シズカ

ねね

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7 姉の背中

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「姉さんはどうやって今の仕事に就いたの?
 教えて。そのためにここまで来たんだよ。」

 キラキラと瞳を輝かせる静。
 どこまでも真っ直ぐな静。

(ま、眩しいっっ!!)

 真暗はサングラスが欲しくなった。顔が隠れるくらい大きなやつを。

(うん。静が公募に活路を見いだそうとしていることはわかった。わかったけれど。)

 果たしてこの弟に適当なことを喋っても大丈夫なのだろうか。真暗の就職のいきさつはだいぶ適当な話になるのだが。

 しかし静に退く気配はない。

 こんなに真剣な相手を黙って追い返すのもあんまりだろう。

(しょうがないなあ………。)

 真暗はちょっと考えて口を開くことにした。

「えーっと。まず私は公募で仕事を探してた訳じゃない。一般的なやり方で、知り合いのツテを辿って仕事を探すつもりだったかな。

 でも、ちょうどそのころ地獄の鬼たちが人の世にガンガン鬼を送っていてね。

 私はほら山姥だから。頭にツノもないし、人の世に出してもぜんぜん姿が変わらないでしょう?

 これが良かったんだってさ。

 なんか大鬼に引っ捕らえられて、技術者になって来いって放り出されて。気がついたらリクルートスーツ着て街を歩いてたんだよね。」

「………。」

『………。』

(よし。うまく話したぞ。)

 真暗は胸を張った。

 実は身の丈3メートルの大鬼に“ウチの業務を自動化してくれ!”って泣いて頼まれたんだよ~とか。

 地獄の大門の真正面に“脱・地獄!目指せリモートワーク!!”っていう横断幕がどーんと掛かっていたんだよ~とか。

 そういうオトナたちの情けない話はまるっと省いてキレイにまとまったと思う。

 それなのに。

 話し終わると同時に、アマガエル姿のふっちーが地面を跳んできて真暗によじ登り肩をぺしぺし叩いてくれたのだ。

『頑張れ!なっ。』

(うん?なんでだろ。)

 腑に落ちない。

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