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第ニ章 中核都市エンクホイゼン
第二十七話 中核都市エンクホイゼン
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--翌日。
ジカイラ達は、宿屋を後にしデン・ヘルダーから、次の中核都市エンクホイゼンを目指して出発した。
デン・ヘルダーの城門を出て、北西街道を北へ進む。
中核都市エンクホイゼンは、デン・ヘルダーから北西街道を進み、二日程の距離にある川の三角州に築かれた港街であった。
昼近くには、周囲の風景が湿地から草原に変わる。
ジカイラ達は、北西街道沿いの木立で幌馬車を止め、小川が流れる見晴らしの良い草原で昼食を取る。
野戦炊飯車でティナとヒナが食事を作り、一行は、細やかな食事を取る。
ティナとヒナが食事の後片付けをして小川で食器を洗い、ケニーとルナは剣術の稽古を始める。
昼食を取ったジカイラは、木立の日陰で横になり、他のメンバー様子を眺める。
(・・・穏やかで平和な日常そのものだ)
後片付けを終えたヒナが、ジカイラの元にやって来る。
「寝てる?」
「・・・いや、起きてるよ」
「頭を上げて。・・・こう」
ヒナがジカイラの頭を自分の膝の上に置く。
ジカイラがヒナに尋ねる。
「どうしたんだ? 急に?」
「クランの救出といい、秘密警察の事といい、ジカさん、色々と疲れているでしょ?」
「まぁな」
ジカイラは、一言だけそう答えると、目を閉じる。
柔らかいヒナの膝枕と、心地良い木立の日陰が、ジカイラを眠りに誘う。
ヒナは、眠りに就いたジカイラの頭を優しく撫でる。
(貴方の中にだけ、私の居場所があるのかも知れない)
小一時間の食休みの後、ジカイラ達は、再び北西街道をエンクホイゼンを目指して進む。
徒歩で北西街道をエンクホイゼンへ向けて進む傭兵団を、幌馬車で追い越す。
デン・ヘルダーには帝国軍が進駐し、帝国軍から退去勧告を受け、傭兵団はデン・ヘルダーの街から姿を消した。
傭兵団を追って、娼婦達も街から姿を消していった。
ジカイラ達は、北西街道で二泊、野営して北西街道を進み、昼に中核都市エンクホイゼンに到着する。
エンクホイゼンは、川の三角州に築かれた港街であり、街の周囲は城壁で囲まれ、入り口は街の南北に跳ね橋が設置されていた。
ジカイラ達は、偽の身分証を提示して城門を通過し、街の宿屋に宿を取る。
宿屋は、よくある作りで、一階は食堂 兼 酒場。二階より上の階が宿になっていた。
ヒナ達は昼食を取り、ジカイラは、例の如く宿屋一階の酒場のマスターに一杯奢り、話を聞く。
酒場のマスターがジカイラに礼を言う。
「ありがとよ」
「景気の良い話はあるかい?」
「最近、ここいらの港街は、どこも不景気だよ。取り扱いの荷は減っているから」
ジカイラは、デン・ヘルダーの話をマスターに振ってみる。
「そうか。デン・ヘルダーには、百万人の帝国軍が進駐してきたらしい」
ジカイラの話にマスターは驚く。
「ひゃ、百万人だって!? 帝国軍がデン・ヘルダーを制圧したって話は聞いたが、そんな凄い大軍だったとは。新皇帝は、港湾自治都市群を潰すつもりなのかねぇ」
ジカイラはトボける。
「さぁねぇ・・・」
「タダでさえ、このエンクホイゼンじゃ、『シンジケート』と『キラーコマンド』でドンパチやっているのに、更に帝国軍が来たんじゃ、戦争になりそうだなぁ・・・」
ジカイラは、聞き慣れないマスターの言葉を問い質す。
「『シンジケート』?」
マスターが説明する。
「知らないのかい? 『ジェファーソン・シンジケート』さ。ここいら一帯で麻薬取引を取り仕切っている無政府主義の麻薬組織さ」
