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第二部 エリミア編

1 エリミア

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 エリミア。これは、星の名前。地球から遠く離れた、崩壊が進んでしまっている星。技術力の発展と共に、資源を失っていった。今ではもう、発展した技術は、半分も日常で使われていない



 エリミアにあるいくつかの大陸は、自分達の大陸の資源がなくなると。資源をめぐって戦争を始めた。戦争をしたせいで、資源はさらに消え。星の崩壊が早くなってしまった。大陸間は、このままでは危険だと思い。戦争をやめ、元老院という組織を作った。元老院は、各大陸から選挙で選ばれたリーダーから構成されており。元老院は絶対的な権力を持つ組織だ。しかし、大陸間は仲が悪く。議案がまとまることなんてめったに無い。そこで、星の統率者。唯一王を作った



 元老院メンバーの中から、唯一王を投票で選ぶ。初代唯一王に選ばれたのは、ガルーダという男。天才的な政策。圧倒的カリスマ性で、数々の問題を解決し。星の崩壊を緩めた。そして、彼には双子の息子がいた



 王の宮殿では、教育係が頭を悩まされていた

「シュリオン様!ガルク様!どこですかー!」

 教育係が廊下で叫んでいるのを双子のシュリオンとガルクは遠くから見てる

「宮殿内の位置情報はここのはずなのに」

 教育係が何度も、空間に出したホログラムの地図を見ながら、頭を抱えていた。それを見て、兄のシュリオンは爆笑中だ

「見ろよ。あのマヌケを。術にかかってることすら気づいてない!」

「シュリオン。さすがに能力を使うのはダメだよ。能力は許可証持ってないと使えないって」

 エリミアの住人達は、みんな能力を持っている。ただ、能力は危険な為、許可を受けてない者が使うのは犯罪だ

「誰が、王子を捕まえられるんだよ!」

「治安維持局。フェルムス」 

 フェルムスとは、警察や軍とは違い。元老院や唯一王の影響を受けない独立された組織である。主に能力による重犯罪や元老院や唯一王の監査を行っている

「ガルク。フェルムスが俺たちを捕まえに来たら、どんだけ暇な組織なんだよ。それに75歳未満は能力使っても捕まらない。俺たちはあと、25年は捕まらないぞ」

「だからって、能力は使わない方がいいよ」

「明日から、学校始まるんだろ。そしたら、教育係を可愛がってあげる時間も無いんだから、良いだろ?別れの挨拶に」

「洗礼だろ?」

「そうとも言える。明日にはフェーナに会えるぞ」

「フェーナ元気にしてたかな?」

 

 この話は、二人の王子が星の命運をも揺るがす事件に巻き込まれていく物語。だが、この時は、二人の若き王子は知るよしもない
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