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第七章 決戦と真実
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アルノルト様が王都へ戻られて、まだ数日。
辺境伯領は早くも、再び不穏な空気に包まれていた。
最果ての森は沈黙を取り戻したはずだった。
だが、斥候が持ち帰る報告は日ごとに重みを増していく。
「森の奥で、不自然な群れの動きが見られます」
「群れを率いる影がいた。……魔物ではなく、魔族かと」
その言葉に、会議の場はひときわ張り詰めた。
将たちの顔は険しく、誰もが口にはせずとも同じ未来を思い描いていた。
――再び、大規模戦が来る。
私は卓上の地図を見つめ、震える手を握りしめた。
スタンピードの光景はまだ瞼の裏に残っている。
焼け落ちた塔、押し寄せる群れ、兵の悲鳴。
そして、結界の中心で立ち尽くしたカイの背中――。
あの痩せ細った姿を思い出すたびに胸が軋む。
だが今の彼は違う。
体調に問題はないようで、毎朝の軍の鍛錬にも変わらず参加している。
剣を振るうたび、兵たちの視線が自然と集まり、背筋が伸びる。
それを見るたびに安堵する。
もう、あの時のように崩れ落ちる彼ではない、と。
「リシェル」
父の声が響いた。
青の瞳が射抜くように私を見つめる。
「また戦になる。だが恐れるな。お前には副官がいる」
その言葉の意味は、痛いほど分かっている。
父はカイのことを指しているのだ。
忠義を尽くす影。幼い頃から私の隣にいた存在。
――彼を失うことだけは、もう耐えられない。
それでも、戦は待ってはくれない。
奥歯を噛み締め、顔を上げる。
「……必ず、領地を護ります」
声は震えていなかった。
だがその裏で、心は嵐のように荒れ狂っていた。
辺境伯領は早くも、再び不穏な空気に包まれていた。
最果ての森は沈黙を取り戻したはずだった。
だが、斥候が持ち帰る報告は日ごとに重みを増していく。
「森の奥で、不自然な群れの動きが見られます」
「群れを率いる影がいた。……魔物ではなく、魔族かと」
その言葉に、会議の場はひときわ張り詰めた。
将たちの顔は険しく、誰もが口にはせずとも同じ未来を思い描いていた。
――再び、大規模戦が来る。
私は卓上の地図を見つめ、震える手を握りしめた。
スタンピードの光景はまだ瞼の裏に残っている。
焼け落ちた塔、押し寄せる群れ、兵の悲鳴。
そして、結界の中心で立ち尽くしたカイの背中――。
あの痩せ細った姿を思い出すたびに胸が軋む。
だが今の彼は違う。
体調に問題はないようで、毎朝の軍の鍛錬にも変わらず参加している。
剣を振るうたび、兵たちの視線が自然と集まり、背筋が伸びる。
それを見るたびに安堵する。
もう、あの時のように崩れ落ちる彼ではない、と。
「リシェル」
父の声が響いた。
青の瞳が射抜くように私を見つめる。
「また戦になる。だが恐れるな。お前には副官がいる」
その言葉の意味は、痛いほど分かっている。
父はカイのことを指しているのだ。
忠義を尽くす影。幼い頃から私の隣にいた存在。
――彼を失うことだけは、もう耐えられない。
それでも、戦は待ってはくれない。
奥歯を噛み締め、顔を上げる。
「……必ず、領地を護ります」
声は震えていなかった。
だがその裏で、心は嵐のように荒れ狂っていた。
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