「それで。『キラーコマンド』ってのは?」
「麻薬商人ばかりを狙って襲う盗賊団さ」
「それはまた、随分と面白そうな事になっているんだな。この街の領主はどうしているんだ?」
「領主は、見て見ない振りさ。シンジケートを取り締まったら報復される。けど、キラーコマンドを取り締まって市民の反感も買いたくないってところだ」
「なるほどなぁ・・・」
ジカイラはマスターとの話を切り上げ、ヒナ達が昼食を食べている席に戻る。
ヒナがジカイラに尋ねる。
「何か面白い話は聞けた?」
「ああ。随分と面白そうな事になっているみたいだ」
ティナがジカイラに尋ねる。
「面白い事?」
「ああ」
ジカイラは先程、酒場のマスターから聞き出した話を、ヒナ達に説明する。
ヒナが口を開く。
「この街って、麻薬組織と盗賊団で抗争中なの!?」
「そうらしい」
ティナが尋ねる。
「それで。ジカさん、どうするの?」
「まずは、情報収集だ。街の地理や様子を探る。シンジケートやキラーコマンドの情報も集めないとな」
ティナは納得したように答える。
「そうね」
ジカイラが他のメンバーに指示を出す。
「昼食が終わったら、二手に分かれて街の探索に出よう。オレとヒナ、ティナの班とケニーとルナの班だ。ただし、街の探索は日没までだ。まだ、この街の地理には疎いからな」
「「了解」」
ジカイラ達は二手に分かれて街を探索する。
ジカイラ、ヒナ、ケニーは、港や倉庫街へ向かい、ケニーとルナは、市庁舎や商店街へ向かう。
港についたジカイラ達は、港や倉庫街の様子を観察する。
(デン・ヘルダーとあまり変わらないな)
エンクホイゼンは、三角州に築かれた街であるため、街そのものが三角形であり、海に面した一帯は石積みの岸壁になっていた。
岸壁には大型の船舶が接岸停泊し、船舶への荷揚げや荷降ろしが行われ、船員や乗客が乗り降りしていた。
ヒナは、以前、デン・ヘルダーの港街を見ていたが、ティナは、辺境の港街を初めて目にしたため、楽しそうに、はしゃいでいた。
ジカイラ達は、宿屋を後にしデン・ヘルダーから、次の中核都市エンクホイゼンを目指して出発した。
デン・ヘルダーの城門を出て、北西街道を北へ進む。
中核都市エンクホイゼンは、デン・ヘルダーから北西街道を進み、二日程の距離にある川の三角州に築かれた港街であった。
昼近くには、周囲の風景が湿地から草原に変わる。
ジカイラ達は、北西街道沿いの木立で幌馬車を止め、小川が流れる見晴らしの良い草原で昼食を取る。
野戦炊飯車でティナとヒナが食事を作り、一行は、細やかな食事を取る。
ティナとヒナが食事の後片付けをして小川で食器を洗い、ケニーとルナは剣術の稽古を始める。
昼食を取ったジカイラは、木立の日陰で横になり、他のメンバー様子を眺める。
(・・・穏やかで平和な日常そのものだ)
後片付けを終えたヒナが、ジカイラの元にやって来る。
「寝てる?」
「・・・いや、起きてるよ」
「頭を上げて。・・・こう」
ヒナがジカイラの頭を自分の膝の上に置く。
ジカイラがヒナに尋ねる。
「どうしたんだ? 急に?」
「クランの救出といい、秘密警察の事といい、ジカさん、色々と疲れているでしょ?」
「まぁな」
ジカイラは、一言だけそう答えると、目を閉じる。
柔らかいヒナの膝枕と、心地良い木立の日陰が、ジカイラを眠りに誘う。
ヒナは、眠りに就いたジカイラの頭を優しく撫でる。
(貴方の中にだけ、私の居場所があるのかも知れない)
小一時間の食休みの後、ジカイラ達は、再び北西街道をエンクホイゼンを目指して進む。
徒歩で北西街道をエンクホイゼンへ向けて進む傭兵団を、幌馬車で追い越す。
デン・ヘルダーには帝国軍が進駐し、帝国軍から退去勧告を受け、傭兵団はデン・ヘルダーの街から姿を消した。
傭兵団を追って、娼婦達も街から姿を消していった。
