没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第7章 魔獣の季節襲来

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城に戻ると、戦果報告のための会議が開かれていた。父レオポルト、祖父ディートフリート、リヒャルト、イルマ、そして私。祖父が重い声で口を開くと、皆の視線が私に向いた。

「まずは――勝利を讃えよう。しかし、あの新兵器だ。王都に入れば疑念を招く。下位領地が独自に兵器を持つのは、よくない」

「どうしてですか?」と私は問い返す。祖父は眉を寄せ、理由を説明した。

「武器の発明や大技は、本来、王家や序列上位の領地が管理するものだ。下位領地がそれを造れば、謀反の芽と見られるだろう」

沈んだ空気が流れる中、リヒャルトが顔を上げ、静かに提案を切り出した。

「大威力の常用は問題です。ですが、運用方法を限定すれば領内での使用は可能だと思います。具体的には、威力を抑えた“杖装填型”を主軸にして、杖を持つ者のみ運用可能とする。そうすれば『戦略兵器』とは見なされにくくなります」

理路整然とした説明に、場の緊張が少し和らぐ。

「文官クラスでも扱える程度に抑えれば、報告不要で領内運用ができます。素材の消耗や弾薬の問題はありますが、下位貴族が中位攻撃を扱えるようになれば、領地防衛力は確実に上がります」

祖父はゆっくりとうなずいた。

「うむ。騎士団で運用基準を作り、騎士の手薄な部署――村落護衛や巡回の護身用に配備するなら、充分有用だ。新兵器ではなく“護身具”として位置づけよう」

イルマも頷き、「騎士としては、過度な破壊力を常用するより統制された装備の方が使いやすい」と続けた。

父はにこにこと笑い、肩の力を抜くように言った。

「王都にわざわざ報告はしないよ。だが、もし噂で漏れて責められたら――僕が考案したことにしておく。好きにやれと言ったのは僕だし、責任は僕が取るからね」

放任に見える父の言葉に、胸の奥がじんと暖かくなる。父が私の背を本当に支えてくれているのを、改めて知った。

最後にリヒャルトが運用の細目を示す。

「弾薬は素材が限られるので、常用はできません。切り札用に在庫を分け、低コスト弾は鍛錬用に回します。運用記録は騎士団で厳格に管理し、外部に漏れないようにしましょう」

祖父が総括した。

「新兵器は切り札として管理し、騎士団で運用規定を整える。下位貴族配備は護身用ラインに留める。これで行こう」

私は深く息をつき、拳を握りしめた。

「分かりました。領地を守るために、制度としてきちんと整えます。暴発を防ぐための管理と教育を徹底します」

父は穏やかに笑い、祖父は厳しくも安堵したように頷いた。リヒャルトの現実的な案と、父と祖父の支えがあって、私は改めて覚悟を固めることができた。
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