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第三章 中核都市エームスハーヴェン
第五十四話 カスパニア王太子襲撃(ニ)
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「私の出番ね!」
ティナは、嬉しそうに周囲に告げると、甲板の見張りに向けて手をかざし、魔法を唱える。
「沈黙!!」
甲板の上から音が消える。
魔法の詠唱を終えたティナは、ジカイラに向けて頷く。
ジカイラは、魔剣シグルドリーヴァを抜くと、見張りのカスパニア兵に向けて走り出す。
波の音さえ聞こえなくなった甲板上では、状況を理解出来ないカスパニア兵がキョロキョロと周囲を見回していた。
カスパニア兵は、抜き身の魔剣を構えて駆け寄って来るジカイラを見て、口をパクパク動かしていたが、声を発する事が出来ない。
ジカイラは、魔剣を見張りのカスパニア兵に向けて水平に払う。
ジカイラの魔剣シグルドリーヴァは、カスパニア兵の胴体を一刀両断した。
(残り4人!!)
ジカイラ達の襲撃に気付いた他のカスパニア兵達は、抜剣してジカイラに向け、駆け寄って来る。
2人のカスパニア兵がジカイラの左右を挟むように位置取りし、剣を構える。
途端、左側のカスパニア兵の喉に矢が刺さり、カスパニア兵が倒れる。
ケニーが船尾桜の上から放った矢であった。
ジカイラの右側に位置取りしたカスパニア兵は、驚いて倒れた仲間の方を見る。
ジカイラは、大上段に魔剣を振りかぶると、脇見をする右側のカスパニア兵に袈裟斬りに斬り付ける。
カスパニア兵は、左手に持つ木盾でジカイラの攻撃を防ごうとする。
ジカイラが振り下ろした魔剣シグルドリーヴァは、木盾ごとカスパニア兵の体を斜めに一刀両断した。
(残り2人!!)
ジカイラは、船首側の2人の見張りに向けて走り出す。
見張りのカスパニア兵は、2人並んでジカイラに対峙する。
(右側!!)
ジカイラは、魔剣の柄を両手で握ると、右側のカスパニア兵に向けて、突きを放った。
カスパニア兵は、木盾でジカイラの突きを受けようと構えたが、ジカイラの魔剣は木盾ごとカスパニア兵の胸を貫く。
ジカイラの攻撃に左側のカスパニア兵は、怯んで後退りするが、ケニーが船尾楼上から放った矢が顔に突き刺さり、カスパニア兵は甲板に仰向けに倒れる。
甲板の見張りを倒し終えた事を確認したティナは、魔法の効果を解除する。
ジカイラが口を開く。
「次は貴賓室の王太子殿下に会いに行かないとな」
船尾桜からケニーとルナが降りてくる。
ジカイラ達は、甲板から船尾桜の中にある貴賓室のドアを開け、中に入る。
貴賓室の中には騎士風の男が2人おり、1人は豪華な作りの机のある椅子に腰掛け、もう1人はその傍に立っていた。
カスパニア王国の王太子カロカロと、カスパニア王国王立騎士団の騎士レイドリックであった。
ジカイラが軽口を叩く。
「バレンシュテット帝国へようこそ。カスパニア王国、王太子殿下」
立っていたレイドリックが口を開く。
「貴様ら何者だ!? 王太子カロカロ殿下と知っての狼藉か!!」
ジカイラは真顔で2人に名乗る。
「バレンシュテット帝国 中央軍 特務部隊 ジカイラ大尉」
ジカイラの名前を聞いたカスパニアの2人が怯む。
椅子に座っていたカロカロが立ち上がって口を開く。
「ジカイラ!? ジカイラだと!?『黒衣の剣士ジカイラ』か!!」
そう言うと、2人は抜剣してジカイラ達に剣を構える。
ジカイラは魔剣を肩に担ぐと、傍らのヒナに話し掛ける。
「面倒臭ぇ・・・。ヒナ、やれ!!」
ヒナがカスパニアの騎士風の2人に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「睡眠雲!」
魔法に掛かったカスパニアの2人は床に崩れ落ちる。
ジカイラが呆れる。
「・・・チョロいな」
ジカイラの言葉にケニーは両手を広げ、首を左右に振って「やれやれ」といった素振りを見せる。
ジカイラ達は、いびきを掻いて眠る2人を縄で縛り上げると、人間がすっぽりと入る麻袋に入れ、甲板に引き摺っていく。
ティナが文句を言う。
「ジカさん、重いよ・・・」
ジカイラが「この2人をどうやって小舟に乗せようか」と思案しながら周囲を見回していると、甲板上のある物が目に入る。
「よし! アレを使おう!!」
ジカイラの言葉にケニー達が驚く。
ジカイラは、甲板で荷物の積み下ろしに使う起重機の先にカロカロの麻袋を吊るすと、小舟に向けて降ろし始めた。
ヒナが呆れて呟く。
「カスパニアの王太子殿下も、これじゃ『荷物扱い』ね」
ジカイラが他の者達に告げる。
「もう1人、起重機で小舟に降ろすから、お前らは先に縄梯子で小舟に降りて、受け取ってくれ」
「判ったよ」
ケニー達は縄梯子で船舷から海上の小舟に降りていく。
起重機で二人を小舟に降ろしたジカイラは、縄梯子で小舟に降りる。
「良し! バックレるぞ!!」
こうしてカスパニア王太子カロカロと護衛の騎士レイドリックを捕らえたジカイラ達は、カスパニア軍艦から元の漁業区画を目指して小舟を漕いでいった。
ティナは、嬉しそうに周囲に告げると、甲板の見張りに向けて手をかざし、魔法を唱える。
「沈黙!!」
甲板の上から音が消える。
魔法の詠唱を終えたティナは、ジカイラに向けて頷く。
ジカイラは、魔剣シグルドリーヴァを抜くと、見張りのカスパニア兵に向けて走り出す。
波の音さえ聞こえなくなった甲板上では、状況を理解出来ないカスパニア兵がキョロキョロと周囲を見回していた。
カスパニア兵は、抜き身の魔剣を構えて駆け寄って来るジカイラを見て、口をパクパク動かしていたが、声を発する事が出来ない。
ジカイラは、魔剣を見張りのカスパニア兵に向けて水平に払う。
ジカイラの魔剣シグルドリーヴァは、カスパニア兵の胴体を一刀両断した。
(残り4人!!)
