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第五章 野営訓練
第百二十九話 野営訓練(三)
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ブルクハルトが連れていた女の子は、白いビキニ姿のミネルバであった。
ブルクハルト、ミネルバ、その隣にランスロットが居り、三人でアレク達の元に来たのであった。
母ナナイに似たミネルバは、見事なプロポーションをしており、美しい金髪を結い上げた白いビキニ姿で周囲の男達の視線を集めていた。
ブルクハルトは、鼻の下を伸ばしてニヤけきった顔でミネルバをエスコートしていた。
咳き込みながらアレクが口を開く。
「げほっ! げほっ! ミネルバ! お前、なんて格好しているんだ!?」
アレクとミネルバの会話を聞いたブルクハルトが驚く。
「二人は知り合いなのか??」
アレクがミネルバを指差しながらブルクハルトに告げる。
「知り合いも何も。・・・こいつはオレの妹だよ!!」
ブルクハルトの目が点になる。
「ええっ!? い、妹!? 君、アレクの妹なの??」
ミネルバは、赤らめた頬を少し膨らませながら上目遣いにアレクを睨んで呟く。
「何よ・・・。何かおかしい!? ・・・アレク兄様の小隊にも、派手な水着の人がいるじゃない」
ミネルバの目線の先には、野菜スティックをかじるナディアと焼肉を頬張るエルザが居た。
「ううっ・・・」
同じ小隊のナディアとエルザを引き合いに出され、アレクはミネルバに何も言い返せなくなる。
ミネルバは、猫撫で声で傍らのブルクハルトと腕を組むと、その顔を見上げながら同意を求める。
「そうよねぇ~? ブルクハルト先輩」
ミネルバの色仕掛けにブルクハルトは鼻の下を伸ばしながらニヤけ顔で同意する。
「お、おう。そうだな」
アルが苦笑いしながらブルクハルトに告げる。
「しかし、凄い組み合わせだな。・・・何というか、『美女と野獣』というか、『美女と食人鬼』というべきか・・・」
ブルクハルトが答える。
「おいおい。いくら何でも『食人鬼』は無いだろ?」
アレクの傍らにルイーゼとナタリーがやって来る。
「アレク。どうしたの?」
ルイーゼを見てアレクが呟く。
「ルイーゼ・・・」
ルイーゼも白いビキニ姿のミネルバを見て驚く。
ミネルバの冷たいアイスブルーの瞳がアレクの傍らのルイーゼを一瞥する。
その目はルイーゼに無言で語っていた。
「余計な事はしゃべるな」と。
この場で『帝国第三皇女』というミネルバの素性を知っているのは、兄であり帝国第二皇子のアレクと皇宮のメイドのルイーゼだけであった。
ルイーゼはミネルバからの目線による無言のメッセージを理解し、機転を利かせて三人に冷たい紅茶を振舞う。
「冷たいお茶でも・・・」
ミネルバは、ルイーゼから冷たい紅茶を受け取ると、笑顔で答える。
「ありがとう。ルイーゼ先輩。アレク兄様をよろしくね」
「え、ええ・・・」
二人はぎこちないやり取りを済ませると、再びミネルバが口を開く。
「ブルクハルト先輩。他の先輩方を紹介して下さる? ・・・行くわよ。ランスロット」
「お、おう。じゃあな。アレク、アル」
「姫! どこまで行くんだ!?」
ミネルバは、ブルクハルトとランスロットと腕を組むと、三人で二年生の他の小隊のところへと歩いて行った。
ミネルバが居なくなった事にアレクとルイーゼは、ほっと一息つく。
アルが口を開く。
「まったく。・・・見たか? ブルクハルトの奴の、あの締まりの無いニヤけ顔! ・・・普段、女っ気が無いから、美人を連れているのを自慢したくてしょうがないんだな。・・・しかし、ミネルバちゃん、大丈夫かねぇ?」
