱり休んで」
「う...うん」
結花は素直にベットに横たわった。
「和希は学校に行って」
「でも...」
「ただいま、結花もう行った?」
結花のお母さんが帰って来た。和希が焦っていると
「大丈夫だよ」
結花はそう言って微笑む
「もしかして、和希君?」
「は..はい。この前はすみませんでした」
和希は深くお辞儀をした
「こちらこそ、結花を助けてくれて本当にありがとうございます」
予想外の言葉に頭を上げる
「ごめん和希、二人だけの秘密って言ったのに。私話しちゃったんだ」
「あっ、それより今は結花を」
「もー大丈夫!だから早く学校行こ、和希」
「そっ..そっか」
和希は結花のお母さんにもう一度お辞儀をしてから結花と一緒に学校へ向かった。
「文化祭何しよっか?」
駅のホームで電車を待っていると、結花が言い出した
「そうだなー、やっぱり食べ物とかは多いのかな?」
「私ずっと憧れてたのがあるんだよね」
「ソフトクリーム屋さんだろ」
「えっ!?嘘っ、どうして知ってるの?」
「この前、ソフトクリーム屋さんの店員さんのこと楽しそうに見つめてたから」
「そっか、バレちゃってたんだ」
「ずーっと憧れてたんだ、ソフトクリーム屋さんの店員」
「なんかきっかけとかあったの?」
「小学生の時、いじめられてたのは知ってるでしょ」
「うん」
「一度だけね、耐えきれなくて学校を抜け出したことがあったの。とにかく学校から離れたくて走って走って疲れて止まった時に偶然目の前にソフトクリーム屋さんがあって、吸い込まれるようにお店に入ったの。そしたら店員さんが優しく声をかけてくれて」
「うん」
和希は相槌をうちながら話を聴いた
「私何て言えば良いのか分からなくて泣いちゃったの。泣き止まない私を見て店員さんがいちご味のソフトクリームをくれて、話を聴いてくれた。それが嬉しくて、誰にも言えなかったのにその時は嘘みたいに言葉が出てきて止まらなかった」
「優しい人だったんだね」
「でもさー、文化祭でソフトクリーム屋さんってなんか地味じゃない?」
夢から覚めたみたいに話を戻す結花
「まあ他のクラスと被りそうだよね」
「あっ、電車来たよ」
運良く席が二つ並んで空いていた、そこに二人は座ってお喋りを続ける
「あそこに座ってるの結花だよね?」
遠くから声が聞こえて振り向く。
声の正体は同じクラスの女子二人だった。和希が見るとすぐに目を逸らした。
「バレちゃうのも時間の問題かもね」
和希以外に聴こえないように耳元で囁いた。
「バレても一緒にいてくれる?」
結花は和希にそっと寄って手を重ねた
「もう...バラしちゃおっか?」
「僕は..」
「冗談だよっ!ずっと二人だけの秘密だよっ!」
悪戯に笑う結花を可愛く思っていると、学校の最寄り駅に着くアナウンスが流れた
「着いちゃったね」
結花は少し残念そうに言った。
「じゃあ一旦お別れだね」
「また後でな」
「うん」
二人は付き合ってることがバレないように駅からは別々に歩いて学校に向かっている。
「今日は文化祭のクラスの出し物決めるから、ここらから文化祭委員にバトンタッチするから」
「じゃあ早速だけど、なんかこれやりたーいって人いたら教えて」
結花は率先して司会を担当して話を進めていく。
結花のコミュ力の凄さを実感しながら、出た案を黒板に書いていく。
「和希は?何か案とかある?」
チョークの動きが止まる。
「ソフトクリーム屋さんとか...」
「良いね!それ!」
他の案よりも明らかに良い反応をする。
そんな感じで集まった案を眺めてから
「いっぱい集まったから纏められるやつは纏めちゃおっか」
似たものを纏めていく
「みんな、これでどう?」
良い感じに話が進んで、投票で決める事になった
"メイドカフェとソフトクリーム屋さん"
