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第一章 中核都市デン・ヘルダー
第二十六話 焼け落ちた倉庫
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ジカイラ達は、デン・ホールンの宿屋を引き払い、次の中核都市エンクホイゼンへ向かう。
街を離れる際に領主の城に挨拶に行くと、領主のアイゼンベルクやツバキ、ホドラム、海賊鮮血の涙、蜥蜴人族長のダグワ・ドルジとその娘のクランが、ジカイラ達の出発を見送る。
ジカイラとホドラムが握手する。
「世話になったな」
「こちらこそ。街を救ってくれて感謝する」
続いてジカイラと蜥蜴人族長のダグワ・ドルジが握手する。
「娘を救ってくれて、ありがとう」
海賊鮮血の涙がヒナの肩に手を置いて言葉を掛ける。
「いい? 逃げ出した先に幸せは無いわ。貴女の居場所は、貴女自身が勝ち取るしか無いのよ。頑張ってね」
「はい」
ティナがクランの手を握って、別れを惜しむ。
「クラン。元気でね」
「色々とありがとう」
ジカイラ達は、デン・ホールンで知り合った者達に別れを惜しまれつつ、次の中核都市エンクホイゼンへ向けて幌馬車を進めた。
中核都市エンクホイゼンは、北西街道を進みデン・ヘルダーを経由して、二日程の距離にある川の三角州に築かれた港街であった。
ジカイラ達は最初のときと同様に、道中、木立の中で一泊し、翌日の昼に再び中核都市デン・ヘルダーを遠くから見ることができた。
デン・ヘルダーの周囲には、先に向かったラインハルトが率いる帝国機甲兵団の飛行戦艦と飛行空母が停泊し、帝国竜騎兵団と帝国魔界兵団、帝国不死兵団が陣地を構築。
上空には総旗艦ニーベルンゲンがあり、以前、ジカイラ達が訪れたときに北西街道沿いに無数に立ち並んでいた『絞首台』は、撤去されていた。
ジカイラ達がデン・ヘルダーへ幌馬車を進めると、絞首台から降ろされたものであろう、革命軍兵士の亡骸があちらこちらに山積みになっていた。
更に進むと、一人の帝国騎士と数人の帝国軍工兵、それに僧侶のグループが、山積みにされた革命軍兵士の亡骸を順番に荼毘に付していた。
幌馬車の手綱を握るジカイラがヒナに話し掛ける。
「帝国軍のデン・ヘルダー進駐は、上手くいっているようだな」
「そうね。革命軍兵士の亡骸を荼毘に付しているところを見ると、ラインハルトさん、上手くやっているみたいね」
幌馬車の荷台からティナが顔を覗かせる。
「私のお兄ちゃんだもん! 上手くいくのは当然ね!」
そう言うと、ティナは何かに気づいたように、空を見上げる。
「沢山の人の魂が、天に還っていく・・・」
ジカイラがティナに話し掛ける。
「・・・判るのか?」
ティナは、空を見上げたまま、ジカイラに答える。
「うん。綺麗・・・」
ジカイラとヒナも空を見上げる。
二人には『人の魂』が天に還っていく様子は判らなかった。
ただ、いくつかの綿雲が浮かぶ、大きく澄んだ青空が広がっている光景しか見えなかった。
程なくジカイラ達の幌馬車は、デン・ヘルダーの城門に到着する。
ジカイラ達は、偽の身分証を提示して城門をくぐり市内へ入ると、同じ宿屋に宿泊を手配する。
宿屋の一階は、食堂 兼 酒場になっており、ジカイラは酒場のマスターに一杯奢って、留守中の出来事を聞く。
酒場のマスターがジカイラに話す。
「進駐してきた帝国軍に、結構な数の麻薬商人と奴隷商人が一斉に逮捕・検挙されたようだ」
「ほほう? 港で??」
