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2 新しいお母さん
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ある日、旦那さまが再婚しました。
お相手の女性には娘さんが二人いて、女の子には継母と継姉たちができました。
「ほら、おいで。
新しいお母さんとお姉さんだよ。」
「初めまして。」
ご挨拶は普通です。
(どんな人たちかなー。)
女の子は恐る恐る、様子を伺いました。
一方、継母は。
顔合わせの後で頭を抱え、将来についてとっっっても悩むことになったのでした。
☆ ☆ ☆
(女の子が、三人!)
この国では跡継ぎは一人だけ、それも男性のみと決まっています。お屋敷や土地を一人に継がせて、大きな財産が減らないようにするのです。
つまり娘たちは誰も、旦那さまの跡を継ぐことができません。
(女の子が、三人!!)
このまま男の子が生まれなければ、旦那さまの跡継ぎは親戚の誰かになるでしょう。
その人は、もう他人ですから。前の当主の妻や娘を養ったりはしないですよねえ。
(女の子が、三人!!!)
もちろん、家を継げない子供たちにも相続はあります。いずれ旦那さまのおサイフから、余裕分のお金が渡されるというやつが。
しかし。
(娘三人に遺せるお金なんて、あるの!?)
お屋敷や土地以外の財産となりますと。旦那さまは………………継母が望むほどの大金持ちでは、ないですね。
娘たちが、家を出た後も。
一生働かず、上品に暮らせる金額。
それが貴族のご令嬢である継母の考える、最低限のラインです。
めちゃめちゃ、ハードルが高いのです!
きっと貴族のお嬢さまとは、働いたら何かに負けるのでしょう。
ちなみに、継母が自分の父母から受け取ったお金は、彼女一人が働かずに生きて行けるギリギリの額でした。
だから継母が自分の娘達に遺してやれる財産は“ほとんど”ありません。
それに、前の奥さまが継子に遺したお金が“ほぼない”ということも、継母はしっかり聞いています。
ということは、彼女にとって。
(三人なんて、とても養えないわ!!)
そういう事なのです。
継母は、真の貧乏人が聞いたら石を投げそうなことを、至って真面目に考えました。
そうして、より極端な結論へ、まっしぐらにすっ飛んで行ったのでした。
お相手の女性には娘さんが二人いて、女の子には継母と継姉たちができました。
「ほら、おいで。
新しいお母さんとお姉さんだよ。」
「初めまして。」
ご挨拶は普通です。
(どんな人たちかなー。)
女の子は恐る恐る、様子を伺いました。
一方、継母は。
顔合わせの後で頭を抱え、将来についてとっっっても悩むことになったのでした。
☆ ☆ ☆
(女の子が、三人!)
この国では跡継ぎは一人だけ、それも男性のみと決まっています。お屋敷や土地を一人に継がせて、大きな財産が減らないようにするのです。
つまり娘たちは誰も、旦那さまの跡を継ぐことができません。
(女の子が、三人!!)
このまま男の子が生まれなければ、旦那さまの跡継ぎは親戚の誰かになるでしょう。
その人は、もう他人ですから。前の当主の妻や娘を養ったりはしないですよねえ。
(女の子が、三人!!!)
もちろん、家を継げない子供たちにも相続はあります。いずれ旦那さまのおサイフから、余裕分のお金が渡されるというやつが。
しかし。
(娘三人に遺せるお金なんて、あるの!?)
お屋敷や土地以外の財産となりますと。旦那さまは………………継母が望むほどの大金持ちでは、ないですね。
娘たちが、家を出た後も。
一生働かず、上品に暮らせる金額。
それが貴族のご令嬢である継母の考える、最低限のラインです。
めちゃめちゃ、ハードルが高いのです!
きっと貴族のお嬢さまとは、働いたら何かに負けるのでしょう。
ちなみに、継母が自分の父母から受け取ったお金は、彼女一人が働かずに生きて行けるギリギリの額でした。
だから継母が自分の娘達に遺してやれる財産は“ほとんど”ありません。
それに、前の奥さまが継子に遺したお金が“ほぼない”ということも、継母はしっかり聞いています。
ということは、彼女にとって。
(三人なんて、とても養えないわ!!)
そういう事なのです。
継母は、真の貧乏人が聞いたら石を投げそうなことを、至って真面目に考えました。
そうして、より極端な結論へ、まっしぐらにすっ飛んで行ったのでした。
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