ジカイラ達は、北西街道で二泊、野営して北西街道を進み、昼に中核都市エンクホイゼンに到着する。
エンクホイゼンは、川の三角州に築かれた港街であり、街の周囲は城壁で囲まれ、入り口は街の南北に跳ね橋が設置されていた。
ジカイラ達は、偽の身分証を提示して城門を通過し、街の宿屋に宿を取る。
宿屋は、よくある作りで、一階は食堂 兼 酒場。二階より上の階が宿になっていた。
ヒナ達は昼食を取り、ジカイラは、例の如く宿屋一階の酒場のマスターに一杯奢り、話を聞く。
酒場のマスターがジカイラに礼を言う。
「ありがとよ」
「景気の良い話はあるかい?」
「最近、ここいらの港街は、どこも不景気だよ。取り扱いの荷は減っているから」
ジカイラは、デン・ヘルダーの話をマスターに振ってみる。
「そうか。デン・ヘルダーには、百万人の帝国軍が進駐してきたらしい」
ジカイラの話にマスターは驚く。
「ひゃ、百万人だって!? 帝国軍がデン・ヘルダーを制圧したって話は聞いたが、そんな凄い大軍だったとは。新皇帝は、港湾自治都市群を潰すつもりなのかねぇ」
ジカイラはトボける。
「さぁねぇ・・・」
「タダでさえ、このエンクホイゼンじゃ、『シンジケート』と『キラーコマンド』でドンパチやっているのに、更に帝国軍が来たんじゃ、戦争になりそうだなぁ・・・」
ジカイラは、聞き慣れないマスターの言葉を問い質す。
「『シンジケート』?」
マスターが説明する。
「知らないのかい? 『ジェファーソン・シンジケート』さ。ここいら一帯で麻薬取引を取り仕切っている無政府主義の麻薬組織さ」
「それで。『キラーコマンド』ってのは?」
「麻薬商人ばかりを狙って襲う盗賊団さ」
「それはまた、随分と面白そうな事になっているんだな。この街の領主はどうしているんだ?」
「領主は、見て見ない振りさ。シンジケートを取り締まったら報復される。けど、キラーコマンドを取り締まって市民の反感も買いたくないってところだ」
「なるほどなぁ・・・」
ジカイラはマスターとの話を切り上げ、ヒナ達が昼食を食べている席に戻る。
ヒナがジカイラに尋ねる。
「何か面白い話は聞けた?」
「ああ。随分と面白そうな事になっているみたいだ」
ティナがジカイラに尋ねる。
「面白い事?」
「ああ」
ジカイラは先程、酒場のマスターから聞き出した話を、ヒナ達に説明する。
ヒナが口を開く。
「この街って、麻薬組織と盗賊団で抗争中なの!?」
「そうらしい」
ティナが尋ねる。
「それで。ジカさん、どうするの?」
「まずは、情報収集だ。街の地理や様子を探る。シンジケートやキラーコマンドの情報も集めないとな」
ティナは納得したように答える。
「そうね」
ジカイラが他のメンバーに指示を出す。
「昼食が終わったら、二手に分かれて街の探索に出よう。オレとヒナ、ティナの班とケニーとルナの班だ。ただし、街の探索は日没までだ。まだ、この街の地理には疎いからな」
「「了解」」
ジカイラ達は二手に分かれて街を探索する。
ジカイラ、ヒナ、ケニーは、港や倉庫街へ向かい、ケニーとルナは、市庁舎や商店街へ向かう。
港についたジカイラ達は、港や倉庫街の様子を観察する。
(デン・ヘルダーとあまり変わらないな)
エンクホイゼンは、三角州に築かれた街であるため、街そのものが三角形であり、海に面した一帯は石積みの岸壁になっていた。
岸壁には大型の船舶が接岸停泊し、船舶への荷揚げや荷降ろしが行われ、船員や乗客が乗り降りしていた。
ヒナは、以前、デン・ヘルダーの港街を見ていたが、ティナは、辺境の港街を初めて目にしたため、楽しそうに、はしゃいでいた。
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