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第二部 エリミア編
35 全盛期の技術
しおりを挟む「リッゾルは、解除していない可能性が高いです。彼の学校内での動きは、確認できますか?」
アイリン・クルトナが、校長に聞いた
「無理です。学校内では、大事な施設以外は、生徒の人権上から、監視していません。監視しているのは、数ヶ所のみ」
「結界を生み出してるところは?」
「監視はしていますよ」
校長は、両腕を空で動かした。だが、深刻そうな顔でやめた
「うん?でませんね・・・。監視システムが・・・」
また、腕を空で動かした。そして、浮かび上がったのは、監視システムを制御してる部屋内の映像だった
「結界は?」
シュリオンの言うことを無視して、大人達は、何も言わずに見てる。すると、またもやリッゾルが部屋内に現れた。リッゾルは、機器の一部分を操作しだした
「リッゾルは、何やってるの?」
フェーナが聞いた
「彼は、結界部屋の監視システムを停止させてる」
「は?」
「リッゾルは、監視システムの制御方法をも知っていた」
「リッゾルだよ!?あの、バカなリッゾル!」
「年上だけど、僕も言う。リッゾルは馬鹿だ。そんなことできる?」
シュリオンとガルクは納得がいっていない
「けど・・・。私もこんなこと言いたくないけど・・・」
「何だよ。言えよ、フェーナ!」
「全部、今日までの演技だったら?」
「演技?」
「馬鹿な留年生を演じる。いつも、目立たないし。内気で、友達が少ない生徒。影を薄くして、周囲の目を誤魔化していたのかも」
「フェーナ。面白く、実に良い考察だが、否定する」
フェーナの意見をアイリン・クルトナは否定した
「え?」
「生徒じゃ無理なんだよ。どんなに賢くても。勉強しても・・・」
「どうして?」
「空間移動妨害装置は、機能停止にできるかもしれない。だが、結界と監視システムは別だ。あれは、学校を知り尽くしていないと、存在場所すら分からない。誰かが、情報を漏らさない限り・・・」
「そう・・・。生徒は知らないのね」
フェーナは、少し悔しそうな顔をした
「この学校のシステムって、いつからあるの?」
「学校が出来た当初から。私やクルトナが、今のあなた達より少し歳上の時に創立されました」
ネオルノ先生は、昔を思い出したかのように喋ってる
「私が若いときが、技術力が最高だったでしょう。その後は、資源が尽き始めて、高い技術力は使えなくなりましたから」
「だから、ネオルノ先生が少女だった時に創立されたリンドルズ学校は、結界等といった技術が残っている」
校長が補足した
「ネオルノ先生。校長。リッゾルに情報を漏らしてませんよね?もちろん、他の教職員も」
「アイリン・クルトナ。それは、私に対する侮辱ですか?」
「クルトナ。いくら、伝説の末裔でも、言っていいことと。言ってはいけないことが、ありますよ」
アイリン・クルトナ隊長は、リンドルズ学校の卒業生なので、立場が二人より下のようだ。だから
「失礼しました」
と謝った。アイリン・クルトナを除いた、クルトナ家以外のフェルムスは、リンドルズ学校の卒業生しかいないので、皆顔馴染みだ。だから、校長とネオルノ先生の怖さをよく知っていた
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