アスカニア大陸戦記 英雄の息子たち

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第二章 士官学校

第九話 ペア決定、小隊編成

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 アレクたちの職業クラスは、以下の通りとなった。

 アレキサンダー・ヘーゲル 騎士ナイト

 ルイーゼ・エスターライヒ 暗殺者アサシン

 アルフォンス・オブストラクト 戦士ウォーリアー

 ナタリー・チャウデゥリー 魔法使いメイジ

 エルザ 剣士ソードマン

 トゥルム・ドルジ 槍術士スピアマン

 ドミトリー・ボグザ 修道僧モンク
 
 ナディア・フロレスク精霊使いシャーマン



 職業の登録が終わった入学式会場に再び軍監の声が響く。

「これより一緒に教練を行うペアを決定する。なるべく男女で気の合う者同士で、二人一組になるように」

 軍監の声に会場がざわめく。

 アルが気の抜けた声を上げる。

「気の合う男女でペアねぇ……」

 軍監の説明を聞いたアレクは、母のナナイから聞いていた話を思い出した。

 母ナナイは、士官学校でのペア編成の時に入学式典会場の中央で、士官学校の全学生や全教官などが見ている前で、父ラインハルトから古典的『騎士典礼』に則ったスタイルでペア結成を申込まれていた。

 『恥ずかしかったが、初恋の相手であるラインハルトからペア結成を申し込まれ、とても嬉しかった』と。

(オレの相手はルイーゼしかいない。小さい頃から、ずっと一緒だった)

 アレクは意を決すると、ルイーゼの手を引いて入学式典会場の中央に向かう。

 手を引かれたルイーゼは、驚いてアレクに尋ねる。

「ちょっと! アレク!? どこ行くの?」

「良いから!」

 アレクがルイーゼを平民組から引っ張り出す形で、二人は入学式典会場の中央、ちょうど貴族組と平民組の間となる空間に立つと、二人は向き合う。

 会場のざわめきが消え、アレクとルイーゼの二人に周囲の注目が集まる。

 アルがナタリーに話し掛ける。

「あいつら、何する気だ……?」

「さぁ?」

 アレクは古典的『騎士典礼』に則り、片膝を着き掌を上に右手を差し伸べてルイーゼを見つめる。

 ひと呼吸置いて、そしてルイーゼに告げる。

「ルイーゼ・エスターライヒ騎士爵令嬢、よろしければ私とペアを組んで頂けますか?」

 士官学校の全学生、全教官などが見ている前での古典的『騎士典礼』に則ったアレクからの申込みにルイーゼの顔は、嬉しさと恥ずかしさで、みるみる赤くなる。

 ルイーゼは、幼いころからアレクのことが好きだった。初恋である。

 しかし、アレクはバレンシュテット帝国を統べる皇帝の第二皇子であり、準貴族である騎士爵家に生まれたルイーゼは皇宮のメイドでしかなく、ルイーゼがどんなに恋い焦がれても、アレクとは天と地ほどの身分の差があるため、ルイーゼがアレクへの好意を口にすることは憚られた。

(アレクが自分を選んでくれた。)

 衆目の中で想い人に選ばれたルイーゼは、嬉しさと感動で胸が一杯になり、涙ぐむ。

「喜んで」

 ルイーゼは、そう返事をすると、差し出されたアレクの掌の上に自分の右手を置く。

 おとぎ話にある騎士物語のワンシーンのような状況に、周囲から歓声と拍手、感嘆の声が湧き上がる。

 ルイーゼは、立ち上がったアレクと腕を組み、その顔を見上げる。

 アレクも照れている面持ちであった。

 ルイーゼの瞳から大粒の涙が溢れる。

 アレクは、ルイーゼが涙を流していることに驚く。

「どうしたの? 大丈夫?」

「ううん。嬉しいの」

 そして二人は、平民組の仲間のところへ歩いていった。 






 仲間たちが戻って来た二人の周囲に集まる。 

 アルが口を開く。

「やるじゃないか! アレク!」

 エルザが二人を冷やかす。

「見せつけてくれるねぇ~。お二人さん!」

 ナタリーが感想を口にする。

「素敵だったわ!」

 ナディアも感想を口にする。

「王子様とお姫様のプロポーズみたい!」

 トゥルムも褒め言葉を口にする。

「素晴らしい!」

 ドミトリーも称賛する。

「見事な『騎士典礼』であった!」

 そして、遠くから二人のやりとりを見守っていたジカイラも、微笑みながら二人に拍手を贈っていた。

(やっぱり、アレクはお前の息子だよ。ラインハルト。血は争えないな)





 入学式会場に再び軍監の声が響く。

「時間だ。次にペア四組で一個小隊を編成する。なるべく同じ寮で組むように。組めなかった者はこちらで強制的に編成する」

 アレクが皆に話す。

「小隊は、寮の八人で決まりだね」

 提案に異論は無く、アレクは直ぐに係員に小隊編成を報告した。

 係員が答える。

「一番最初か。『第一小隊』っと。小隊長は報告者の君だ」

 小隊長はアレクがやることになった。

 やがて軍監から解散指示が発せられる。

「小隊編成が終わった者は解散。明日までに小隊旗のデザインと通称コールサインを決めておくこと。明朝、報告するように」


 小隊の編成は以下のとおりとなった。

第一小隊 

隊長:アレク
副隊長:ルイーゼ

第一分隊

アレク:騎士ナイト
ルイーゼ:暗殺者アサシン

第二分隊
アル:戦士ウォーリアー
ナタリー:魔法使いメイジ

第三分隊
ドミトリー:修道僧モンク
ナディア:精霊使いシャーマン

第四分隊
エルザ :剣士ソードマン
トゥルム:槍術士スピアマン

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