7 / 29
7 魔女はシンデレラを送り出す
しおりを挟む
魔女は、話の展開においてけぼりのシンデレラに構うことなく、再び杖を振り上げました。
今度は光なしで、ボンッとシンデレラの服が変わります。
服は真っ白なウェディングドレスになりました………。ベールなし、顔がまる出しの。
ものすごく巨大な胸パットと、お尻を膨らませる下着が付いております。
(うげえええ!?)
縁起は良いです、確かに。
ただし。
(六歳のお子さまになんてもの着せるんじゃ~~!!!)
あ然とするシンデレラに、魔女はさらなる追撃をかけました。
「おや、背が低いからすそを引き摺るねえ。仕方ない、靴のヒールを高くするか。」
(いやいやいや、ちょっと待ったー!!)
「あ、あのーっ、わわわ私、ハイヒールなんて履いたことないんですが!?」
「なんだい情けない。まあいい、私に任せておいで!」
魔女がトンと杖を鳴らすと、シンデレラはぐいっと背が高くなり……いえそうではなくて、背が伸びてはいなくて……よく見ると、足の裏と床が、遠く離れておりました。
「ガラスの、台……?」
「ふんっ。よくごらん、台じゃなくて靴さ。ガラスの厚底ブーツだよ。」
シンデレラはドレスを持ち上げて自分の足を見下ろしました。
なんだか、タイツを履いた足が宙に浮いているようにしか見えませんけれども。足を動かせば固い感触があります。
たしかに何か……長靴のような物を履いているようです。
「まだまだ小さいねえ。これじゃ人に埋もれてしまう。髪も高く結おうか。」
突如、シンデレラの頭は、クリスマスツリーのように天井に向かってピーンと結い上げられました。
なんという格好でしょうか。
「よし、完成!あんたはそれで、お城の舞踏会へ行っておいで。」
「舞踏会……そこで私は道化に転職ですか!?」
「バカ言うんじゃないよ。あんたはお嬢さまだろう。適当に良い人見つけておいで。連れがいれば、人生悪くないものさ。」
「はあ。」
魔女の言っていることは、意外にも結構マトモでした。ただ、この魔女には、人間の服装のTPOという概念がないだけで……。
(なんかよくわからないけど、ご好意みたいだし。社会勉強と思って、舞踏会とやらを眺めてくるか。)
もとよりシンデレラには、初対面の魔女に逆らう勇気などありません。
それにどんな格好をしたところで、舞踏会には家族の外に知り合いもいないのです。きっとこの恥はかき捨てになるでしょう。
シンデレラは早々に抵抗をあきらめ、流されることにしたのでした。
今度は光なしで、ボンッとシンデレラの服が変わります。
服は真っ白なウェディングドレスになりました………。ベールなし、顔がまる出しの。
ものすごく巨大な胸パットと、お尻を膨らませる下着が付いております。
(うげえええ!?)
縁起は良いです、確かに。
ただし。
(六歳のお子さまになんてもの着せるんじゃ~~!!!)
あ然とするシンデレラに、魔女はさらなる追撃をかけました。
「おや、背が低いからすそを引き摺るねえ。仕方ない、靴のヒールを高くするか。」
(いやいやいや、ちょっと待ったー!!)
「あ、あのーっ、わわわ私、ハイヒールなんて履いたことないんですが!?」
「なんだい情けない。まあいい、私に任せておいで!」
魔女がトンと杖を鳴らすと、シンデレラはぐいっと背が高くなり……いえそうではなくて、背が伸びてはいなくて……よく見ると、足の裏と床が、遠く離れておりました。
「ガラスの、台……?」
「ふんっ。よくごらん、台じゃなくて靴さ。ガラスの厚底ブーツだよ。」
シンデレラはドレスを持ち上げて自分の足を見下ろしました。
なんだか、タイツを履いた足が宙に浮いているようにしか見えませんけれども。足を動かせば固い感触があります。
たしかに何か……長靴のような物を履いているようです。
「まだまだ小さいねえ。これじゃ人に埋もれてしまう。髪も高く結おうか。」
突如、シンデレラの頭は、クリスマスツリーのように天井に向かってピーンと結い上げられました。
なんという格好でしょうか。
「よし、完成!あんたはそれで、お城の舞踏会へ行っておいで。」
「舞踏会……そこで私は道化に転職ですか!?」
「バカ言うんじゃないよ。あんたはお嬢さまだろう。適当に良い人見つけておいで。連れがいれば、人生悪くないものさ。」
「はあ。」
魔女の言っていることは、意外にも結構マトモでした。ただ、この魔女には、人間の服装のTPOという概念がないだけで……。
(なんかよくわからないけど、ご好意みたいだし。社会勉強と思って、舞踏会とやらを眺めてくるか。)
もとよりシンデレラには、初対面の魔女に逆らう勇気などありません。
それにどんな格好をしたところで、舞踏会には家族の外に知り合いもいないのです。きっとこの恥はかき捨てになるでしょう。
シンデレラは早々に抵抗をあきらめ、流されることにしたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる