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「この程度の依頼で、いいんですか?」
ギルドで書類を受け取ったリュカは、思わずそう尋ねた。
受付嬢は、微笑みながら首を横に振る。
「シズナさんの同行がないからって、あなたを信頼してないわけじゃないよ。
でも最初は、肩慣らしから。ね?」
「……はい」
依頼内容は、街道沿いにある小さな村での見回りと、出現した魔物の駆除。
危険度は低く、魔力量の多いリュカにとっては、実質“片手間”で終わる仕事だった。
***
村に到着すると、顔をのぞかせた子供たちが「お兄ちゃんだー!」と駆け寄ってきた。
「あっ、前に助けてくれた人だ!」「魔法のお兄ちゃん!」
「……えっと、こんにちは」
慣れていないせいでぎこちない挨拶になるが、子供たちは気にしない。
「これ、村のおばあちゃんからの差し入れだよ!」
手渡されたのは、焼きたての小さなパン。
湯気が立っていて、甘い匂いがした。
リュカは、そのまま村の見回りに出た。
森から出てきた小型の魔物は、氷の魔法で即座に処理。
その腕前に、村の男たちが目を見張る。
「すげえな……やっぱ魔法使いって、頼りになるなあ」
「前の騒ぎの時も、あの人、戦ってたって聞いたぜ」
そんな言葉が背中に届いた。
恐れではなく、信頼の視線。
リュカはそれを、静かに胸の奥にしまった。
***
夜。
村の裏手で、リュカはふと、異質な“気配”に気づいた。
草むらの奥――
目を凝らすと、そこにいたのは一匹の魔物。
だが、それは何かを“監視する”ようにじっと動かず、こちらを見ていた。
「……偵察か」
その存在が、ただの獣ではないと気づくのに、時間はかからなかった。
呼吸が浅くなる。
(――誰かが、動いている)
リュカは、指先に魔力を込めた。
だが、その魔物は、気配に気づいた瞬間、煙のように姿を消した。
***
朝。
村を出る前、老人がひとつぶの果実を差し出した。
「お礼だよ。食べな。あんたのおかげで、今夜は安心して眠れた」
その笑顔を見て、リュカは小さく会釈する。
(こんなふうに、誰かの助けになれるなら――)
その背に、ふとシズナの言葉が蘇る。
「あなたが、自分で動いたから。“ありがとう”って返ってきたんだよ」
リュカは果実を胸元のポーチに収めて、歩き出した。
まだ見えない敵がいる。
けれど――自分は、もう恐れてばかりじゃいられない。
ギルドで書類を受け取ったリュカは、思わずそう尋ねた。
受付嬢は、微笑みながら首を横に振る。
「シズナさんの同行がないからって、あなたを信頼してないわけじゃないよ。
でも最初は、肩慣らしから。ね?」
「……はい」
依頼内容は、街道沿いにある小さな村での見回りと、出現した魔物の駆除。
危険度は低く、魔力量の多いリュカにとっては、実質“片手間”で終わる仕事だった。
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「あっ、前に助けてくれた人だ!」「魔法のお兄ちゃん!」
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「これ、村のおばあちゃんからの差し入れだよ!」
手渡されたのは、焼きたての小さなパン。
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森から出てきた小型の魔物は、氷の魔法で即座に処理。
その腕前に、村の男たちが目を見張る。
「すげえな……やっぱ魔法使いって、頼りになるなあ」
「前の騒ぎの時も、あの人、戦ってたって聞いたぜ」
そんな言葉が背中に届いた。
恐れではなく、信頼の視線。
リュカはそれを、静かに胸の奥にしまった。
***
夜。
村の裏手で、リュカはふと、異質な“気配”に気づいた。
草むらの奥――
目を凝らすと、そこにいたのは一匹の魔物。
だが、それは何かを“監視する”ようにじっと動かず、こちらを見ていた。
「……偵察か」
その存在が、ただの獣ではないと気づくのに、時間はかからなかった。
呼吸が浅くなる。
(――誰かが、動いている)
リュカは、指先に魔力を込めた。
だが、その魔物は、気配に気づいた瞬間、煙のように姿を消した。
***
朝。
村を出る前、老人がひとつぶの果実を差し出した。
「お礼だよ。食べな。あんたのおかげで、今夜は安心して眠れた」
その笑顔を見て、リュカは小さく会釈する。
(こんなふうに、誰かの助けになれるなら――)
その背に、ふとシズナの言葉が蘇る。
「あなたが、自分で動いたから。“ありがとう”って返ってきたんだよ」
リュカは果実を胸元のポーチに収めて、歩き出した。
まだ見えない敵がいる。
けれど――自分は、もう恐れてばかりじゃいられない。
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