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第2章 幼なじみ
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文通だけが、私の支えだった。
王都で囁かれる噂に心を削られるたび、銀の鷹を刻んだ封蝋の手紙を握りしめた。
短く、真っ直ぐな言葉。
――またいらしてください。
――あなたが来れば、私は嬉しい。
その一言一言が、孤独に沈みかけた心を引き上げてくれた。
(だから……ここまで来られた)
馬車の車輪が土を踏む音が遠くに響いた時、胸の奥に懐かしい感覚が蘇った。
辺境伯領。
澄んだ空気と、どこか温もりを含む風。王都の重苦しさとはまるで違う。
「……おかえり、アメリア!」
鋭い声に顔を上げる。
馬上にいたのは――銀の髪、緑の瞳の少年。いや、もう「少年」と呼ぶのは違う。
ユリウスだった。
六年ぶりに会う彼は、背丈も伸び、肩も広くなっていた。
かつては幼さの残る顔立ちだったのに、今は凛々しく、まさしく騎士の卵そのもの。
(……大きくなった)
帯剣する姿も、昔のように「お飾り」ではなかった。
剣は確かに使い込まれていて、彼が日々鍛錬と実務に励んでいることを物語っていた。
馬から降り立ったユリウスが駆け寄ってくる。
息を呑むほどの真剣な眼差しで、彼は私の前に立ち、ためらいもなく手を差し伸べてきた。
「……本当に、戻ってきてくれてよかった」
その言葉は、かつて手紙で幾度も見たはずなのに、耳で聞いた瞬間、胸の奥にずしんと響いた。
私はそっと、その手を取った。
懐かしい温もりと共に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
(やっぱり……この場所は、優しい)
辺境伯領の空気と、ユリウスの真っ直ぐな瞳が、私の存在を否定しない。
込み上げるものを抑えながら、小さく「ただいま」と呟いた。
王都で囁かれる噂に心を削られるたび、銀の鷹を刻んだ封蝋の手紙を握りしめた。
短く、真っ直ぐな言葉。
――またいらしてください。
――あなたが来れば、私は嬉しい。
その一言一言が、孤独に沈みかけた心を引き上げてくれた。
(だから……ここまで来られた)
馬車の車輪が土を踏む音が遠くに響いた時、胸の奥に懐かしい感覚が蘇った。
辺境伯領。
澄んだ空気と、どこか温もりを含む風。王都の重苦しさとはまるで違う。
「……おかえり、アメリア!」
鋭い声に顔を上げる。
馬上にいたのは――銀の髪、緑の瞳の少年。いや、もう「少年」と呼ぶのは違う。
ユリウスだった。
六年ぶりに会う彼は、背丈も伸び、肩も広くなっていた。
かつては幼さの残る顔立ちだったのに、今は凛々しく、まさしく騎士の卵そのもの。
(……大きくなった)
帯剣する姿も、昔のように「お飾り」ではなかった。
剣は確かに使い込まれていて、彼が日々鍛錬と実務に励んでいることを物語っていた。
馬から降り立ったユリウスが駆け寄ってくる。
息を呑むほどの真剣な眼差しで、彼は私の前に立ち、ためらいもなく手を差し伸べてきた。
「……本当に、戻ってきてくれてよかった」
その言葉は、かつて手紙で幾度も見たはずなのに、耳で聞いた瞬間、胸の奥にずしんと響いた。
私はそっと、その手を取った。
懐かしい温もりと共に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
(やっぱり……この場所は、優しい)
辺境伯領の空気と、ユリウスの真っ直ぐな瞳が、私の存在を否定しない。
込み上げるものを抑えながら、小さく「ただいま」と呟いた。
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