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第二章 士官学校
第十二話 私刑
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先日、補給処でアレクたちと乱闘した相手グループの一人が、アレクたちに助けを求めてきた。
相手グループのリーダー格であるルドルフが、先輩学生達に連れて行かれたためであった。
アルはアレクに尋ねる。
「……どうする? アレク?」
アレクが答える。
「取り敢えず、小隊全員で様子を見に行こう!」
トゥルムが同意する。
「そうだな」
ドミトリーも同意する。
「ですね。八人いれば、何とかできるでしょう」
アレクが、助けを求めてきた学生に尋ねる。
「どこに連れて行かれたか、判るか?」
学生が答える。
「こっちだ!」
アレク達八人は、学生に案内されて『ルドルフが連れて行かれた』というその場所へと向かった。
その場所は、士官学校校舎の外れにある、一階から二階にあがる階段の踊り場であった。
ルドルフ一人を先輩学生達が取り囲んで、口論しているようであった。
今、まさに先輩学生達による私刑が始まろうとしている、その様子を見たトゥルムが口を開く。
「新入生一人に十二人で取り囲むとは、卑怯ではないか。あやつらに『戦士の誇り』は無いのか?」
ドミトリーがトゥルムに答える。
「あやつらは『戦士の誇り』や『物事の道理』が通じる相手じゃ無さそうだ」
ナディアは傍らのエルザに尋ねる。
「彼、十二人相手にどうするつもりかしら?」
エルザは興味なさそうにナディアに答える。
「さぁね。私、アイツ嫌いだからボコボコにやられたら良いのに」
ナタリーは、雰囲気が変わったルイーゼを伺う。
「ルイーゼ?」
ルイーゼはナタリーに微笑んで見せるが、先輩学生達やアレクたちなど周囲の状況を確認すると、目付きが変わる。
アルがアレクに尋ねる。
「どうする? アレク?」
アレクが答える。
「少し様子を見よう」
取り囲んだ先輩学生の一人がルドルフの制服の襟首を掴む。
「なんだ! その態度は!」
ルドルフは、自分の襟首を掴む先輩学生の手を掴む。
「クズが! 離せ!」
「てめぇ!」
先輩学生達がルドルフに殴り掛かる。
アルは、その様子を見て、傍らのアレクに話し掛ける。
「……始まったな」
「ああ」
アレクは彼等の戦いぶりを観察しながら考えていた。
上級騎士である父ラインハルトや兄ジークフリートなら、先輩学生達を何十人と相手にしても、一人で勝つだろう。
アレクの父や兄と、先輩学生達とは、それくらいの力量差が見て取れた。
最初は威勢良く先輩学生達を殴り返していたルドルフだが、次第に人数差により先輩学生達に押されていく。
アレクが呟く。
「……アイツ。ルドルフの奴、上級騎士じゃ無さそうだな」
アルが答える。
「はぁ? 上級騎士なんて、滅多にいる者じゃないぞ? 近接戦最強の上級職で騎士系の最上位職だ」
ルイーゼも口を開く。
「ルドルフが上級騎士なら、とっくに先輩達が半殺しにされてるわよ」
ナタリーも口を開く。
「助けないの? アレク?」
アレクは、ナタリーからの問いには答えず、ルドルフの方を見る。
ルドルフと先輩学生達の乱闘は、もはや先輩学生達による一方的な袋叩きになっていた。
アレクとルドルフの目が合う。
ルドルフは床に這いつくばりながら、先輩学生達ではなく、アレクを憎悪に満ちた目で睨み付けていた。
アレクは、決断する。
「皆、助けに行こう!」
待ってましたと言わんばかりにアルが答える。
「しょうがねぇなぁ!」
目付きが変わったルイーゼも答える。
「気を付けて! アレク!」
意気込むナタリーも答える。
「行きましょう!」
アレクたち八人は、乱闘現場に割って入り、先輩学生達と対峙する。
アレクが先輩学生達に向けて告げる。
「もう、その辺にしてやって下さい!」
先輩学生の一人がアレクの方を見る。
「なんだぁ? お前か?」
再び、アレクが先輩学生達に向けて告げる。
「先輩方、もう、十分でしょう」
蜥蜴人に獣人、エルフ、ドワーフという亜人達を連れたアレク達八人に、先輩学生達は警戒して一歩引き下がり身構える。
先輩学生の一人がアレクに迫る。
「お前ら、邪魔する気か? ああん?」
アレクに迫る先輩学生の前に、蜥蜴人のトゥルムが割って入り、立ちはだかる。
「なら、どうする?」
先輩学生は、自分達より二回り以上体格が大きいトゥルムに怯みながらも、負けじと迫る。
「お前ら! ここに居るウサギ・アマギさんとソナーさんは、あの『フナムシ一家』の下位組織である『腹筋同盟』のメンバーなんだぞ!」
アルを除いた、アレクたちは皆、怪訝な顔をして呟き、互いに顔を見合わせる。
「……フナムシ一家? ……腹筋同盟? なにそれ?」
アルが、小隊の皆に解説する。
「フナムシ一家ってのは、帝都の繁華街で暗躍するギャング団のことで、腹筋同盟ってのは、その下位組織の半グレ・チンピラ集団ってところだ」