"お化け屋敷と謎解き"
"カジノとダーツ"
この三つから選んで投票する
「えっと..メイドカフェとソフトクリーム屋さんが、19人で、お化け屋敷と謎解きが9人でカジノとダーツが8人っと..」
集計を終えると、結花は誰にもバレないように僕に微笑んだ
「じゃあメイドカフェとソフトクリーム屋さんに決定ってことで良いかな?」
ぴんぽーんぱーんぽーん
授業終了のチャイムが鳴る。
「じゃあここまで!」
手についたチョークの粉を軽く振り払った
「ありがとね」
僕に近づいてそう言ってから結花は席に戻った。僕も黒板を消してから席に戻る。
放課後
「文化祭のステージやる曲どうしよっか?」
今朝、結花が言った文化祭の事というのはクラスの出し物だけではない、文化祭のステージで演奏する曲も決めだ
「せっかくなら新しい曲やりたいよねー」
雪奈が言うと
「だよねー」
夜羽も同調した
「優斗は?」
「僕も新しいのがやりたい」
「僕もー」
和希も同調した。
「満場一致!じゃあ次は曲決め...といきたい所だけど、時間的に今日はここまでだね」
気がつくと部活終了の時間になっていた。
「私この後予定あるからバイバイ」
結花がみんなに手を振って颯爽と学校を飛び出して行った
「僕もバイトあるからバイバイ」
「私もバイトあるんだよねー」
優斗と夜羽もそれぞれのバイト先に向かって行った。
「学校...行こっか」
結花は文字通り一晩中泣いていた。和希は寝ずにずっと結花のそばにいた
「体調は大丈夫?」
「まだ頭が少し痛い」
「休んだ方が良いんじゃない?」
「今日は文化祭の事決めなきゃいけないから、休めないよ」
うちの学校の文化祭は他校と比べても規模が大きく例年大きな盛り上がりをみせている。結花は文化祭委員でかなり力を入れているのは和希も知っていた
「そういえばそうだったな」
とは言え僕も文化祭委員だ、正直やりたくなかったが結花に半強制的にやらされてしまったという訳だ
「もー和希興味なさ過ぎ!」
「ほら、準備して行くよ」
無理にでも学校へ行こうとする結花
「あっ!」
立ち上がった途端に足元がふらついて床に手をついた
「やっぱり今日は休んだ方が...」
結花のおでこに手を当てた
「熱っ、やっぱり休んで」
「う...うん」
結花は素直にベットに横たわった。
「和希は学校に行って」
「でも...」
「ただいま、結花もう行った?」
結花のお母さんが帰って来た。和希が焦っていると
「大丈夫だよ」
結花はそう言って微笑む
「もしかして、和希君?」
「は..はい。この前はすみませんでした」
和希は深くお辞儀をした
「こちらこそ、結花を助けてくれて本当にありがとうございます」
予想外の言葉に頭を上げる
「ごめん和希、二人だけの秘密って言ったのに。私話しちゃったんだ」
「あっ、それより今は結花を」
「もー大丈夫!だから早く学校行こ、和希」
「そっ..そっか」
和希は結花のお母さんにもう一度お辞儀をしてから結花と一緒に学校へ向かった。
「文化祭何しよっか?」
駅のホームで電車を待っていると、結花が言い出した
「そうだなー、やっぱり食べ物とかは多いのかな?」
「私ずっと憧れてたのがあるんだよね」
「ソフトクリーム屋さんだろ」
「えっ!?嘘っ、どうして知ってるの?」
「この前、ソフトクリーム屋さんの店員さんのこと楽しそうに見つめてたから」
「そっか、バレちゃってたんだ」
「ずーっと憧れてたんだ、ソフトクリーム屋さんの店員」
「なんかきっかけとかあったの?」
「小学生の時、いじめられてたのは知ってるでしょ」
「うん」
「一度だけね、耐えきれなくて学校を抜け出したことがあったの。とにかく学校から離れたくて走って走って疲れて止まった時に偶然目の前にソフトクリーム屋さんがあって、吸い込まれるようにお店に入ったの。そしたら店員さんが優しく声をかけてくれて」
