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第7話:信仰って、だいたい政治なんですってさ
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今日も朝から、花が咲いた。
正確には、私が通った後の花壇で、季節外れの花が咲き乱れた。
誰もが「さすが聖女様……!」と感動していたけれど、私からすれば「えっ、また勝手に生えたの!?」である。
ここ数日、私の“そばにいるだけで何かが起こる”率が上がってきている気がする。
これ、いよいよ本人の意志関係ない神託マシーンになってない? 大丈夫?
そんなある日、司教会からお達しが届いた。
差出人は、大教会の上層部。いわゆる「信仰を管理する人々」である。
クラリスが震える手でその書状を読み上げるのを聞きながら、私は「どうせ面倒なやつだろうな……」と直感で察していた。
『聖女マリア殿におかれましては、その奇跡の証により、我が国の信仰的威信を代表する存在と認められ……』
ほらきた。
『つきましては、来月の大教会間信仰交流会議において、当国代表としてご出席いただきたく……』
はい出た、外交の道具扱い。
「つまり要約すると、“お前、神様やってるんだからそろそろ国益に貢献しろ”ってことね」
ライオネルは腕を組みながら言った。相変わらずツッコミの精度が高い。
彼の横では、クラリスが「名誉ですね……!」と輝いていた。ええ、そういう立ち位置なのは知ってる。
「で、その“交流会議”って何? 聖女たちで座談会でもするの?」
「ほぼ当たりだな。各国の“聖女”と呼ばれる存在が一堂に会して、神意の一致性や平和的連携について協議する。……という建前の、宗教外交会議だ」
「うわ~重たいなぁ~私そういうの苦手なんだけどなぁ~(棒)」
「なお、今回は“東方の聖女”が初参加とのことだ」
その言葉に、少しだけ場の空気が変わった。
クラリスが「……あ」と小さく呟き、ライオネルの眉がほんのわずかに動く。
「……東方の?」
「エレオノーラ=アーデルハイト。貴族出身、王政直轄の聖女。
信仰的には本筋の正教会派、教義に厳しく、奇跡も数件確認済み。……かなりの実力者だ」
名前を聞いた瞬間、何か胸がざわついた。
聞いたことのない名前なのに、“物語の本筋が動き出す”ような、不思議な予感がする。
「……その人、信仰深そうだね」
「問題は、“深すぎる”という噂もあることだ。
あまりに理想を追求しすぎて、他宗派や異端に対する姿勢が……冷たい、とも言われている」
つまり、こういうことだ。
“信じてないけど信じられてる偽聖女”である私が、
“信じてるからこそ疑いもする真聖女”と、顔を合わせる。
ねえ神様、そろそろクライマックス早くない?
私まだ、普通に布団で寝たいんですけど。
──というわけで。
来月、私は異国の“真の聖女”と呼ばれる人物に会いに行くことになった。
降りたくて仕方ない聖女の座に、さらに“本物”がやってくる。
この先、どうなるかなんて――
たぶん、神様すら知らない。
正確には、私が通った後の花壇で、季節外れの花が咲き乱れた。
誰もが「さすが聖女様……!」と感動していたけれど、私からすれば「えっ、また勝手に生えたの!?」である。
ここ数日、私の“そばにいるだけで何かが起こる”率が上がってきている気がする。
これ、いよいよ本人の意志関係ない神託マシーンになってない? 大丈夫?
そんなある日、司教会からお達しが届いた。
差出人は、大教会の上層部。いわゆる「信仰を管理する人々」である。
クラリスが震える手でその書状を読み上げるのを聞きながら、私は「どうせ面倒なやつだろうな……」と直感で察していた。
『聖女マリア殿におかれましては、その奇跡の証により、我が国の信仰的威信を代表する存在と認められ……』
ほらきた。
『つきましては、来月の大教会間信仰交流会議において、当国代表としてご出席いただきたく……』
はい出た、外交の道具扱い。
「つまり要約すると、“お前、神様やってるんだからそろそろ国益に貢献しろ”ってことね」
ライオネルは腕を組みながら言った。相変わらずツッコミの精度が高い。
彼の横では、クラリスが「名誉ですね……!」と輝いていた。ええ、そういう立ち位置なのは知ってる。
「で、その“交流会議”って何? 聖女たちで座談会でもするの?」
「ほぼ当たりだな。各国の“聖女”と呼ばれる存在が一堂に会して、神意の一致性や平和的連携について協議する。……という建前の、宗教外交会議だ」
「うわ~重たいなぁ~私そういうの苦手なんだけどなぁ~(棒)」
「なお、今回は“東方の聖女”が初参加とのことだ」
その言葉に、少しだけ場の空気が変わった。
クラリスが「……あ」と小さく呟き、ライオネルの眉がほんのわずかに動く。
「……東方の?」
「エレオノーラ=アーデルハイト。貴族出身、王政直轄の聖女。
信仰的には本筋の正教会派、教義に厳しく、奇跡も数件確認済み。……かなりの実力者だ」
名前を聞いた瞬間、何か胸がざわついた。
聞いたことのない名前なのに、“物語の本筋が動き出す”ような、不思議な予感がする。
「……その人、信仰深そうだね」
「問題は、“深すぎる”という噂もあることだ。
あまりに理想を追求しすぎて、他宗派や異端に対する姿勢が……冷たい、とも言われている」
つまり、こういうことだ。
“信じてないけど信じられてる偽聖女”である私が、
“信じてるからこそ疑いもする真聖女”と、顔を合わせる。
ねえ神様、そろそろクライマックス早くない?
私まだ、普通に布団で寝たいんですけど。
──というわけで。
来月、私は異国の“真の聖女”と呼ばれる人物に会いに行くことになった。
降りたくて仕方ない聖女の座に、さらに“本物”がやってくる。
この先、どうなるかなんて――
たぶん、神様すら知らない。
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