アレクが吐き捨てるように答える。
「心配無いよ。ブルクハルトと堅物君を連れて、本人は『男にモテる良い女』のつもりなんだろうし・・・。アイツ、ダークエルフ並みに強くて腹黒いのに猫被ってやがる」
アルが驚く。
「『ダークエルフ並み』って! ・・・ミネルバちゃんって、そんなに強いのか!?」
アルからの問いにアレクは、苦々しく答える。
「ああ。教導大隊で近接戦でアイツに勝てるのは、ジカイラ大佐くらいだろ。・・・たぶん」
アルは、驚きを隠せずに答える。
「そうなんだ。スゲェな・・・」
アレクとアルが話し込んでいると、ナタリーがアルの後ろに回り込んで両手でアルの頬を軽く摘まんで左右に引っ張る。
「アルったら、また、ミネルバさんの話ばっかりして!」
「イテテ。ナタリー、妬くなよ」
ルイーゼもアレクの後ろに回り込むと、後ろからアレクに抱き付いて耳元で囁く。
「・・・アレクもよ」
アレクは後ろから抱き付いてきたルイーゼの頭を撫でる。
「ルイーゼ。・・・気を悪くさせて済まなかった」
「ううん。いいの」
アレク達の元にナディアとエルザもやって来る。
エルザはアレクの左隣に座ると口を開く。
「また二人でイチャイチャしちゃって・・・。はい。アレク。ア~ン」
そう告げると、エルザはアレクに焼肉を食べさせる。
ナディアもアレクの右隣に座るとアレクに告げる。
「アレク、こっち向いて。ア~ン」
ナディアもアレクに焼肉を食べさせる。
トゥルムとドミトリーもアレク達の元にやって来る。
「相変わらず、隊長は異性にモテるな。はっはっは」
そう言うと、トゥルムはアレク達の近くに座り、蒸留酒の酒瓶を片手にドミトリーと酒盛りを始める。
ドミトリーは、トゥルムに注がれた酒の杯を片手にアレクに告げる。
「・・・煩悩だ。まさしく煩悩だ。隊長は煩悩に捕らわれ過ぎだ」
ドミトリーの言葉に小隊の仲間達が笑う。
ブルクハルト、ミネルバ、その隣にランスロットが居り、三人でアレク達の元に来たのであった。
母ナナイに似たミネルバは、見事なプロポーションをしており、美しい金髪を結い上げた白いビキニ姿で周囲の男達の視線を集めていた。
ブルクハルトは、鼻の下を伸ばしてニヤけきった顔でミネルバをエスコートしていた。
咳き込みながらアレクが口を開く。
「げほっ! げほっ! ミネルバ! お前、なんて格好しているんだ!?」
アレクとミネルバの会話を聞いたブルクハルトが驚く。
「二人は知り合いなのか??」
アレクがミネルバを指差しながらブルクハルトに告げる。
「知り合いも何も。・・・こいつはオレの妹だよ!!」
ブルクハルトの目が点になる。
「ええっ!? い、妹!? 君、アレクの妹なの??」
ミネルバは、赤らめた頬を少し膨らませながら上目遣いにアレクを睨んで呟く。
「何よ・・・。何かおかしい!? ・・・アレク兄様の小隊にも、派手な水着の人がいるじゃない」
ミネルバの目線の先には、野菜スティックをかじるナディアと焼肉を頬張るエルザが居た。
「ううっ・・・」
同じ小隊のナディアとエルザを引き合いに出され、アレクはミネルバに何も言い返せなくなる。
ミネルバは、猫撫で声で傍らのブルクハルトと腕を組むと、その顔を見上げながら同意を求める。
「そうよねぇ~? ブルクハルト先輩」
ミネルバの色仕掛けにブルクハルトは鼻の下を伸ばしながらニヤけ顔で同意する。
「お、おう。そうだな」
アルが苦笑いしながらブルクハルトに告げる。
「しかし、凄い組み合わせだな。・・・何というか、『美女と野獣』というか、『美女と食人鬼』というべきか・・・」
