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第二部 エリミア編

9 唯一王ガルーダ

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「じゃあさ。もし、僕が死んだら生き返らせてくれる?」

 リゾッルは二人に尋ねた

「禁忌行為だが、やってみるよ」

「ありがとう。僕の数少ない友達だから、お願いしたんだ」

「どうして生き返りたいの?」

「僕は、星の行く末を最後まで見たい」

「そうなんだ。自殺しない1割に入るといいね」

「うん!」



 学校が長期休暇に入った。生徒は、学校に残る者や、家に帰る者など様々だった。ガルクとシュリオン、フィオルは、一度家に帰ってから、フェーナから連絡が入るまで待機していた。ガルク達が宮殿に帰ると。珍しく父の姿があった

「父さん?何してるの?」

「二人とも、元気だったか?学校どうだ?」

 お互いに聞きたいことあったらしく、質問が重なっている。三人とも、言葉が被ってるのがおかしく、笑いだした

「父さん。今日は休みだ」

「王に休みなんてあるの?」

「無いさ。だが、家には帰れる。今から、フェルムスの人達と組み手するところだった。来るか?」

「行く!行く!」

「それで、学校どうだ?」

「楽しいよ。フェーナもいるし。新しい友達もできた」

「授業は?エリミア史取ったんだろ?ネオルノ先生が教えてくれたぞ」

 ネオルノ先生と父さん、連絡取ってるの?!二人ともビックリした

「ネオルノ先生。まだまだ元気だな。父さんが学生の時と、見た目変わらないぞ」

「ネオルノ先生が、唯一王の発案者について教えてくれた」

「ザルウィン・クルトナを学んだのか」

「父さんは、彼のことどう思う?」

「うーん。微妙だな。実在したなら、少し厄介だな」

「どうして?」

「父さんの人気が持っていかれるからだ」

 ガルーダは双子の息子の頭を撫でながら笑った



 二人のフェルムスの人達とガルーダの組み手を見ながら、ガルクとシュリオンは話してる

「父さん。凄いな!」

「ホント。エリート中のエリートのフェルムス。二人掛かりでも、優勢だぞ。それに、手加減してる」
 
 フェルムスの一人が、炎を撒き散らしながらガルーダに必死に対抗してるが、ガルーダのあまりの速さは、炎の熱すら伝えていない。もう、一人のフェルムスの人は、液体の兵隊を生み出して戦わせている

「王様って、警護つくよね?」

「あぁ。王直属の軍がな」

「フェルムスの人達と戦う意味って?」

「フェルムスは、知りたいんだろう。どれくらいの人員を出せば、倒せるのかを」

「父さんがやる意味は?」

「どっかの大陸が、反乱起こした時に、自ら鎮めに行くためだろう。完璧でないと、王ではいられないから」

 ガルクとシュリオンは、初めて父の戦いを見て、凄さを知った
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