ジカイラ達の襲撃に気付いた他のカスパニア兵達は、抜剣してジカイラに向け、駆け寄って来る。
2人のカスパニア兵がジカイラの左右を挟むように位置取りし、剣を構える。
途端、左側のカスパニア兵の喉に矢が刺さり、カスパニア兵が倒れる。
ケニーが船尾桜の上から放った矢であった。
ジカイラの右側に位置取りしたカスパニア兵は、驚いて倒れた仲間の方を見る。
ジカイラは、大上段に魔剣を振りかぶると、脇見をする右側のカスパニア兵に袈裟斬りに斬り付ける。
カスパニア兵は、左手に持つ木盾でジカイラの攻撃を防ごうとする。
ジカイラが振り下ろした魔剣シグルドリーヴァは、木盾ごとカスパニア兵の体を斜めに一刀両断した。
(残り2人!!)
ジカイラは、船首側の2人の見張りに向けて走り出す。
見張りのカスパニア兵は、2人並んでジカイラに対峙する。
(右側!!)
ジカイラは、魔剣の柄を両手で握ると、右側のカスパニア兵に向けて、突きを放った。
カスパニア兵は、木盾でジカイラの突きを受けようと構えたが、ジカイラの魔剣は木盾ごとカスパニア兵の胸を貫く。
ジカイラの攻撃に左側のカスパニア兵は、怯んで後退りするが、ケニーが船尾楼上から放った矢が顔に突き刺さり、カスパニア兵は甲板に仰向けに倒れる。
甲板の見張りを倒し終えた事を確認したティナは、魔法の効果を解除する。
ジカイラが口を開く。
「次は貴賓室の王太子殿下に会いに行かないとな」
船尾桜からケニーとルナが降りてくる。
ジカイラ達は、甲板から船尾桜の中にある貴賓室のドアを開け、中に入る。
貴賓室の中には騎士風の男が2人おり、1人は豪華な作りの机のある椅子に腰掛け、もう1人はその傍に立っていた。
カスパニア王国の王太子カロカロと、カスパニア王国王立騎士団の騎士レイドリックであった。
ジカイラが軽口を叩く。
「バレンシュテット帝国へようこそ。カスパニア王国、王太子殿下」
立っていたレイドリックが口を開く。
「貴様ら何者だ!? 王太子カロカロ殿下と知っての狼藉か!!」
ジカイラは真顔で2人に名乗る。
「バレンシュテット帝国 中央軍 特務部隊 ジカイラ大尉」
ジカイラの名前を聞いたカスパニアの2人が怯む。
椅子に座っていたカロカロが立ち上がって口を開く。
「ジカイラ!? ジカイラだと!?『黒衣の剣士ジカイラ』か!!」
そう言うと、2人は抜剣してジカイラ達に剣を構える。
ジカイラは魔剣を肩に担ぐと、傍らのヒナに話し掛ける。
「面倒臭ぇ・・・。ヒナ、やれ!!」
ヒナがカスパニアの騎士風の2人に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「睡眠雲!」
魔法に掛かったカスパニアの2人は床に崩れ落ちる。
ジカイラが呆れる。
「・・・チョロいな」
ジカイラの言葉にケニーは両手を広げ、首を左右に振って「やれやれ」といった素振りを見せる。
ジカイラ達は、いびきを掻いて眠る2人を縄で縛り上げると、人間がすっぽりと入る麻袋に入れ、甲板に引き摺っていく。
ティナが文句を言う。
「ジカさん、重いよ・・・」
ジカイラが「この2人をどうやって小舟に乗せようか」と思案しながら周囲を見回していると、甲板上のある物が目に入る。
「よし! アレを使おう!!」
ジカイラの言葉にケニー達が驚く。
ジカイラは、甲板で荷物の積み下ろしに使う起重機の先にカロカロの麻袋を吊るすと、小舟に向けて降ろし始めた。
ヒナが呆れて呟く。
「カスパニアの王太子殿下も、これじゃ『荷物扱い』ね」
ジカイラが他の者達に告げる。
「もう1人、起重機で小舟に降ろすから、お前らは先に縄梯子で小舟に降りて、受け取ってくれ」
「判ったよ」
ケニー達は縄梯子で船舷から海上の小舟に降りていく。
起重機で二人を小舟に降ろしたジカイラは、縄梯子で小舟に降りる。
「良し! バックレるぞ!!」
こうしてカスパニア王太子カロカロと護衛の騎士レイドリックを捕らえたジカイラ達は、カスパニア軍艦から元の漁業区画を目指して小舟を漕いでいった。
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