「いや。倉庫街さ。ところが、検挙前に倉庫の一つが不審火で燃えてしまったようだ」
「・・・不審火?」
嫌な予感がしたジカイラは、酒場のマスターとの話を切り上げる。
「ありがとな」
「あいよ」
ジカイラは二階に上がると、ヒナやケニー、ルナ、ティナ達に声を掛ける。
「オレ達の留守中に、倉庫の一つが不審火で燃えたって話だ。嫌な予感がする。みんな、倉庫街へ行くぞ!!」
ジカイラ達は、宿屋に幌馬車と荷物を置くと、小走りで倉庫街へ向かう。
ジカイラ達が倉庫街へ到着する。
不審火による火事の現場を二人の帝国騎士と数人の帝国軍兵士が現場検証を行っていた。
火事によって焼け落ちた倉庫の現場を見たジカイラが口を開く。
「不審火で燃えた倉庫って、例の倉庫か」
ケニーも口を開く。
「此処って、全部の窓に内側から板が貼り付けられていた倉庫じゃ・・・?」
ジカイラが答える。
「そうだ。此処はクランが捕まっていた倉庫だ」
ジカイラが、現場検証を取り仕切る二人の帝国騎士に『本物の身分証』を見せ、身分を告げる。
「帝国中央軍 特務部隊のジカイラ大尉だ」
二人の帝国騎士がジカイラに敬礼する。
二人の帝国騎士にジカイラが現場検証の内容を尋ねると、焼け跡から三人の男の焼死体が見つかったとの事であった。
ジカイラが舌打ちした後、呟く。
「活動した拠点の痕跡も、口封じも、抜かり無く消すってか。秘密警察らしい」
ケニーが口を開く。
「そう言えば、デン・ホールンに攻め込んできた軍勢に、秘密警察の姿は無かったね」
ヒナも話に加わる。
「形勢が不利に傾き、自分たちに危険が迫ると、すぐに宿主を変える。まるで寄生虫ね」
ルナが顔をしかめる。
「寄生虫って・・・」
ジカイラが歪んだ笑みを浮かべる。
「その寄生虫が寄生できる宿主も、残りはエンクホイゼン、エームスハーヴェンの二つだけだ」
ジカイラ達は、焼け落ちた倉庫を後にし、宿屋に戻る。
街を離れる際に領主の城に挨拶に行くと、領主のアイゼンベルクやツバキ、ホドラム、海賊鮮血の涙、蜥蜴人族長のダグワ・ドルジとその娘のクランが、ジカイラ達の出発を見送る。
ジカイラとホドラムが握手する。
「世話になったな」
「こちらこそ。街を救ってくれて感謝する」
続いてジカイラと蜥蜴人族長のダグワ・ドルジが握手する。
「娘を救ってくれて、ありがとう」
海賊鮮血の涙がヒナの肩に手を置いて言葉を掛ける。
「いい? 逃げ出した先に幸せは無いわ。貴女の居場所は、貴女自身が勝ち取るしか無いのよ。頑張ってね」
「はい」
ティナがクランの手を握って、別れを惜しむ。
「クラン。元気でね」
「色々とありがとう」
ジカイラ達は、デン・ホールンで知り合った者達に別れを惜しまれつつ、次の中核都市エンクホイゼンへ向けて幌馬車を進めた。
中核都市エンクホイゼンは、北西街道を進みデン・ヘルダーを経由して、二日程の距離にある川の三角州に築かれた港街であった。
ジカイラ達は最初のときと同様に、道中、木立の中で一泊し、翌日の昼に再び中核都市デン・ヘルダーを遠くから見ることができた。
デン・ヘルダーの周囲には、先に向かったラインハルトが率いる帝国機甲兵団の飛行戦艦と飛行空母が停泊し、帝国竜騎兵団と帝国魔界兵団、帝国不死兵団が陣地を構築。
上空には総旗艦ニーベルンゲンがあり、以前、ジカイラ達が訪れたときに北西街道沿いに無数に立ち並んでいた『絞首台』は、撤去されていた。
ジカイラ達がデン・ヘルダーへ幌馬車を進めると、絞首台から降ろされたものであろう、革命軍兵士の亡骸があちらこちらに山積みになっていた。