「うん」
和希は相槌をうちながら話を聴いた
「私何て言えば良いのか分からなくて泣いちゃったの。泣き止まない私を見て店員さんがいちご味のソフトクリームをくれて、話を聴いてくれた。それが嬉しくて、誰にも言えなかったのにその時は嘘みたいに言葉が出てきて止まらなかった」
「優しい人だったんだね」
「でもさー、文化祭でソフトクリーム屋さんってなんか地味じゃない?」
夢から覚めたみたいに話を戻す結花
「まあ他のクラスと被りそうだよね」
「あっ、電車来たよ」
運良く席が二つ並んで空いていた、そこに二人は座ってお喋りを続ける
「あそこに座ってるの結花だよね?」
遠くから声が聞こえて振り向く。
声の正体は同じクラスの女子二人だった。和希が見るとすぐに目を逸らした。
「バレちゃうのも時間の問題かもね」
和希以外に聴こえないように耳元で囁いた。
「バレても一緒にいてくれる?」
結花は和希にそっと寄って手を重ねた
「もう...バラしちゃおっか?」
「僕は..」
「冗談だよっ!ずっと二人だけの秘密だよっ!」
悪戯に笑う結花を可愛く思っていると、学校の最寄り駅に着くアナウンスが流れた
「着いちゃったね」
結花は少し残念そうに言った。
「じゃあ一旦お別れだね」
「また後でな」
「うん」
二人は付き合ってることがバレないように駅からは別々に歩いて学校に向かっている。
「今日は文化祭のクラスの出し物決めるから、ここらから文化祭委員にバトンタッチするから」
「じゃあ早速だけど、なんかこれやりたーいって人いたら教えて」
結花は率先して司会を担当して話を進めていく。
結花のコミュ力の凄さを実感しながら、出た案を黒板に書いていく。
「和希は?何か案とかある?」
チョークの動きが止まる。
「ソフトクリーム屋さんとか...」
「良いね!それ!」
他の案よりも明らかに良い反応をする。
そんな感じで集まった案を眺めてから
「いっぱい集まったから纏められるやつは纏めちゃおっか」
似たものを纏めていく
「みんな、これでどう?」
良い感じに話が進んで、投票で決める事になった
"メイドカフェとソフトクリーム屋さん"
"お化け屋敷と謎解き"
"カジノとダーツ"
この三つから選んで投票する
「えっと..メイドカフェとソフトクリーム屋さんが、19人で、お化け屋敷と謎解きが9人でカジノとダーツが8人っと..」
集計を終えると、結花は誰にもバレないように僕に微笑んだ
「じゃあメイドカフェとソフトクリーム屋さんに決定ってことで良いかな?」
ぴんぽーんぱーんぽーん
授業終了のチャイムが鳴る。
「じゃあここまで!」
手についたチョークの粉を軽く振り払った
「ありがとね」
僕に近づいてそう言ってから結花は席に戻った。僕も黒板を消してから席に戻る。
放課後
「文化祭のステージやる曲どうしよっか?」
今朝、結花が言った文化祭の事というのはクラスの出し物だけではない、文化祭のステージで演奏する曲も決めだ
「せっかくなら新しい曲やりたいよねー」
雪奈が言うと
「だよねー」
夜羽も同調した
「優斗は?」
「僕も新しいのがやりたい」
「僕もー」
和希も同調した。
「満場一致!じゃあ次は曲決め...といきたい所だけど、時間的に今日はここまでだね」
気がつくと部活終了の時間になっていた。
「私この後予定あるからバイバイ」
結花がみんなに手を振って颯爽と学校を飛び出して行った
「僕もバイトあるからバイバイ」
「私もバイトあるんだよねー」
優斗と夜羽もそれぞれのバイト先に向かって行った。
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