アレクが納得する。
「そうなんだ。アルは物知りだね」
アルが小隊メンバーに解説していると、二階から階段を降りてくる者達が現れる。
相手グループのリーダー格であるルドルフが、先輩学生達に連れて行かれたためであった。
アルはアレクに尋ねる。
「……どうする? アレク?」
アレクが答える。
「取り敢えず、小隊全員で様子を見に行こう!」
トゥルムが同意する。
「そうだな」
ドミトリーも同意する。
「ですね。八人いれば、何とかできるでしょう」
アレクが、助けを求めてきた学生に尋ねる。
「どこに連れて行かれたか、判るか?」
学生が答える。
「こっちだ!」
アレク達八人は、学生に案内されて『ルドルフが連れて行かれた』というその場所へと向かった。
その場所は、士官学校校舎の外れにある、一階から二階にあがる階段の踊り場であった。
ルドルフ一人を先輩学生達が取り囲んで、口論しているようであった。
今、まさに先輩学生達による私刑が始まろうとしている、その様子を見たトゥルムが口を開く。
「新入生一人に十二人で取り囲むとは、卑怯ではないか。あやつらに『戦士の誇り』は無いのか?」
ドミトリーがトゥルムに答える。
「あやつらは『戦士の誇り』や『物事の道理』が通じる相手じゃ無さそうだ」
ナディアは傍らのエルザに尋ねる。
「彼、十二人相手にどうするつもりかしら?」
エルザは興味なさそうにナディアに答える。
「さぁね。私、アイツ嫌いだからボコボコにやられたら良いのに」
ナタリーは、雰囲気が変わったルイーゼを伺う。
「ルイーゼ?」
ルイーゼはナタリーに微笑んで見せるが、先輩学生達やアレクたちなど周囲の状況を確認すると、目付きが変わる。
アルがアレクに尋ねる。
「どうする? アレク?」
アレクが答える。
「少し様子を見よう」
取り囲んだ先輩学生の一人がルドルフの制服の襟首を掴む。
「なんだ! その態度は!」
ルドルフは、自分の襟首を掴む先輩学生の手を掴む。
「クズが! 離せ!」
「てめぇ!」
先輩学生達がルドルフに殴り掛かる。
アルは、その様子を見て、傍らのアレクに話し掛ける。
「……始まったな」
「ああ」
アレクは彼等の戦いぶりを観察しながら考えていた。
上級騎士である父ラインハルトや兄ジークフリートなら、先輩学生達を何十人と相手にしても、一人で勝つだろう。
アレクの父や兄と、先輩学生達とは、それくらいの力量差が見て取れた。
最初は威勢良く先輩学生達を殴り返していたルドルフだが、次第に人数差により先輩学生達に押されていく。
アレクが呟く。
「……アイツ。ルドルフの奴、上級騎士じゃ無さそうだな」
アルが答える。
「はぁ? 上級騎士なんて、滅多にいる者じゃないぞ? 近接戦最強の上級職で騎士系の最上位職だ」
ルイーゼも口を開く。
「ルドルフが上級騎士なら、とっくに先輩達が半殺しにされてるわよ」
ナタリーも口を開く。
「助けないの? アレク?」
アレクは、ナタリーからの問いには答えず、ルドルフの方を見る。
ルドルフと先輩学生達の乱闘は、もはや先輩学生達による一方的な袋叩きになっていた。
アレクとルドルフの目が合う。
ルドルフは床に這いつくばりながら、先輩学生達ではなく、アレクを憎悪に満ちた目で睨み付けていた。
アレクは、決断する。
「皆、助けに行こう!」
待ってましたと言わんばかりにアルが答える。
「しょうがねぇなぁ!」
目付きが変わったルイーゼも答える。
「気を付けて! アレク!」
意気込むナタリーも答える。
「行きましょう!」
アレクたち八人は、乱闘現場に割って入り、先輩学生達と対峙する。
アレクが先輩学生達に向けて告げる。
「もう、その辺にしてやって下さい!」
先輩学生の一人がアレクの方を見る。
「なんだぁ? お前か?」
再び、アレクが先輩学生達に向けて告げる。
「先輩方、もう、十分でしょう」
蜥蜴人に獣人、エルフ、ドワーフという亜人達を連れたアレク達八人に、先輩学生達は警戒して一歩引き下がり身構える。
先輩学生の一人がアレクに迫る。
「お前ら、邪魔する気か? ああん?」
アレクに迫る先輩学生の前に、蜥蜴人のトゥルムが割って入り、立ちはだかる。
「なら、どうする?」
先輩学生は、自分達より二回り以上体格が大きいトゥルムに怯みながらも、負けじと迫る。
「お前ら! ここに居るウサギ・アマギさんとソナーさんは、あの『フナムシ一家』の下位組織である『腹筋同盟』のメンバーなんだぞ!」
アルを除いた、アレクたちは皆、怪訝な顔をして呟き、互いに顔を見合わせる。
「……フナムシ一家? ……腹筋同盟? なにそれ?」
アルが、小隊の皆に解説する。
「フナムシ一家ってのは、帝都の繁華街で暗躍するギャング団のことで、腹筋同盟ってのは、その下位組織の半グレ・チンピラ集団ってところだ」
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