更に進むと、一人の帝国騎士と数人の帝国軍工兵、それに僧侶のグループが、山積みにされた革命軍兵士の亡骸を順番に荼毘に付していた。
幌馬車の手綱を握るジカイラがヒナに話し掛ける。
「帝国軍のデン・ヘルダー進駐は、上手くいっているようだな」
「そうね。革命軍兵士の亡骸を荼毘に付しているところを見ると、ラインハルトさん、上手くやっているみたいね」
幌馬車の荷台からティナが顔を覗かせる。
「私のお兄ちゃんだもん! 上手くいくのは当然ね!」
そう言うと、ティナは何かに気づいたように、空を見上げる。
「沢山の人の魂が、天に還っていく・・・」
ジカイラがティナに話し掛ける。
「・・・判るのか?」
ティナは、空を見上げたまま、ジカイラに答える。
「うん。綺麗・・・」
ジカイラとヒナも空を見上げる。
二人には『人の魂』が天に還っていく様子は判らなかった。
ただ、いくつかの綿雲が浮かぶ、大きく澄んだ青空が広がっている光景しか見えなかった。
程なくジカイラ達の幌馬車は、デン・ヘルダーの城門に到着する。
ジカイラ達は、偽の身分証を提示して城門をくぐり市内へ入ると、同じ宿屋に宿泊を手配する。
宿屋の一階は、食堂 兼 酒場になっており、ジカイラは酒場のマスターに一杯奢って、留守中の出来事を聞く。
酒場のマスターがジカイラに話す。
「進駐してきた帝国軍に、結構な数の麻薬商人と奴隷商人が一斉に逮捕・検挙されたようだ」
「ほほう? 港で??」
「いや。倉庫街さ。ところが、検挙前に倉庫の一つが不審火で燃えてしまったようだ」
「・・・不審火?」
嫌な予感がしたジカイラは、酒場のマスターとの話を切り上げる。
「ありがとな」
「あいよ」
ジカイラは二階に上がると、ヒナやケニー、ルナ、ティナ達に声を掛ける。
「オレ達の留守中に、倉庫の一つが不審火で燃えたって話だ。嫌な予感がする。みんな、倉庫街へ行くぞ!!」
ジカイラ達は、宿屋に幌馬車と荷物を置くと、小走りで倉庫街へ向かう。
ジカイラ達が倉庫街へ到着する。
不審火による火事の現場を二人の帝国騎士と数人の帝国軍兵士が現場検証を行っていた。
火事によって焼け落ちた倉庫の現場を見たジカイラが口を開く。
「不審火で燃えた倉庫って、例の倉庫か」
ケニーも口を開く。
「此処って、全部の窓に内側から板が貼り付けられていた倉庫じゃ・・・?」
ジカイラが答える。
「そうだ。此処はクランが捕まっていた倉庫だ」
ジカイラが、現場検証を取り仕切る二人の帝国騎士に『本物の身分証』を見せ、身分を告げる。
「帝国中央軍 特務部隊のジカイラ大尉だ」
二人の帝国騎士がジカイラに敬礼する。
二人の帝国騎士にジカイラが現場検証の内容を尋ねると、焼け跡から三人の男の焼死体が見つかったとの事であった。
ジカイラが舌打ちした後、呟く。
「活動した拠点の痕跡も、口封じも、抜かり無く消すってか。秘密警察らしい」
ケニーが口を開く。
「そう言えば、デン・ホールンに攻め込んできた軍勢に、秘密警察の姿は無かったね」
ヒナも話に加わる。
「形勢が不利に傾き、自分たちに危険が迫ると、すぐに宿主を変える。まるで寄生虫ね」
ルナが顔をしかめる。
「寄生虫って・・・」
ジカイラが歪んだ笑みを浮かべる。
「その寄生虫が寄生できる宿主も、残りはエンクホイゼン、エームスハーヴェンの二つだけだ」
ジカイラ達は、焼け落ちた倉庫を後にし、宿屋に戻る。
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