冥界の愛

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饅頭の下には小判がぎっしりです。

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 冥界から戻ったヘルメスの話を聞いたアポロンは、面白そうに笑った。

「 もしかして、冥府に春が来たのか? 」

「 違いますよアポロン様。だってハデス様は、お会いにもなっていない様ですよ。会う必要は無いって言ってるそうです。」

 「えーー?本当かなぁ
それで済むのかなあ、疑問?疑惑?とにかく信じられない。
冥界の春が来る方に僕は賭けるね。
真面目なヘルメス君はラブは無いと見るかい?
初めはそれは偶然だったのかもしれない。けど、運命は必然なんだろう?
『会うものは必ず出会う!』ってババ様の『予言じゃ~』だものな。
『出逢った瞬間からフォーリンラブじゃな』って言ってたんだろう?
 そんな長いこと同じ冥府宮にいながら出会わない訳がないよね?お似合いそうだし。力関係は問題ないんじゃないか?
あーー、でもこれは困るよね。 」

これと言ってアポロンは親指を下に示して地上を指さした。

そう、コレー喪失の冬とか名付けられた地上の季節は もうしばらく続いていた。
ただ、ほうれん草然り冬でも何とか飢えずに済ませれる程度にはデーメテールも頑張ってくれている様で持ち堪えてはいた。
人々も工夫して頑張ってるんだな。


( あれもこれも含めて、コレーは、やっぱり長くあそこに置いておくべきじゃないな )

ヘルメスは冥界から帰って何度目かの溜息を付いた。


「 ところで、アポロン様    
「 ところで、ヘルメス君 お前いつまでその敬語で話すの?もう誰もいないよ。普通に話して 」

苦笑いしてヘルメスが口調を元に戻す。
「 こういう事は、まず側近が大事なんですよ。いい加減慣れてくれよ。アポロンに、次期天界の王になってもらいたいんだ。
皆に舐められてるようでは困るんだ。
もう戦も無いし、アポロンの力や知恵を見せつける場面がなかなか無いんだ。
今回の気候変動は、コレー様喪失の冬、又はデーメテール様のお隠れ、とか言われてる。これはある意味チャンスなんだ。この災害を解決したのがアポロンだったって実績が欲しいんだ。

大体、力ある女神はもうほぼゼウス様の手がついてる。後はニンフ達や人間の王の娘だね、姫君をたくさん娶らないと。
頑張ってくれよアポロン。」


「 そう、葉っぱかけられるとうんざりするもんだよヘルメス君~。
そういう権力に関係しない所で恋をしたくなるのが男って者だろ?」


「 お前、いい加減にしろよ!こっちは、あちこち調整するのに大変なんだ。
お前だけじゃ無いんだからな。好き勝手するなよ。」


「 あぁ 親父殿ねー。あれは異常だな。
やっぱり神々の中の神って、一番エライ?神って、ああでないと。」


「 本気で言ってるのか?
わかってるんだろ?どうしてこんな風にしてるのかを。
あのおばさんや、鬼嫁達みたいな事言うなよ。
全部この世界の安定の為なんだから。

ゼウス様も好きで
してる訳では、、
してる訳は、、
ないのはず、
ないのか?
少しぐらい好きかも?
やっぱり少しは好きかも? 」



「 ハーーーー 」
「 はーーーー 」




二人して溜息ついた。

アポロンは考える。
何だろう。庇っていいのか悪いのか?
でも確実にその血は自身に入ってる訳で、何を言おうが自身達も同じ立場として次に立つ事になる。

「 お前は僕にそうなれって言ってるんだよ?」

「 それは、アポロンならこの世界をめちゃくちゃにはしないし。
それに何よりアポロンが誰かに好きになった人を取られたりする事が無いようにと思って。
もちろん実力もないのに後押しする様な事はしない。
充分に実力もある。母神の血筋の事も含めて皆を納得させられる。
いつかは、あのゼウス様も譲る時が来るだろう。
その時にあの世界の王の呪いを繰り返さない為にも、ゼウス様が示したやり方で譲位して欲しいと思って、いや切望しているよ。」
力説してるが、ますますヘルメスに熱が入る。


「 何度、父王殺しで世代交代すればいいんだ。それは予言や呪いじゃなくて、ただのバカのやり方だ。俺はバカは嫌いだ。終わらせるぞ、そのくだらない呪いは。」


(  しまった、まただ。クソ!
くだらない呪いって言ってしまい、あんなにケイロンとミノスに本気で怒られたのに。)
唇をグッと噛んでヘルメスが黙った。





「 あ!そう言えば、コレーの世話役にケイロンが付いてたよ。言うの忘れてた。」


「 へぇー、ケイロンが?
それは安心だねー。やっぱり大事にして貰ってるんだ。
ははは、ヘルメスが追い出される訳だね。
コレー、帰ってくるかな?
必ず帰すってか。

ヘルメス、君 またお迎えまでに様子を見てきてよ。」

「 あぁ、もちろんそのつもりだよ」

と答えたヘルメスに向かってアポロンが、何となく呟く。




「 これってさ。」

うん?

「 もしかして、全部計算?
僕が天界を継いだ時に、幼い頃から遊んだコレーや、一緒に育ったケイロンが冥界で要職に就いてる。下手したらコレーは冥界の王の后なんてしてるかも。
これって十分に太いパイプがあるって事だよね?僕にとっては凄い良いタイミングだよね。

もしかして、仕掛けたの? だれ?」





「 まさか~」と、アポロンは笑い飛ばすが、
ヘルメスは横で考え込んでいた。



ヘルメスは昔、ミノスから聞いた どこかの東の国の話しというのを思いだしていた。






「 越後屋、おぬしも悪よのぉ 」
「 いえいえ、お代官様ほどでは 」

ヌヒヒヒヒヒ
グヒヒヒヒヒ


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