ブルクハルトが答える。
「おいおい。いくら何でも『食人鬼』は無いだろ?」
アレクの傍らにルイーゼとナタリーがやって来る。
「アレク。どうしたの?」
ルイーゼを見てアレクが呟く。
「ルイーゼ・・・」
ルイーゼも白いビキニ姿のミネルバを見て驚く。
ミネルバの冷たいアイスブルーの瞳がアレクの傍らのルイーゼを一瞥する。
その目はルイーゼに無言で語っていた。
「余計な事はしゃべるな」と。
この場で『帝国第三皇女』というミネルバの素性を知っているのは、兄であり帝国第二皇子のアレクと皇宮のメイドのルイーゼだけであった。
ルイーゼはミネルバからの目線による無言のメッセージを理解し、機転を利かせて三人に冷たい紅茶を振舞う。
「冷たいお茶でも・・・」
ミネルバは、ルイーゼから冷たい紅茶を受け取ると、笑顔で答える。
「ありがとう。ルイーゼ先輩。アレク兄様をよろしくね」
「え、ええ・・・」
二人はぎこちないやり取りを済ませると、再びミネルバが口を開く。
「ブルクハルト先輩。他の先輩方を紹介して下さる? ・・・行くわよ。ランスロット」
「お、おう。じゃあな。アレク、アル」
「姫! どこまで行くんだ!?」
ミネルバは、ブルクハルトとランスロットと腕を組むと、三人で二年生の他の小隊のところへと歩いて行った。
ミネルバが居なくなった事にアレクとルイーゼは、ほっと一息つく。
アルが口を開く。
「まったく。・・・見たか? ブルクハルトの奴の、あの締まりの無いニヤけ顔! ・・・普段、女っ気が無いから、美人を連れているのを自慢したくてしょうがないんだな。・・・しかし、ミネルバちゃん、大丈夫かねぇ?」
アレクが吐き捨てるように答える。
「心配無いよ。ブルクハルトと堅物君を連れて、本人は『男にモテる良い女』のつもりなんだろうし・・・。アイツ、ダークエルフ並みに強くて腹黒いのに猫被ってやがる」
アルが驚く。
「『ダークエルフ並み』って! ・・・ミネルバちゃんって、そんなに強いのか!?」
アルからの問いにアレクは、苦々しく答える。
「ああ。教導大隊で近接戦でアイツに勝てるのは、ジカイラ大佐くらいだろ。・・・たぶん」
アルは、驚きを隠せずに答える。
「そうなんだ。スゲェな・・・」
アレクとアルが話し込んでいると、ナタリーがアルの後ろに回り込んで両手でアルの頬を軽く摘まんで左右に引っ張る。
「アルったら、また、ミネルバさんの話ばっかりして!」
「イテテ。ナタリー、妬くなよ」
ルイーゼもアレクの後ろに回り込むと、後ろからアレクに抱き付いて耳元で囁く。
「・・・アレクもよ」
アレクは後ろから抱き付いてきたルイーゼの頭を撫でる。
「ルイーゼ。・・・気を悪くさせて済まなかった」
「ううん。いいの」
アレク達の元にナディアとエルザもやって来る。
エルザはアレクの左隣に座ると口を開く。
「また二人でイチャイチャしちゃって・・・。はい。アレク。ア~ン」
そう告げると、エルザはアレクに焼肉を食べさせる。
ナディアもアレクの右隣に座るとアレクに告げる。
「アレク、こっち向いて。ア~ン」
ナディアもアレクに焼肉を食べさせる。
トゥルムとドミトリーもアレク達の元にやって来る。
「相変わらず、隊長は異性にモテるな。はっはっは」
そう言うと、トゥルムはアレク達の近くに座り、蒸留酒の酒瓶を片手にドミトリーと酒盛りを始める。
ドミトリーは、トゥルムに注がれた酒の杯を片手にアレクに告げる。
「・・・煩悩だ。まさしく煩悩だ。隊長は煩悩に捕らわれ過ぎだ」
ドミトリーの言葉に小隊の仲間達が笑う。
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